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守護龍の試練です15


「「「グゥァァアアア」」」


 多種多様なエンチャントを受け、超強化されたスリーヘッドドラゴンがついに動き出した。巨体を揺らしてこちらに迫ってくるが、3つの頭の口元からそれぞれの属性のブレスを撃つべく魔力が集まっている。至近距離で放つつもりだ。


「集束『アイスレーザー』」


 動きを止めるべく放った集束型の『アイスレーザー』を受けて、スリーヘッドドラゴンは体が凍りつく。しかし、それも一瞬のことで、少しも勢いを落とさずにこちらに迫ってきた。

 『アイスレーザー』が無意味に終わり、足を止めた隙にと考えていた『クエイク』での壁の構築を諦めた俺は、3つの頭から攻撃が放たれる前にと大量の『ダークランス』をやつの後方に向けて発射する。明らかに自身から外れて飛んでいく槍を無視してこちらに突っ込んでくるスリーヘッドドラゴンではなくこいつにエンチャントをかけていた魔法使いたちが真の狙いだった。

 先に狙いに気が付いたダークドラゴンがやめさせようとブレスを吐くが、広範囲にばらまかれた槍の一部を削っただけで大半はエンチャントに魔力の大半を使い切ったモンスターたちに降り注いだ。仕留めきれなかったのは見える範囲ではもはや数体のみ。視界の大半を覆いつくしているスリーヘッドドラゴンの陰で見えていないのも残っているだろうが、それなりの数は削れただろう。


 スピードの差でぐんぐん迫るスリーヘッドドラゴンからは離れられないことは目に見えていたが、その前に数体仕留めることは可能だろうと俺は比較的数が多く残っているあたりに駆け出した。『魔法剣召喚』で両手に武器を召喚しながら、『ダークチェーン』で距離をとろうとするモンスターたちの足を止める。

 スリーヘッドドラゴンの進路から外れるように動きを変えるモンスターたちを見るに、魔法やブレスなら巻き込まれないのだろうが、物理的な攻撃はさすがに無理なのだろう。魔法だけでもフレンドリーファイアがないことの理不尽を感じつつも、もう避けられないと意を決して俺を迎え撃とうとする数体のモンスターたちの足元から『黒雷』で不意をつく。これ見よがしに召喚された剣に意識がいっていたモンスターたちはなす術なく倒れ伏した。


 自分を無視して周りのモンスターたちへの攻撃を続ける俺に苛だったのか、グリーンドラゴンの頭がブレスを吐きだした。スリーヘッドドラゴンの攻撃はまだ生きているモンスターには何も効果はないが、既に死んでいて消えるのを待つだけだったモンスターにはそれは適用されないようで、『黒雷』で仕留めていたモンスターたちがブレスに巻き込まれて飛んでいく。


「『アイスレーザー』」


 俺はブレスをジャンプしてかわしつつ、効果がなかったまだ生きているモンスターたちにレーザーをばらまく。ブレスで吹き飛んでいないからこそわかりやすいものの、スリーヘッドドラゴンから目を離すわけにはいかないためにしっかりとそちらを見ずに撃ったレーザーはさすがに全員には当たらず、何本かはブレスを超えられずに消えるか、地面を凍らせて終わる。

 空中に跳んだ俺に向かって残り2つの頭からもブレスが飛んできた。『空蹴り』でさらに上に跳んで躱すと、それを追いかけるようにダークドラゴンの頭から単発のブレスが追うようにして飛んでくる。

 両手の剣に『鬼の一撃・付与』をかけ、剣が保つ限り飛んでくるブレスを切りつける。先ほどの俺の攻撃をかわし、魔力が回復したのか、スリーヘッドドラゴンにエンチャントをかけていた魔法系モンスターたちからも魔法が飛んできた。俺に攻撃するためにスリーヘッドドラゴンの陰から出てきているスケルトンメイジたちに対して、『ダークランス』を展開して、飛ばしてきている魔法ごと貫き殺す。これでエンチャント役はいなくなった。自己強化ができないスリーヘッドドラゴンはこれ以上強化されることはない。まあ既に十分な気もするが、まだ残っているダークドラゴンにも同じように強化が施される可能性がないわけではないし早めに倒せるに越したことはないか。


「「グゥァァアアア」」


 2つの頭が口元に魔力をともしながら噛みつきに来る一方で、ダークドラゴンの頭がダークドラゴンそのものと共に雄叫びをあげた。どうせこうやってはがされるからと少ししかかけていなかったエンチャントがすべてはがれるが、再度かけなおすよりも目の前の対処を優先すべく『魔力盾』を足場にして『空蹴り』の回数を回復させながら迫りくる牙とブレスを躱す。

