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試練後の地上です7


 俺の魔力を3割ほど持っていった魔法陣によってエルフの里に転移してきたはずなのだが、戻ってきたのは暗い部屋だった。窓もなく、扉もなければ壁も床も天井も、どこを見渡してみても穴一つない。亀裂と思いきや植物のそんな中で床に描かれた俺たちをここへ連れてきた魔法陣もその役目を終えて光を失ってしまう。


「いやー、そういえばここってどうやって出ればいいんだろうね? 声を上げたら里長気づいてくれるかな?」


「ここ里であってるんですよね? マナじゃないんで転移魔法がうまくいったかどうかとか座標がどうとかいまいち把握できないんですが」


「いやー、私は魔法使いじゃないからそんなことできないよ。でも、ここは間違いなく来た部屋だとは思うよ。君だけなら変なとこ飛ばされても無事だろうけど私は無理だからね! そんなことをエンシェントエルフ様や里長がするとは思わないかな。まあいざそうなったらなんとかして生き残るつもりだけどね。黄龍ちゃんや龍のオーガ君の研究もまだできてないのに死ぬわけにはいかないから!」


「……」


 守護龍様であればやりかねないとは思ったが、さすがにエンシェントエルフ様はそこまではやらないだろう……とは言い切れない自分がとても悲しい。咄嗟のことで声が出てこないほどだ。


「いやここ突っ込みどころだからね? 本音だけど。周りの壁をよーく見てみなよ。ここ部屋とは言っても植物でできた部屋なんだよ。4辺のどこかの壁が里長の魔法で開くはずなんだけど、今ぴっちりと閉じちゃってるからなー」


 暗視のようなスキルもなく、エンシェントエルフ様の言うところの空間への把握能力を失った今となってはエルメラさんが言うような壁の植物すら言われるまで認識できなかった。

 俺は守護龍様の試練の中で邪魔になるからと切っていた『探知』を発動しなおした。意識がなかった時に通ったであろう道も記録していたのか、発動してすぐにエルメラさんの言うところの植物の壁の向こう側につながる通路の存在を確認することができた。そしてその奥からやってくるエルフも。


「うーん、やっぱり大声出さないと気付いてもらえないかな? でも里長以外の人にあんまここのこと知られない方がいいだろうし下手に大声を出すわけにも……」


 ボソボソとどうしようか悩むエルメラさんの思考が進み、いっそのこと火をつけてやろうかなどというとんでもない方向に進んでいったところで植物の壁が少しずつ動き始めた。


「おー里長! 燃やさずにすんだよ」


「おい何をとんでもないことを言ってるんだこの変態。さすがにそんなことになれば殺すぞ? っといけない。戻ってきたってことは用は済んだんですよね?」


「まあね? そこはほら、私天才だから」


「エンシェントエルフ様と守護龍様に迷惑かけてなければいいんですけど……。そちらの方が寝ていた人ですね。お元気になられたようで何よりです。何者かは置いておきますがあのオーガは向こうに置いてきたのですか?」


「いやオーガ君は彼の従魔だよ。彼と共にあるさ」


「出しますか?」


「いえ、それには及びませんよ。というか物が壊れても困るので出さないでください」


「かう!」


「小さいのも結構ですので」


「かう……」


 勝手に出てきた頭の上のヒメが即答でいらぬと言われて悲しそうに俺の魔力に戻ってきた。いつもながら自由すぎるな。


「ああそう出入りできるのですね。でも少なくともこの建物の中では出さないでもらえるとお互い助かります。あなたも命の恩人ともどもこの里から追い出されたくはないでしょう?」


「それは困りますね。エンシェントエルフ様の下にしばらくは頻繁に行かないといけませんから」


「そんな頻繁に行かせるような場所ではありせんよ。そのために我々里長がいるのですから」


 その役目に誇りを持っているとばかりにこちらに対して圧をかけて部屋から出るように促された。2人が出てすぐに里長の魔法で植物が閉じて壁と同化していった。『探知』には奥の部屋も表示されているが実際に見ると全くわからない。


「俺の魔力で転移陣を起動させて、エンシェントエルフ様に2日に1回は訪れるようにと言われているのですが」


「そのような話は聞いてませんし、易々と使えるような魔力量ではありませんよ」


「ところがぎっちょん、ほんとにエンシェントエルフ様の指示なんですよー。多分この後か明日にでも連絡があるんじゃないかなー? 今戻ってきたのもこの人の魔力オンリーで来たんすよー」


「エンシェントエルフ様の? ……にわかには信じがたいですね。正式に話が来たのであれば別ですが、現状はあなた方から聞いただけですので保留とします」


「2日後にまた来ますので、その時に話が来てなかったら諦めます」


「あ、私はお呼ばれしてないから。しばらく依頼でひきこもるから。フィアーには来なくていいよって言っておいて」


「それは直接言いなさい。あなたから呼ばれて離れましたがまた掃除に戻っているはずですから」


「え? あー彼女まだやってるのか。依頼品に触ってないよね? 下手に触ると怪我じゃすまないんだけど」


「彼女はそこまで愚かじゃないですよ」


「わかってますって。言ってみただけ。フィアーは信頼のおける女だから。と・こ・ろ・でーこっちのメイさん宿とりたいらしいんだけど、空いているか知ってる?」


「む、あなたのところに泊まるわけじゃないんですね」


「はっはっは。今の依頼が終わってからならともかく、今は別の依頼中だからね。さすがに泊まらせるわけにもいかんのよ。それに、私はか弱い乙女なのよ。ヨヨヨ」


「はいはい。宿はどこでも空きはあると思いますよ。他の里に比べたら多少は旅人や冒険者も多いこの里ではありますが今の時期それほど多くの旅人がいるとは聞いていませんから」


「近くの宿屋の場所と冒険者ギルドの場所を教えてもらえますか?」


「仕事を待たせてますので変態(エルメラ)、任せましたよ」


「はーい。あ、メイさんって結構腕の立つ冒険者らしいから、厄介な敵の討伐依頼とかあれば出してもいいかもよ?」


「冒険者でしたか。後で照会をかけておきます」


「『マツノキ』のメイです。どうぞよろしくお願いします」


 仕事に戻っていってしまった里長に雑に挨拶を済ませ、俺たちは宿に向かうこととなった。

どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv20/?? ローグ Lv64/70

 精霊使いLv32/40   舞闘家 Lv59/70

 大鬼人 Lv20/40   上級獣人Lv15/30

 魔導士 Lv81/90    魔人  Lv12/20 

 探究者 Lv31/99   狙撃王 Lv1/90

 上級薬師Lv1/80

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死霊術師Lv1/100

 アーマーナイトLv1/99 剣闘騎士Lv1/99

 上級龍人Lv1/30    死龍王Lv1/30 』

先週は投稿できずすみませんでした。会話ばかり書いてて面倒くさ、なかなか話が進まないのがもどかしいんですが結局進ませられないと言うね。


気が付けばもう今年も終わりですね。あと2話目標!


ではまた次回

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