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試練後の地上です2

後半は守護龍視点となりますのでご注意ください。

 どのWAVEでどんなモンスターが出てきたとまではさすがに覚えていなかったから答えられる範囲ではあるが、大体どのあたりでどんなモンスターと戦ったのか聞かれるままに答えていった。

 説明する中で聞いた話ではあるが、エルフの一族に伝わる試練の1つに同じように閉じられた空間でひたすら連戦を行うものがあるらしいが、そちらは俺がクリアした試練と違い、次に進むのかリタイアするのかも選べて、仮に試練をクリアできずに死んだとしても地上で生き返ることができるそうだ。ずるい。

 エルフの試練と守護龍の試練の難易度に大きな差があることは理解できるし、正直俺がクリアしたものと同じレベルの物をクリアできるエルフがどれだけいるのかと聞かれるとほとんどいないだろうとはエンシェントエルフ様の言葉だ。そもそもドラゴン、竜、龍ときて、最後には龍王までも待ち受ける。そんな試練が異常なのだと。


「そういえば、あの奥にいた龍たちは何者なんですか? 守護龍様の試練に介入するなんてそうそうできることじゃないですよね?」


「あー、あやつらか。あやつらのことは気にするな。わしの魔力タンクのようなものだ。この地で眠りにつくことを許可する代わりに、わしが使う魔力を肩代わりするなどの契約を結んでおる。今回のようにそれを利用されるのは気に入らん」


「私が直接お会いしたのは二方だけですけどメイさんはあっさりと超えてしまったんですね」


「エンシェントエルフ様が試練を突破したら会えたりしませんかね?」


「私の時は介入などありませんでしたが過去にクリアした時には即この場に戻ってきましたよ。メイさんの話にあったような奥に続くトンネルなんてありませんでした」


 さらりと言ってのけたエンシェントエルフ様だが、やはり彼女も守護龍様に出された試練を突破していたらしい。まあ守護龍様と直接相対してこうして接することができ、守護龍様のいるこの巨大な樹木を守護する存在が守護龍様に認められていないなんてありえない話だ。


「あやつらが出てきたのはこやつが白虎様の加護を授かっているからだろう。でなければわしからの連絡もないのに試練のために魔力を抜かれた程度で目を覚ますなんてありえない。何十年も寝たままなのだからな」


「そういえば、戻ってくるのに雷龍の作った魔法陣を使ったので外に出てしまいましたが、あれはあのままでよかったですか?」


「そうか。奥に行ったせいで通常の物が使えずにこちらに戻ってこなかったということか。わしが内側に移しておこう。さすがにあの奥が樹木の外とつながっているのはいただけない」


「なんとかこの内側に移せないですか? 雷龍が黄龍の鍛錬に協力してくれるということでして、できればもう一度あそこに行きたいのですが」


「まあ小僧だけであれば出入りするのは構わん。エンシェントエルフ、悪いがこの樹への出入りは任せるぞ。近くまできたら連絡をよこせ」


「かしこまりました。それではメイさん、戻りましょうか?」


「そうですね。問題なければさすがに休みたいです」


「うむ。また来るがよいさすがに今度は試練を課したりはせぬから安心しろ」


「守護龍様、そう何度も試練をとなりますと私も厳しいのですが」


「だからせぬと言っておるだろうが」


 そんなやり取りを二度三度と繰り返したのち、俺とエンシェントエルフ様は守護龍様の下を後にした。




--------------------------------------

「ふぅ。行ったようだな」


 エンシェントエルフに連れられてやってきた白虎様、ではなく、白虎様の残した力の欠片が何らかの影響により形を成した幼き姿の白虎と、その主となった小僧が出ていった。それを確認した途端、エンシェントエルフには見せまいとしていた滝のような汗が額より流れ出た。

