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エルフの里の異変です16

 『サンダーレーザー』でガーゴイルの上位種を消し飛ばしたタイミングで端に近い当たりの壁が砕かれた。背中側から。


「は!?」


 聞こえた音から爆発を起こすタイプの魔法で砕かれたのは間違いなさそうだが、ガーゴイルかメイジ系の上位種が残っていたのだろうか。


「指揮官殿からの命令だ! 彼を一人で戦わせるな、少しでも引き付けて向こうに行くモンスターを減らすんだ!」


 出てきたのはモンスターたちではなく、エルフと冒険者たちだった。どこからが指揮官の命令なのかわからないがそれにしたってせっかく防御のために張った壁を内側から壊されるとは思わなかった。

 破壊された壁から出てきたのはまずは大盾を構えた部隊で、それらが穴を中心に半円を描くようにして展開し、その内側から槍を持った部隊と遠距離武器を構えた部隊が掩護する。何十人も出てくるには穴が狭いからか、残った部隊がさらに壁の穴を広げているようだ。魔法を切らさないようにしながら軽く観察していると、壁のすぐ側をエルフが一人素早い動きでこちらにやってきた。


「あの指揮官からこんな命令が出ると言うのは意外だったが、あなたのおかげでゆっくり休むことができた。ここからは我々も戦わせてもらうぞ」


「戦うにしても壁は壊さないでほしかったがな。いずれにせよ前に出すぎるなよ。そこまで精密に操作なんかしてないから射線に入ってきてもそのまま撃ってしまうからな」


「はい。徹底します。正直音を聞いているだけの時より実際にこの目にしてしまうと邪魔になっているのではと思ってしまいますね。こちらは気にしなくて大丈夫ですので」


 それだけ言うと、伝令?のエルフは戻っていった。正直に言ってしまえば壁を壊したり戦場に出てこないでくれるのがよかったのだが、こうやって出てきてしまったのであれば仕方ない。あの指揮官がどういう意図で援軍をと言ったのかはわからないが案外手柄を俺に独り占めさせないためとかそういう理由かもしれないな。いや、さすがに偏見が過ぎるか?




「『ヘイト』」


 エルフと冒険者の軍がともに戦い始め、俺の負担は減るどころか残念ながら増えてしまっていた。その理由がこの『ヘイト』というスキルだった。

 先ほどの戦場と異なり、奥まで続くように戦列に穴を開けたとしてもモンスターたちがその穴をうめようと動いてこない。そのため、端の方のモンスターたちがどうしても戦場を広げてしまいかねない状態なのだ。そのため、もともと定期的にモンスターたちをこちら側に向かってくるように『ヘイト』を使って注意をこちらに向くようにしていた。『ダークネスランス』を遠めに放って、注意をひいたやつらが少しでも近くにこれるようにしているのだが、この『ヘイト』のレベルが問題だった。

 俺が使える『ヘイト』のレベルはまだ3。これだけ使っていればそろそろレベルも上がるかもしれないが上がったところで4レベル。この戦場においてこのスキルを使う人間が俺だけであれば範囲も広がるかもしれないし、より強力な敵にも効果が出るようになるだろうし万々歳だったのだが、そもそもこの『ヘイト』というスキルは前衛職とでも言うべき人たちが敵の注意を引き付けるためのスキルだ。後衛の人たちがいるところにモンスターを行かせないようにし、さらに敵の注意を引き付けることで周りで戦う人たちが攻撃する隙を作ることができるスキルとなると、部隊単位で戦っているエルフの連中や各パーティでまともな前衛として戦っているような冒険者が使えないはずがない。

 『マツノキ』の場合は俺とユウカが敵陣に突っ込んでかき乱す一方でヒツギがマナの護衛を担ってくれていた。いなくてもマナ自身近づかれた時の対策は用意していると言っていたし、そもそも俺が転移を悪用し放題だった時なんかは近づけるようなモンスターなどは存在しなかった。だが、普通の冒険者や軍隊が同じようにできるわけもなく、そもそも後衛をほったらかしにして敵陣のど真ん中に突っ込んでいく前衛しかいないうちがおかしいだけだ。自分で考えて哀しくなるが。

