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エルフの里での一日です3

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。


 集団で里の外れの方へ向かって歩くこと5分、先ほどの散策の時には行かなかった辺りに来た。訓練場がある場所だからなのか、周りには民家はなく、ドーム状の建物とそれに隣接した塀に囲まれた広場があった。


「今日は雨も降らないから問題はないだろうがこちらの塀の中が第二訓練場だ。隣の第一訓練場と違って単純に囲っただけだからあまり無茶はやめてくれよ?」


「それを忘れていた。君は魔法使いではないよな? エルメラに武器を依頼するするくらいだから剣士か戦士あたりか?」


「にしては服装が随分と軽い感じだね。今日はオフだったんじゃないの?」


「魔法使いでもあるという方が正しいですね。メインは近接戦闘に違いないですが」


「近接も魔法もこなすオールラウンダーということか。クリステラ卿、これは何かハンデが必要じゃないかね?」


「それならばこちらも強化魔法は使わないでおこう。それくらいでちょうどよいのではないか?」


「いえ、使っていただいて構いませんよ。ちょっと訳あって今まともな武器がないんでこうやって武器を 作らないと素手で戦うことになっちゃいますから」


 俺は右手に『ダークナックル・纏』を、左手に『ダークソード』を出し、全員に見えるように軽く振るって見せる。


「闘気法とはまた違うな。拳に魔法そのものを乗せているのか?」


「そんなところですね。あ、もちろん射出したり爆発させたりはしませんから周りの塀を壊す心配は無用です」


「それはつまりリーダーとやりあう程度ならその辺を100%制御できるって言ってる?」


「それだけ腕に自信があるということだろう? やむなしとは言え魔法を使うというのであれば私も遠慮はしない」


「ではそれで」


 フィアーさんはいやいやとあきれ顔で手を振っていたが双方が納得しているということで引いてもらった。慢心も慢心ではあるが、そもそも『金の軍団』の第三パーティのリーダーがギルドマスターたるゴールドさんよりも強いとは思えないし、武器も防具もいい物ではあるだろうがそれなりでしかない。『鬼の一撃』で殴っても大丈夫かどうかもわからないくらいかな。


 塀の中に入ると隅の方で素振りをしているエルフが2人いたものの、訓練場は十分に戦える程度の広さがあった。模擬戦をすると伝えてくるとフィアーさんが彼らの下に向かう間に俺と、相手になるクリステラ卿は10mほど距離をあけて向かい合う。


「我が黄金の武具に勝利を誓う。悪いが手加減はできんぞ。なに、回復魔法ならうちのダクタの専門分野だ。手足くらいなら付け直してやろう」


「俺の攻撃に耐えられずに武具が壊れても文句言わないでくださいよ。盾の上からぶち抜いてあげます」


 お互いの挑発にわかりやすくのるようなことはないが、ここに来て頭にかぶった兜の隙間からピクリと眉が動くのが見えた。しかし怒りで冷静さを失ったりすることはなく、剣と盾を両手で顔の前に掲げて精神統一を始めた。他のパーティメンバーは邪魔にならないように壁際に寄って談笑している。自分たちのリーダーが勝つことを信じているからこその余裕なのだろう。

 ここがグリムの町であればそれなりの期間滞在しているし、第二段階に挑んでいるということで多少は名前が売れてきてはいるが、ユウカが加入している『マツノキ』という名前の方が売れているのは間違いない。他の町であれば、『マツノキ』の名前を知っているやつよりも俺を含めた他のメンバーがどんな奴なのか知っている人がどれだけいるのかと言われるとほぼいないだろう。だからこそこうやって油断してくれるのだからありがたくはある。


「既に構えているようだな。彼らには説明してきたから大丈夫だ。開始の合図は私がさせてもらう。もともとそのつもりだろうがな」


 フィアーさんが二人の間に入り、3歩ほど下がって射線から外れた。それと同時にクリステラ卿は盾と剣の構えを変えてこちらに突進すべく前のめりの格好になる。俺もその動きに合わせて『ダークソード』と『ダークナックル・纏』で両手に武器を準備する。相手が突っ込んでくると『不動明王』を構えてもいいが、武器の準備ならばともかくバフまでかけるのはやめておこう。


