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エルフの里での一日です4

「まいった、私の負けだ」


 クリステラ卿は他のメンバーが支えようとして腕を伸ばすのを断って自力で立ち上がると、そのまま俺に握手を求めてきた。


「どうも」


「いやー、リーダー負けるとか何やってんすかー」


「リーダーの気当たりあっさりいなされてましたね。『前進』まで使ってませんでした?」


 彼のパーティメンバーはリーダーをからかうように話しかけるものの、その言葉にはどこか驚きが含まれていた。誰も自分たちのリーダーが顔も名前も知らないような冒険者に負けるとは思っていなかったのだろう。


「いやー面白いバトルを見させてもらった。クリステラ卿も軍団の皆も以前のように負けた腹いせに暴れたりするんじゃないぞ。今度はあんな軽い罰では済まさんからな」


「やめてくださいよー! あの件で俺ら相当怒られたんすから」


「リーダーが惜敗にもならない惨敗を喫した相手すからね。しかも手落ちで。僕らがなんとかできるとも思わないす」


「用事があるのでここを離れないといけなくなるようなことはしませんが……容赦する気はないですよ」


 フィアーさん以外に向けて軽く『威圧』をかけた。


「!」


 軽めにかけた『威圧』に即座に全員が反応し、盾を持つクリステラ卿ともう1人が後衛とフィアーさんを俺から守るような位置取りでそれぞれの武器を構えた。


「わわわ、なにごとか!?」


「すみません、ちょっと圧をかけました。まさかここまで反応されるとは思っていなくて……」


「あれはちょっとというレベルではなかったがな。フィアーがなんともないということはかける相手や方向をきちんと制御し、我々だけにかけたということなのだろう。忠告痛み入るが、安心するといい。『金の軍団』の名に懸けて闇討ちのような真似をすることはないと誓おう。お前たちもよいな」


「ええ。とてもじゃないっすけど無理っす。死ぬっす」


「右に同じく。ごめんね? さっきなれなれしく変なこと言ってしまって」


 軽めの『威圧』も以前の感覚で使っていたが試練を超える間の成長によって威力が上がってしまっていたらしい。最初にエルメラさんの工房で絡んできた男も退路を確保しつつちらちらとこちらの様子を伺うようになってしまった。弱め過ぎてまったく効果がなくなってしまっては意味がないし、あまり強くしすぎても『威嚇』ではなく『威圧』を使う意味がない。エンシェントエルフ様や守護龍様相手ではとてもじゃないが基準にはならないし、気軽に調整できるような場所もないしどうしたものか。


「まあ仲良きことは素晴らしいことかな? そういえばどこかで見た顔だと思ってたけど、君エルメラが見つけた怪我人? エンシェントエルフ様のとこに連れていったとかいう」


「それなら俺のことですね。もしやどこかでお会いしましたか?」


「お会いしたも何もエルメラからの救援信号を受けたのが私の同僚の部隊だ。治療の場には同席していたぞ。エルメラから回復したいう話は聞いていたがこうして直接目にすると安心感が違うな。私が見たときはいつ死んでもおかしくない状態だったから」


「そうでしたか。ありがとうございました。おかげさまで何とか生きております」


「里に仇なす悪意ある者であれば容赦しないが、森で困っている者を見捨てるのは私の正義に反する。それに、せっかく助けた者が死んでしまっては悲しいではないか」


 いい人だなと思う一方で、エンシェントエルフ様の下へ連れていかれたという言葉に反応して『金の軍団』のメンバーの顔色が若干青くなっていた。リーダーであるクリステラ卿ですら少し表情が硬くなっているように見える。それだけエンシェントエルフ様のネームバリューが強いというのを改めて感じた。


「そういえば君はどうしてあんなことに? 先ほどの戦闘を見る限り、このあたりにいるようなモンスター相手にあそこまでの怪我を負わされるとは思えないが……危険なモンスターがどこかから流れてきたか、もしや魔族が?」


「あまり詳しいことは俺もわかってないので話せないんですが、こことは別の町で力及ばず負けてしまい、強制転移でこの町の近くに飛ばされたので、このあたりに危険なやつがというわけではないですよ」