 まあつまるところ、壁に開けた穴から出てきて戦っている彼らの中には俺よりも明らかに上のレベルで『ヘイト』などの挑発系のスキルを使いこなす面々が揃っているということが、彼らの危険性を高めてしまい、『ヘイト』を使用する回数を多くする結果につながっていた。

 もちろん彼らがいる方の端から戦場が広がることは考えなくてよくなったと言うのは非常に助かってはいるが、その分反対側に意識を向けすぎると彼らの方にオリハルコンゴーレムや特異ゴーレムのような異常個体が出て、何かの拍子に『ヘイト』が効いてしまった時に危なくなってしまう。犠牲を覚悟の上で無視して反対側から殲滅していくことも考えたが、前線には下位とはいえ向こうの戦場のゴーレムを除いた最高戦力でもあったドラゴン系統のモンスターが姿を現し始めていた。この戦場での軍勢との対決の終わりはそう遠くないだろう。

 そうした事情もありどちらに異常個体が出てきても動きやすいこの中央の場所から移動するのは避けたいとなると、ここは()を増やすことが最善だろう。


「黄龍、来てくれ」


「あい!」


 俺の隣に並び立つように黄龍が腕を組んで魔法陣から浮かび上がる。さすがに遊んでいられるような状態ではないことはわかっているようで俺の言葉に耳を傾けながらも意識はしっかりと前を向いていた。


「向こうに飛んでモンスターたちを中央に押し込んでほしい。倒せるならそれでも助かる」


「わかったのだ! ぴかぴかいっぱいでちゅどーんってすればいいよね?」


 ぐっと小さい手で作ったOKマークを見せると、黄龍は天雷の羽衣を握りしめると今までよりも早いスピードで戦場の端目掛けて飛んで行った。そんな黄龍めがけて弓を放つようなやつもいるが、空中で華麗に躱してあっという間に端まで到達する。そこから『サンダーレーザー』と思われる魔法を駆使してモンスターの軍勢に攻撃を始めてくれた。




「『魔力盾』『ヘイト』」


『スキル:ヘイトLv4 を習得しました。 』


 時間経過による魔力切れで消えた盾の再構築をしながら、何度目かもわからないほどに使った『ヘイト』でスキルレベルが上がった。その効果は次の戦場で多少周りを楽にしてくれるだろうか?

 空に飛びあがった何らかのドラゴンめがけて『サンダーレーザー』と『ダークネスランス』を放って即座に撃ち落とし、その息の根を止めるべく『死龍のブレス』をぶっ放すとまた一列戦場に穴が開いた。

 端から少しずつ削ってくれていた黄龍もついには俺から10メートルも離れていない距離にまで近づいてきていた。終わりの見えてきた戦いに交代して休憩中のエルフたちから歓喜の声もかすかに聞こえてくるが、俺としてはこれからが本番だった。

 つい先ほどのブレスで空いた穴から、この戦場のトップだと思われる個体を確認できた。周囲に魔法の盾と肉の盾をいくつも浮かべてその身を守り、盾剣弓杖と同時に4つの物を操る、文字通り三面六臂のモンスターだ。


「黄龍、奥のやつをやってくる。周りの雑魚と、彼らの防御は任せたぞ」


「まかされたのだ! ちちさまがんばって!」


 俺は黄龍の声援を背に受けて、両手に構えた剣に『ダークネスソード』を纏わせながら、そいつめがけて走り出した。


「『紫炎槍』『サンダーレーザー』」


 先手必勝と放った魔法を、死体の盾を圧縮して受け止めたそいつが『鑑定』の届く距離になった。


『阿修羅(キメラ種)』


 見た目通りのその名前と思わぬ種族名に驚きつつも俺はそいつに向かって『一閃』を飛ばした。



どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 精霊使いLv32/40

 舞闘家 Lv69/70   大鬼人 Lv24/40

 上級獣人Lv17/30   魔人  Lv14/20 

 探究者 Lv34/99   狙撃王 Lv7/90

 上級薬師Lv4/80    上級龍人Lv1/30

 死霊術師Lv1/100

非有効職業

 アーマーナイトLv1/99 剣闘騎士Lv1/99

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100』

明日が夜勤で遅くまで寝ていられるからとゆっくりしすぎました。

サッカー見てて書いてなかったとか言えない…ボソッ


ではまた次回

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