「はじめ!」


 フィアーさんの合図と同時にクリステラ卿がまっすぐに突っ込んできた。盾を前面に押し出しながら右手の剣で切り上げるように振るってくる。俺は『魔なる構え』をしつつその剣を抑えるように剣を横なぎに振るった。

 ブンと鋭い音をたてながら振りぬかれた剣は本来くると思っていた剣と剣が当たる感覚はなく、そのままクリステラ卿の体を切り裂いた。


「な」


 剣と剣が当たるはずだったが思いもよらぬ結果を生んだことに驚いていると剣が切り裂いたクリステラ卿の体が煙のように消え、そのすぐ奥から本物のクリステラ卿が同じ動きで向かってきた。


「フェイントか」


「『前進』」


 急加速して迫るクリステラ卿に剣を振り戻すのは間に合わず、やむなく前に出て切り上げてくる剣の根元を強化した拳で抑える。振り上げる勢いがつく前の根元を抑えることができて剣は止められたが、突進の勢いが死んだわけではなく剣を持つ手に盾がぶつけられた。


「手放さんか。『後退』」


 スキルを使ったクリステラ卿がそのままの体勢で後ろに下がった。足も動かさずに滑るように下がった姿は少しくるものがあったが、咄嗟の間合いの調整には便利そうな技だ。

 またあのフェイントが来ても厄介だと判断し、今度はこちらから距離を詰めた。左手の『ダークナックル・纏』を辞めて両手で握った剣を上段から勢いよく振り下ろす。キンっと甲高い音を立てながら頭上に掲げられた盾に防がれ、反撃にこちらを向いた剣先が突き出される。『空蹴り』と合わせて上に避け、盾を足場にしてさらに上に跳んだ。

 剣を防ぐために頭上に掲げた盾で死角に入れたところで『ダークソード』を見えるように捨てる。そして両手に『ダークナックル・纏』をかけて上空から盾めがけて拳を連続で叩きつけた。突き出した剣を戻しながら盾を動かさずに耐えるクリステラ卿だが、俺の体重も乗った連打にもたないと判断したのか叩きつけられる拳を弾くために少し盾が押し出された。


「『衝撃波』」


 盾との距離が変わったことでしっかりと伸ばしきれなかった拳を盾から離さずに『衝撃波』で直接攻撃を狙う。盾越しに来た思わぬダメージにぐっと苦悶の声が漏れてクリステラ卿の膝が落ちる。その隙に両手で盾の縁を掴み、その場で回転してクリステラ卿を背中から地面にたたきつけた。回転と全身鎧の重みも相まってそのダメージも大きく、クリステラ卿の手から剣がこぼれる。

 クリステラ卿も素早く起き上がろうとするが、それを許さずにその腹と盾を持つ腕を踏みつけて、再び作った『ダークソード』の刃を首に当てた。


「まだやるか?」


 クリステラ卿は無言のままだったが、俺の肩にポンと手が置かれた。


「勝負ありだ。クリステラ卿もそれでいいな」


「……くそ」


 悔しがりつつも負けを認め、ガシャリと盾が手から離れた。それを確認して俺も剣を消して上から降りる。


「お見事。クリステラ卿はかなりの強者の部類に入るのだがな。世界は広いということか」


「どうも。これでもゴールドさんにも勝ったことありますから」


「はぁあ!?」


 フィアーさんの驚く顔を見ながら勝負が済んでこちらに向かってくる『金の軍団』のメンバーと、ダメージを確認しながら起き上がるクリステラ卿の回復を待った。

どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv20/?? ローグ Lv64/70

 精霊使いLv32/40   舞闘家 Lv59/70

 大鬼人 Lv20/40   上級獣人Lv15/30

 魔導士 Lv81/90    魔人  Lv12/20 

 探究者 Lv31/99   狙撃王 Lv1/90

 上級薬師Lv1/80

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死霊術師Lv1/100

 アーマーナイトLv1/99 剣闘騎士Lv1/99

 上級龍人Lv1/30    死龍王Lv1/30 』

新年あけましておめでとうございます(遅)

2022年ものんびりだらだら続けてまいりますのでよろしくお願いします。

見直してみたら去年はずっとエルフの里にいましたね。というかほぼ試練しか書いてなかった…

今年はもう少しストーリーが進むと思います。

ただし予定は未定。あくまで予定です。


ではまた次回

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