「そうか。しかし強制転移で逃げるとはなかなか突拍子もないことをするな。せめて移動先に人がいるところでなければ確実に死んでいたぞ?」


「敵が俺たちを殺すための転移魔法だったんですよ。仲間が無理矢理その魔法の座標をいじってくれなければ今頃地面の下だったかも」


「それは……恐ろしいな。ファイアのような魔法と違って転移は魔力こそ大量に必要になるが抵抗力がある者ははたしてどれほどいることか。転移魔法を攻撃として使用するなんて少し考えねばならんな」


「まあ発動するまでにかなり時間がかかっていたので次があれば使う前に魔法を潰しますかね」


「魔力消費が多ければそれだけ時間もかかる、か。弓を使えるし、それがよさそうだな」


「その話は我々も少し興味があるな。第三パーティとしてはこの国を中心に動いているが他のパーティは別の国で活動している者もいる。注意喚起をしておかねばならんな。場所を聞けるか?」


「グリムの町の付近にある森の中ですね」


「感謝する。えっと……そういえば名を聞いていなかったな。私の名はクリステラ・ウォーハイル。先にも名乗ったが今は『金の軍団』の第三パーティのリーダーをしている」


「今は冒険者だけど、彼は本物の貴族なんだよ。だからクリステラ卿なんだよね」


「名ばかりの零細貴族だ。だからこそ武勇で名を立てるために冒険者をやっているのだから」


 偉ぶっているから皮肉も込めて卿と呼ばれているかと思えばまさか本当に貴族だとは思わなかった。だが、バラーガ・グーテンのようなはっきりと敵対するような貴族ではなさそうで少し安心した。


「俺は『マツノキ』のメイです」


「えー! 『マツノキ』ってユウカ様が入ったっていうあのBランクパーティ!?」


 やはり俺の顔や名前は知らなくてもユウカの関係で『マツノキ』を知っているやつはいたらしい。突然大きく驚きながら叫んだ男は他のメンバーからツッコミを受けながらも、それならばと俺がクリステラ卿に勝ったことに納得していた。


「ははは、有名人だったんだね」


「有名なのはユウカだけだよ。こうして名乗るまで気づかれもしない」


「まあ自分も有名になりたければユウカ様を超えるくらいやらないとダメかもね。それじゃクリステラ卿、お互いの自己紹介も終えたところで私もちょっと戻らないといけないし、敗者は敗者の罰を受けてもらわないとね」


「うむ。エルメラ殿に前金で支払った金額の1割だったな。いくらだ?」


「金貨40枚ですね」


「おおー、Bランクにしてはかなり奮発したんじゃない? Aランクの冒険者でもそうそう出せるような金額じゃないよ? それじゃクリステラ卿、1割ってことで金貨4枚」


「勝負をしかけたのは私であるし、負けたのも私だ。私の個人資産から出そう」


 そう言いながら魔法袋から金貨を取り出すクリステラ卿と、確認すべく受け取るフィアーさんの2人の勘違いを正すべく、俺は少し強めの口調で言い放った。


「違います。1割が金貨40枚です。依頼料は金貨400枚ですから」


「「……へ?」」


 さすがにそれはぼったくりすぎだと言いたげな表情で見つめる2人に対し、嘘ではないからエルメラさんのところに確認に行きましょうと伝え、俺たちは工房の方へ戻ることとなった。




どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv20/?? ローグ Lv64/70

 精霊使いLv32/40   舞闘家 Lv59/70

 大鬼人 Lv20/40   上級獣人Lv15/30

 魔導士 Lv81/90    魔人  Lv12/20 

 探究者 Lv31/99   狙撃王 Lv1/90

 上級薬師Lv1/80

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死霊術師Lv1/100

 アーマーナイトLv1/99 剣闘騎士Lv1/99

 上級龍人Lv1/30    死龍王Lv1/30 』

噴火に津波に共通テストと世界はあわただしい土日でしたが皆様は大丈夫でしたでしょうか?

自分はどれも影響はありませんでしたが1mを越す津波とか恐ろしいですね…


ではまた次回

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