 はっきり言って、あの小僧が試練を突破するのはまあ当然のことと思っていたが、下に眠る龍たちが介入したのは想定外だった。エンシェントエルフの手前あのように言ったものの、あやつらの使命は魔力タンクなどと言うものでは決してない。どこの世界に龍を魔力タンクとするようなアホがいるものか。今回姿を現さなかったという他の龍たちもおそらく目は覚ましていただろう。いくら雷龍がいたとはいえ、3体だけで介入して出てくるモンスターを強化したりそもそもの種類を変えてしまうような真似ができるはずがない。おそらくあの方が裏で動いていたのだろう。雷龍が黄龍を鍛えるなどと言っていたらしいが、将来性抜群の幼き黄龍を自らの手で鍛え上げることができるなんて知れたら他の龍たちもこぞって動く可能性が高い。樹木の結界を強固にしておいた方がよいかもしれんな。


 汗も消し飛ばし、冷静に考えてみるが、あの小僧が使っていたのはどう見ても龍殺しの力だった。かの邪龍、ダムドレアスがその身に宿すと言われた我ら龍種にとっての天敵。

 ただ、こう言ってはなんだがその力を宿しているだけであれば別に問題はなかった。正確には小さい問題はあるが、いくらでもやりようはあるのだ。何もさせずに殺す。ただただ殺す。それでいい。しかし、白虎様の加護を受け、今やその主。しかもわし自らが認めると言ってしまった。こうなってはそう易々とは殺せない。まああの様子では殺す必要があるとも思えんが。

 実際問題、邪龍ダムドレアスが手にしていたはずの力をなぜあの小僧が使うことができるのかという疑問はある。かの邪龍が討伐されたという話は伝わっているが、その前に力が譲渡されたなどと言う話は聞いていない。

 一番考えられるのはあの小僧が異世界よりこちらの世界に呼ばれたときに得た可能性だろう。邪龍のみが使うことのできた、龍種全体の天敵となる力が選ばれてしまったというのは小僧の運のなさに憐れみを感じてしまう。人の世で考えれば龍種に対して圧倒的優位に立てる力は素晴らしいと見えるだろう。それにある程度までの雑魚であれば龍種でなくてもかなり優位に立てるはずだ。そういう意味では運がいいのかもしれん。鎧のように全身に龍殺しの力を纏う。ダムドレアスをしてあのような芸当ができるとも思えん。急にこんな世界に呼ばれ、相当な鍛錬を積んだのだろう。

 だが、そんな龍を殺すための力を操る一方で、エンシェントエルフからは龍となる力を持つという話も聞いた。邪龍の再来とならねばよいが、あの様子ではそれもないだろう。雷龍たちの介入のせいで死にかけたというのにその後に出会った雷龍たちともスムーズにコミュニケーションが取れていたようだしな。


「雷龍も何を思って外につなげたのやら。面倒を増やすでないわ」


 忘れぬうちに雷龍が外につないだという転移陣を探知し、その先を樹木のうちに移動させた。周りの土ごと転移の魔法陣を固定し、それを内に入れるだけ。難しいことはないが、面倒だ。


「何が起こっているのかはわからんが、ここも騒がしくなりそうだな」


 悪いとは思えない騒々しさに期待しながら、わしはしばらくはゆっくりと眠ってはいられないだろと息を漏らすのだった。



どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv20/?? ローグ Lv64/70

 精霊使いLv32/40   舞闘家 Lv59/70

 大鬼人 Lv20/40   上級獣人Lv15/30

 魔導士 Lv81/90    魔人  Lv12/20 

 探究者 Lv31/99   狙撃王 Lv1/90

 上級薬師Lv1/80

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死霊術師Lv1/100

 アーマーナイトLv1/99 剣闘騎士Lv1/99

 上級龍人Lv1/30    死龍王Lv1/30 』

先週は投稿できずすみませんでした。

ワクチンの副反応に負けぬように、ポカリをがぶ飲みして早めに寝てしまいました。

それでも次の日頭痛すぎて仕事を午前中だけにしたのは内緒ですよ?


ではまた次回。

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