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ヒメで遊ぼう ー待て編ー

今話はストーリーとは無関係です。今章が終了しましたら間章に移動しておきます。


 ある日、今日も元気に俺は|お肉大好きチビっ子2匹《ヒメ、黄龍》のご飯を用意する時にちょっとしたいたずらを思いついた。


「よーし、揃ったな」


「かう!」


「ごはん!」


 元気な声を上げる2体の前に大きめの空の皿を1つ出し、皿と2匹の間に線を引く代わりに長めの紐をピンと張っておいてみた。


「かう?」


 何これ? と言うようにヒメが爪先で紐をつつく。残る2体も不思議そうに俺と紐を交互に見ていた。


「今日はちょっとしたゲームにしようか」


「ゲーム?」


「かーう?」


「俺が『いいよ』って言うまで我慢するだけ。きちんと待つことができれば今日のお肉は倍にする」


 我慢と言う言葉で露骨に嫌そうな表情を浮かべたが、そのあとに続いたお肉が倍という言葉に目が爛々と輝いた。


「かう!」


「やるのだ!」


「よし。それじゃルールを説明するぞ。まあさっきも言った通りではあるけど」


 コクコクとその場に座り込んでうなずく2体に対し、俺はお皿に一口サイズにカットしてある肉と野菜をそれぞれ数個ずつ置く。


「俺が『いいよ』って言うまでお肉を我慢していればクリア。我慢できたかどうかの判断はその線を越えたかどうかでするからな」


「なーんだ、それなら簡単なのだ!」


「かうかーう!」


 ルールを聞いて得意気になる2体。よしよし、予定通りだ。


「簡単か? それなら罰ゲームでも追加しようかな。失敗したらその数だけ野菜を食べるってことで」


「ふぇ? べ、べつに野菜なんてこわくないのだ!」


「かうかう」


「よし、決まりだな。『いいよ』って言ったら皿に出してある食べ物から2つとる。それはお前たちの自由に食べていいから。その代わり、我慢できなかったらこれな」


 そう言いながら俺は新たに中の種を抜いたピーマンを取り出した。


「に、にがにが! ちちさま、にがにがは、ごはんじゃありません!」


「いやちゃんとご飯、食べ物だからな。こないだマナが作ったピーマンの肉詰めをおいしそうに食べてただろ?」


「ふゅーひゅー」


 俺から目を逸らして吹けない口笛を吹く黄龍。それだけで何をしたのか若干わかった気もする。ついでに俺から目を逸らしたもう1匹。お前もだ。


「ピーマンを残してお肉だけ食べた罰は後でするとして、やると言ってしまったからには今はこのゲームだ。3回クリアしたら肉倍にしてやるから」


 いやまあクリアさせる気がないとは言わないが、少し厳しめにしてやろうか。

 俺は2体の前で手を開いてすべての指をしっかりと見せる。


「それじゃいくぞ。待て」


 2体の目の前でゆっくりと順に指を折っていく。5、4、3、2、1。


「いいよ」


 指を折っていくにつれてそわそわしだした2体が合図で一斉に目の前のお皿から肉を2つずつ取って俺に見せてくる。やっぱり野菜は選ばないか。


「へっへーん! あむ。どんなもんらい!」


「あうあーう!」


「食べたまま話すな。こぼしても知らないぞ」


 そう言うと2体はこぼさないように口を両手で抑えながら肉を食べる。あーもうかわいい。

 2体とも口の中を空にしたのを確認して2回目のゲームを始めた。


「待て」


 今度は手で合図等はせず、単純に2体を見つめる。俺が目線を横にずらすと2体の視線もついてくる。試しに指を立てて右に左に指してみると今度はその指先の向きを視線が追っていった。


「いいよ」


 指先を追うのに集中していてワンテンポ遅れたが、すぐにお肉に飛びついた。相変わらず野菜には見向きもしないか。お肉の倍は出してあるんだが。


「なかなかやるな。じゃあ最後の1回だ。待て」


 今度は指の向きで遊んだりせず、腕を組んでにっこりと2体を見つめる。どちらからともなくまだかな? と言わんばかりに一定間隔で左右に揺れる2体はほんと見ているだけで癒される。


「……いいよ、って言ったらオッケーだから」


「「むにぅ」」


 フェイントには辛うじて引っかからず、その場にぺたんと崩れ落ちて耐えた。


「今のはよく耐えたな。いけると思ったんだが」


「かうかーう!」


 線よりこちらにこれないから地面をぺたぺた叩いて抗議する2体だが、俺の嗜虐心を刺激しないでくれ。


「俺の負けかな。いいや」


「「あう!?」」


 俺の負けという言葉で気が緩んだのか、2体は俺がこっそりと皿の前に貼った『全方位結界』に顔をぶつけてずるずるとへたり込んだ。鼻を赤くする2体がかわいくて結界を解除して頭をなでてやりながら話す。


「はっはっは。俺はまだ『いいよ』とは言ってないぞ? 罰ゲームだ」


「ひーどーいーのーだー」


「ここでちゃんと残さず食べたらピーマンの肉詰めの件も許してやるから。がんばれ」


 2体分のピーマンを用意してお皿に出した後、残っているお肉を回収しようとした時、離れたところからゼルセの叫び声が聞こえてきた。


「あー、次はあいつの飯用意しないとな」


 ゼルセの方に意識をやりながらお肉をとろうとした手が空を切った。


「む?」


 視線を戻すと、とるはずだったお肉はきれいになくなっていた。いや、よくよく見てみればお皿の上に並んでいたお肉はすべてきれいさっぱりなくなっているようだ。

 すぐに何が起きたのか把握してこちらを向こうとしない2体の首根っこを掴んでくるりとこちらを向かせる。すると、どちらも頬をぱんぱんにしながらこぼさないように口を塞ぎ、もにゅもにゅと動かしていた。


「うみゅ」


「あう」


「……明日と明後日のお前らのご飯はピーマンの人参詰めだ。わかったな」


「「うーにゃーー!」」


 口に残っていたお肉たちを同時に飲み込んだ2体から甲高い悲鳴があがる。自業自得だ。

 追加の罰と俺の癒しもかねて2体の頬をムニムニもみほぐしながら、俺は次のゼルセのご飯はどうしようかと思案していた。


どうもコクトーです。


今回はストーリーとは関係ないので職業レベルはなしです。


ほんとは今週はおそらくブリリアントダイヤモンドをやりまくってて書けないと思っててお休みしようかと思っていたのですが、予約しておいたけど家に届くのが次の日という哀しい事件がありまして…ヒメで遊ぶしかないじゃない。

まあ届いてからはやりまくってます。地下探検楽しすぎません?


次回はちゃんと本編の予定です。


ではまた次回。

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