 足場にした盾も駆使して躱している中で、隙を見つけて首を斬りつけるが素の魔法剣では鱗とエンチャントによって上がった防御を抜けず、両方とも砕けてしまった。次の武器を召喚する前に切り付けた首がうねるように俺を跳ね上げようとする。逃げるのは間に合わなかったが、上に『ニードル』を置いて跳ね上げられた首にとげを刺す。


「『魔力盾』『シールドバッシュ』」


 勢いよく飛ばされたが、下向きに盾で突っ込んで無理矢理天井に届く前に留める。

 天井に当たり、落ちてくるところを狙うつもりだったのかダークドラゴンがブレスをためているのが目に入った。暴発を狙って弾速の速い『エアロ』をその口めがけて発射するも、横から飛び込んできた真リザードマン・トップに防がれた。

 向こうは真リザードマン・トップがいようがお構いなしにブレスを撃ってくる。撃たれてしまった以上は口元での暴発は諦めて、3本集束させた『サンダーレーザー』を撃つ。ブレスで完全に隠れる前に真リザードマン・トップを貫き、そのまま発射されたブレスもかき消した。その先のダークドラゴンには耐えられたものの、ダメージは与えられただろう。


 天井から落ちてくるところを狙っていたのはスリーヘッドドラゴンも同じで、とげの刺さったグリーンドラゴンの頭以外の2つが同時に俺を食おうと迫ってくる。だが、さっきと違って準備はできていた。


「『死龍のブレス』!」


 十分に魔力を込めたブレスを2つの頭に集中させて叩きつける。俺を食い殺すために口を開けていたのが災いして、龍を殺すためのブレスが2つの頭の口内、そして首を破壊していく。多数のエンチャントによって強化されているといっても、とても耐えられるようなものでもなく、2つの頭は力なく地面に倒れた。

 スリーヘッドドラゴンはまだ頭が1つ残っているとはいえ、2つの首を伝って体内を蹂躙した『死龍のブレス』の影響は間違いなくその頭にも到達しており、『ニードル』が深くまで刺さっているのもあってかなりのダメージを負っているようだった。

 俺は何かをされる前に残った頭にも『死龍のブレス』を放つ。残っていたモンスターが自身の体を盾に防ごうと動くが、問答無用に焼き殺す。そのまま直撃を受けたグリーンドラゴンの頭も力尽き、巨体がズシンと音を立てて崩れ落ちた。


 残されたのはキング級のモンスターが3体にダークドラゴンが1体。連携をとって反撃と動き出す前に、そのすべてに『ダークネスランス』を連射して仕留める。何とか躱そうと動いたところで無駄な量の槍がそいつらに突き刺さり、その死体も消えていった。


「ふぅ……」


 完全にすべてのモンスターを倒し終えて、すぐに次に備えてエンチャントをかけなおす。


「……レベルが上がらない?」


 この試練が始まってからの経験則上、あれだけ倒せばレベルが上がってもおかしくない。というか1つも上がらないのはおかしい。ヒメのごはんを抜けばいいのか?

 そんなことを考えていると、1つの違和感に気が付いた。3つの頭が全て地面に崩れ落ち、確実に死んでいるはずなのにもかかわらず、一向になくならない死体がある。


『WAVE91/99』


「……俺としては1つの戦闘がそのまま終わってない扱いってことなのか?」


「「「ヴゥァァアアア」」」


 始まった次のWAVE。力尽きたはずの死体が、先ほどまでのエンチャントが全てかかったまま、その体をゆっくりと持ち上げた。


どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv18/?? ローグ Lv56/70

 龍人  Lv12/20   精霊使いLv24/40 

 舞闘家 Lv43/70   大鬼人 Lv16/40 

 上級獣人Lv8/30    魔導士 Lv45/90

 死龍人 Lv7/20    魔人  Lv6/20 

 探究者 Lv7/99

非有効職業

 狙撃王 Lv1/90     上級薬師Lv1/80

 呪術師 Lv1/80     死霊術師Lv1/100

 アーマーナイト Lv1/99 剣闘騎士Lv1/99  』

予定通りのGWもう1話更新です!

え?日付変わってる?こまけーことは気にすんなください。お願いします。


日曜日は通常通り更新できるといいなー。


ではまた次回

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