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エンシェントエルフの試練です7

 『死龍のブレス』によってエレメントマスターを消し飛ばしてなお、俺の体の内側で暴れまわる光属性の魔力によって激痛が走っていた。スキルとして一時的に獲得された名前から『ダークスラッシュ』と似た類の魔法ではあるのだろうが、体の内側から刃が飛び出すのではないかというような痛みだ。


 痛みをこらえながら改めて『探知』にエレメントマスターを含めた敵の反応がないことを確認すると、意を決して『龍化』と『死龍装甲』を解除した。

 表面を覆っていた『死龍装甲』がなくなったことで内側から刃が飛び出すかと心配したが、光属性の魔力であると言うだけで実際に光の刃による攻撃を今も受けているというわけではないし、さすがにそれはなかったようだ。今も痛みが走ってはいるがその痛みもだんだんと治まってきた。死龍という明確に闇に近い属性のスキルを纏っていたことも痛みが激しかった原因なのかもしれない。


 光属性の魔力によるダメージに耐えながら完全にそれが収まるのを待っていると、今日の分の試練の終了を知らせにエンシェントエルフ様がやってきた。


「あっさりと倒してしまったように見えますが、その様子ですとダメージは大きかったのですね。マグマほど熱くはないように見えましたが龍の装甲を超えるほどの威力の炎でしたか?」


「ふー……いえ、炎は特にダメージはありませんでしたがその炎に隠れて別の魔法が来てまして、そちらのダメージです」


「炎がひときわ大きく見えたので両手で同じ火魔法を使っていたのかと思いましたがそういうわけではなかったんですね」


「多分もう一つの魔法を隠すために範囲を広げていただけじゃないですかね。『フレイムスロアー』」


 俺はエンシェントエルフ様の反対の方向へ手を向けて『フレイムスロアー』を見せる。集束させた状態で始めて、そのまま炎を拡散させて範囲を広げて見せる。炎の総量というかこめる魔力量は変えていないが、思ったよりも広範囲に広げることができた。これは映像として見ていただけのエンシェントエルフ様が勘違いするのも仕方ないかも。


 痛みも治まり、俺はエンシェントエルフ様の後についてダンジョンから転移した。久しぶりにスキルを手にいれはしたものの、結局他のスキルも職業もレベルが上がらなかった。ヒメたちにどれだけ持っていかれているんだろうか。ローグに精霊使いに魔導士とレベルMAXが見えている職業がさっさと上がってくれれば別の職業を入れられるのにそれが上がらないものだからどうしたらいいんだろうか。一応狙撃王と上級薬師はまだレベル1だから外して他の職業を入れるというのも一つの手かもしれないな。いずれにしても上がらないからどうしようもないが。今夜あたりヒメをとっちめるか……。




 エンシェントエルフ様のところから里に転移で戻ってきて、まだヒメたちが戻ってきていないことを確認した俺はその足でエルメラさんの工房へ向かった。

 この数日のうちに何度か訪れたエルメラさんの工房だが、今日はどこかその様子が違って見えた。

 エルメラさんは、初日のうちに『金の軍団』の連中の依頼を完璧にこなした後、宣言通りすべての依頼を断って俺の依頼のための研究を始めていた。とはいうものの、素材はこれ以上は確保できない一発勝負である以上は即作り始めるということはせず、まずはわかっている工程を完璧にすべく他の素材で確認してみたり、一部自信のない工程を調べなおしたりとなかなかに地味だが大変な作業から始めていた。俺もアイテムボックスに眠るアント系の甲殻や折れたオーガ系の角など研究用にいくらか提供したが、どれだけあれば足りるのか到底見当もつかない。

 そんなかなりの集中力を必要とする作業に取り組んでいるということもあり、これまで表に置かれた看板に休業中だと書いて邪魔が入らないようにしていたのだが、今日はその看板が取り払われていたのだ。さすがに工房の中の様子まではわからないが、近くに人がいる様子はなかった。何か行き詰ったことで気分転換として工房を開けたりしているのだろうか? 職人と呼べる職人はガンダさんくらいしか知らないし、まあエルメラさんの気分が晴れて研究がはかどってくれるのであればそれが一番かな。


