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エルフの里の異変です23

 最後に残った堕ちた精霊・風を仕留め、この地点での戦闘は終了した。残されたのは俺と大量に転がる死体のみ。堕ちた精霊の攻撃に使われたためにばらばらと辺りに散らばってしまっているものもあるが、それ以前に瓦礫を巻き上げたことで埋まっていた物が掘り起こされた物もある。死体と化した後も操られて虚偽の情報を送っていたエルフも、攻撃に巻き込まれてもはや原型をとどめていなかった。あまり考えたくはないが、この散らばった死体のうち、俺の攻撃が当たった物はどれだけあったのだろう。


「だめだ。まだ終わってねえんだ」


 思考がだんだんと下向きになっていくのを無理矢理上向かせる。ここの周りにはもう『探知』に引っかかる生命はない。しかし、森の方にはちらほらと数体の反応があった。生き延びた兵士か冒険者かと思ったが、残念ながらどれもモンスターの反応だ。大規模な集団というわけでもなく、おそらくは森にもともといるモンスターたちなのだろう。どこかに向かうような様子もなく、その場にとどまっている。

 ただ、周囲にいる複数の集団の中で1つ気になる集団もあった。それはここにたむろしていたモンスターたちが向かってきた方向にいるものだ。

 大集団での移動ということで仕方ないことではあるが、森の木々がなぎ倒され、その倒木自体も横に除けられている。通りやすいように舗装されているわけではないが、多くのモンスターたちに踏まれた結果かなり平らにはなっているようだ。まあそこを通るつもりはないが。


「……でかいのはいなさそうか」


 『空蹴り』で高くまで駆け上って『魔力盾』を足場にして留まりその集団を確認する。遠くから見えるその姿は森の中に普通にいるようなベア系のモンスターたちの群れだ。大小さまざまなサイズのベア系統のモンスターたち。ぱっと見る限りは森にいた彼らが破壊された森の跡に出てきたようにも見える。『探知』でその実態が見えていなければな。


「『龍化』」


 空中で『龍化』し、新たに『魔法盾』を足場として生み出す。そして壁のようにさらに追加で盾を生み出してそれを蹴ってベアたちの元へ飛ぶ。


「『死龍のブレス』」


 『空蹴り』で加速しながら襲来し、先制攻撃としてブレスを叩き込んだ。高火力の『死龍のブレス』がそこに集うベアたちを呑み込んでその多くを消し去る。これで全滅とまではいかないが、無傷の個体はおらず、四肢のすべてどころか下半身が完全に消し飛んだような個体までいる。


「-------」


 四肢を失った個体も、首が向いてはならない方に向いてしまった個体も、上半身しかなくなってしまったような個体も、『死龍のブレス』が直撃、あるいはその余波を受けて体が残った個体のすべてが白い目をむきながらこちらを見上げた。そう、ここにいる個体はすべてベア系統のアンデッドだ。


「悪いが聖属性の攻撃はできないからな。燃やす」


 空中で旋回して再び『ブレス』を叩き込む。傷の少ない個体を優先し、欠損の激しい個体は余波でも構わない。彼らが動かなくなるまで空中から『ブレス』を叩き込むのを続ける。

 アンデッドベアたちは一応属性持ちの個体も残ってはいるが遠距離攻撃の手段を持つ個体は残っていないらしい。いつぞやの『やわらか熱毛』のような自身へのバフをかけるタイプの魔法がメインなのだろう。こうして空中から一方的に攻撃する限りは脅威ではない。


 攻撃を開始してそれほど時間をかけずにアンデッドベアたちは全滅した。聖属性の魔法なら一撃で終わらせられるんだろうけどそうもいかずに動かなくなるまで体を焼き尽くすしかなかった。『死龍のブレス』で最初に消し飛ばした個体の方が楽に逝っただろうか。