「お邪魔します。エルメラさん、様子はどうですか?」


 依頼主かつ研究のための素材提供人として休業中でも本来の営業時間内ならいつでも入っていいと言われてここ数日の間も何度か入っていたからもう慣れてしまった工房に、俺はいつもの感じで入っていった。するとそこにはエルメラさんの他に見たことのある人物も含めて5人ほどがあまりよろしくない雰囲気を醸し出していた。


 以前『金の軍団』に絡まれた時もそうだったが、音が外に漏れないことで外から中の異変に気が付きにくいというのは厄介だなと改めて感じる。中に入って真っ先に目についたのはエルメラさんではなく、エルメラさんを庇うように立つフィアーさんだった。仕事ではなくプライベートなのか鎧は身にまとっておらず随分とラフな格好で、俺が入ってきたことにもすぐに気が付いていた。

 フィアーさんはともかく、エルメラさんは俺が救世主にでも見えたのか、入ってくるなり詰め寄っている男を無視してぶんぶんと俺に手を振る。明らかに話が通じそうにない苛立ちを見せる男と、その男の護衛と思わしき男が2人。よく見ると片方は表に置いてあった看板を持っており、エルメラさんの意思で休業をやめたわけではないというのが理解できた。


「なんだ貴様、見ての通り立て込んでいる最中だ! 関係ない者は今すぐにここから去れ。さもなくば痛い目を見るぞ」


 偉そうな男が顎でくいっと護衛の2人に指示を出すと、2人が腰に下げた剣を見せつけるように浮かしながら大股で俺に向かってくる。


「このお方は今機嫌が悪いんだ。骨の一ニ本は覚悟しな」


「ちょっと、それ以上は私も警備として対応しますよ。罪もない一般人への暴行はさすがに見過ごせません」


「この私に逆らうというのは罪ではないのかね? それはそこの鍛冶師も変わらないが」


「だから今は休業中だって言っているでしょう? 看板を外したところで休業中なのは変わらないんですって!」


「新たに剣を作り上げる必要はない。出来合いの物を売れと言っているのだ! そこら中に置かれている中から1つ2つ見繕えばよいのだから関係ないだろう」


「さっきから言っているけど今この場に売りに出せる物はないんだってば。ここに並んでいるのはすべて失敗作か物足りない品だけなの。素材に直す前にこれから作る物の試用に使おうと思って並べているだけ。1ヶ月も経てばまた工房も再開する予定だから帰ってまた来てくれ」


「1ヶ月などとそんな悠長なことはしてられん! いいから剣をよこせ!」


 偉そうな男がエルメラさんに詰め寄る。間に挟まれるフィアーさんも今にも手が出そうな相手を前にエルメラさんを射程距離に入らないようにしていた。


「ラテ様、手を挙げてしまっては元も子もありません。ここは寛容に」


「ええい、わかっている! くそ、行くぞ」


 護衛の男に宥められて苛立ち紛れにたたらを踏むと、なぜか俺をにらみつけて出ていった。



どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv20/?? ローグ Lv64/70

 精霊使いLv32/40   舞闘家 Lv59/70

 大鬼人 Lv20/40   上級獣人Lv15/30

 魔導士 Lv81/90    魔人  Lv12/20 

 探究者 Lv31/99   狙撃王 Lv1/90

 上級薬師Lv1/80

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死霊術師Lv1/100

 アーマーナイトLv1/99 剣闘騎士Lv1/99

 上級龍人Lv1/30    死龍王Lv1/30 』

先週はすみませんでした。いやー気づいたら夜だったんですよ…


さてプロ野球もいよいよ交流戦が始まる時期。阪神の借金はどこまで増えるのか…震える…


ではまた次回

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