 全滅したアンデッドベアたちの中心に『龍化』を解除して降り立った。『探知』にかかったり消えたりとばらばらな反応が1つ。周りにいるやつらとは違って『探知』では正体はわからない。ただ、降り立った俺の目の前にその姿を現していた。


「あら? あらあらあら? なんでこんなところで龍がでるのさって思ってたけどどこかで見た顔じゃない。実は龍人(ドラゴニュート)……なんてわけないよね。龍化できるスキルを授かったの?」


「そういうわけじゃないさ。努力のたまものだ。それで、あなたは敵か?」


 『ダークソード』を両手に出して『威圧』を放ちながら話す。目の前でふわふわと浮かぶ彼女(・・)はけらけらと笑いながら答えた。


「敵かどうかなんてそんなに問題かなかな? 私にとっては誰の味方であるかなんて些細なことなんだけど。私にとってはどうでもいいことだし」


「残念ながら今この場ではかなり重要だよ。なにせ戦争中だからな」


「そっかそっか。ならこの場では敵ってことになるのかな。夫は今魔族サイドだし」


「アンデッド化したエルフたちを操っていたのもあんたか? 堕ちた精霊に権限でも譲渡したとか」


「まさか! 私はさっきこっちに来たところだからね。押されてるから助けてくれって。まあその前に博打に成功したみたいだけど、指揮官死んじゃったからね。なかなか強い冒険者がいたらしいよ? できれば死体を確保したかったかな」


「えらくぺらぺら話すんだな」


「そりゃあこれから無傷で帰ろうと思ったら少しでも印象はよくしたいじゃん。せっかくその辺にいたモンスター集めてこれからって思ったところをどこかの龍に消し飛ばされたんだよ? 誰だよ戦場なら味方モンスターの死体が溢れてるから戦力は現地で調達するって言ったアホは。あ、私か」


「おとなしく捕虜になるつもりは? トップには話を通せるぞ」


「んー、ないかな。勝手に敵に寝返ったら夫の迷惑になっちゃう」


「なら力づくで行かせてもらうぞ?」


「無理!」


 『剣閃』を帯びた剣で斬りかかるのと同時に大量の『ダークハンド』と『ダークチェーン』を伸ばす。目の前のこの浮遊霊がそう簡単につかまってくれるとは思わないがやらないよりはましだろう。


「ははは。私に闇は効かないよ!」


 ふよふよ動く彼女にあたるはずだった闇の手も鎖も彼女をすり抜けて後方の地面に突き刺さった。正確には手も鎖も彼女に突き刺さっている。しかしそれを意にも介さずにするりと上に逃げた。飛ばした斬撃も彼女をすり抜けて空に消えていく。


「危ない危ない。魔法も斬撃も使うなんて贅沢ぅ! ま、私には効かないけど」


「逃げるな! って言って聞くはずもねぇよな。なぜあんたが魔王につくんだ? 峰岸綾乃(勇者)!」


「夫がそこにいるから。それ以外に理由はない! そーれじゃーねー」


 かつてこの世界に呼ばれた者(死の救済の勇者)は俺の追撃の『ダークランス』を躱しながら空に消えていった。


 こうして、殲滅したとは言い難いが、この戦場の敵は追い払った。『探知』にも反応しなくなった彼女を追うことは諦め、通信の魔道具がある先ほどの広場まで戻った。



どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 精霊使いLv32/40

 舞闘家 Lv69/70   大鬼人 Lv24/40

 上級獣人Lv17/30   魔人  Lv14/20 

 探究者 Lv34/99   狙撃王 Lv7/90

 上級薬師Lv4/80    上級龍人Lv1/30

 死霊術師Lv1/100

非有効職業

 アーマーナイトLv1/99 剣闘騎士Lv1/99

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100』

寒い日々が続きますね。布団から出たくない…オフトンサイコー


ではまた次回

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[気になる点] いきなりまた次回って言われて何事かと思ったよ
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