守護龍の試練です10
動き出した5体の真ゴブリンジェネラルたち。その身体能力は当然WAVE41で戦ったゴブリンジェネラルたちと比べると非常に高いのだろう。少なくとも、スピードに関してはエンチャントの効果もあるのだろうが、ゴブリンジェネラルと比べて明らかに速い。
全員が剣持ちで、連携は取りつつも突っ込んでくるだけだったゴブリンジェネラルとの戦いと比べて、真ゴブリンジェネラルたちはきちんと役割分担がされており、弓持ちの個体と短剣を握った個体が牽制に動き、後方で杖を持った個体が魔法の準備をし、槍と剣を持った個体がそれぞれ突っ込んでくる。
実際に始まってみると、その殲滅はWAVE41よりも短時間で簡単に終わった。連携がとれた攻撃という点では非常に厄介ではあったが、ここまでその連携のとれた大量の相手を片付けていたのだ。いくら能力的に高いモンスターとはいえ、たかだか5体の真ゴブリンジェネラル程度であればそこまで問題にならなかった。
『WAVE62/99』
次のWAVEが始まった。今度も上位種である真コボルトリーダーが5匹。しかし、先ほどと違って魔法でエンチャントをかけたりはせず、現れた瞬間に跳ねるようにこちらにとびかかってきた。
「『ダークネスランス』」
跳び上がった真コボルトリーダーたちへ『ダークネスランス』を放つ。真コボルトリーダーたちもある程度は高い能力を誇っており、1本2本と両手の短剣で槍を防いでみせるが、結局致命傷を避けられた個体はいなかった。
『WAVE63/99』
間髪いれずに次のWAVEの相手である真ウルフ・ボスが出てくる。高速で広場を俺を中心として走りだす真ウルフ・ボスに使える限りの『ハンドレッドナイフ』をばらまく。さすがのスピードと身のこなしで避ける真ウルフ・ボスだが、大量に飛んでくるナイフに近寄れないようだ。接近戦のできないウルフ系のモンスターなど脅威ではないな。
真ウルフ・ボスの後、真ドンモンキーズも特に苦労することなく倒し、この試練が始まってすぐの頃のようにハイペースでWAVEを超えていく。
このWAVE61からWAVE69まではほとんど魔法での殲滅がメインだった。リーダー、ボス、キング級のモンスター、しかも真のついた上位種5体の群れ。単純に個体の強さで言えば格段に強いのだろうが、数が減ったことは俺にとってはただ戦闘を楽にする要因でしかなかった。まあ一番苦戦したのが10体のデビルガーゴイルたちだったと考えると必ずしも少ない数がいいというわけではないのだろうが、何十体にも及ぶキングスライムの群れよりは5体の真キングスライムの群れの方が楽なのは間違いない。
『WAVE70/99』
そうこうしているうちに、次のWAVEが始まり、魔法陣が現れた。その数は5個ではなく10個。つまるところ、またガーゴイルかドラゴンが来るということなのだろう。
「グギャァアア!」
予想通り、魔法陣から出てきたのはドラゴン系。グリーンドラゴン、サンダードラゴンに続いたのはダークドラゴンだった。
「すまないが、闇属性は一番得意な属性だし、もう新しく得られるものもなさそうだし、潰させてもらうよ」
俺は『アイスロック』で10体のダークドラゴンの足を固定すると、すぐに『龍殺しのブレス』を放った。足を固めていた氷はあっさりとダークドラゴンのパワーの前に崩れ去ったが、俺の放ったブレスがダークドラゴンたちが対応するために放ったダークブレスを飲み込む。
「ギャァアアアア」
ダークドラゴンたちの悲鳴が広場に響き渡り、動いているのは満身創痍の1体だけになっていた。たまたま近くにいたダークドラゴンたちが盾のような役割を果たし、辛うじて即死を免れたようだ。しかし、即死を免れたというだけで、もはや俺に向かってくるだけの力も残っていなさそうだ。
「『サンダーレーザー』」
その辛うじて残ったダークドラゴンにとどめを刺す。体を貫かれたダークドラゴンは跳ねるように体が動き、そのまま他のダークドラゴンたちと同じように消え去った。
『職業:ローグLv54になりました。
龍人Lv14になりました。
舞闘家Lv39になりました。
大鬼人Lv14になりました。
魔導士Lv41になりました。
死龍人Lv4になりました。
魔人Lv2になりました。
探究者Lv6になりました。 』
『スキル:ブレス強化Lv2 強鬼化Lv4 魔力上昇Lv6 死龍のブレスLv2を習得しました。
スキル:罠解除Lv1を習得しました。 』
『WAVE71/99』
前回レベルアップしたWAVE50からは魔法を使用した戦闘が多かったからか、魔導士のレベルが一気に上がった。だが、強くなったスキルを確認する時間もなく次のWAVEの魔法陣が現れる。そして次に出てきたのは真オーガキングが5体。俺はその姿を見てつい笑みを浮かべた。
「『パワーエンチャント』『鬼の一撃・付与』『強鬼化』!」
防御も、連携も何もなく、我先にと殺意むき出しで向かってくる真オーガキングたち。まだ1年も経っていないというのにこの光景をずいぶん懐かしく感じる。
「はぁっ!」
お互いの射程に入り、迫りくる俺の胴ほどの大きさもある拳に攻撃を合わせる。強化された俺の攻撃に押される真オーガキングに、すぐ次の攻撃をたたき込む。向こうも合わせるようにして拳を繰り出してきて再び拳同士がぶつかる。
「ガァアア!」
俺の連打に押されてのけぞった個体を裏拳で押しのけるようにして別の個体が俺の前に躍り出る。この個体は今の個体とは違い、初手で拳を繰り出すのではなく俺を捕まえて噛みつこうとしてきた。
俺はその個体の懐に飛び込み、その口に両手を突っ込んだ。閉じようとしてくる顎を掴んで強化された力に任せて引きちぎる。千切れた頬から血が噴き出るが、真オーガキングは気にせずに俺の体を掴んだ。ミシリと自分の体から聞こえる骨のきしむ音が俺をそのまま押しつぶそうとする真オーガキングの力を示していた。
潰されるわけにもいかないし、俺は体を掴んでいる腕を両手で1本ずつ掴み、そのまま力を加えた。さすがに握りつぶすとまではいかないが、指が真オーガキングの堅い筋肉にめり込み、少し拘束が緩んだ。その隙に『空蹴り』で上に逃げ、回転しながら踵をその頭に叩き込む。
血を撒きながら地面でバウンドする真オーガキングの頭を『ブレイクショット』で再度地面に落として潰す。すぐに横から蹴りが放たれ、防御の上から俺の体を吹き飛ばした。飛んで行った先に別の真オーガキングがいて、待ってましたとばかりに飛んできた俺に前蹴りを放つ。俺は『空蹴り』で上に軌道を変え、前蹴りを躱しながらその顔面に拳を放ち、勢いを加速させて押し倒した。そのまま上に乗って顔面に連打を放つ。顔を腕で覆って防御しようとするが、その腕ごと叩き伏せた。
「「ガァアアア!」」
声に振り返ると、2体の真オーガキングが迫っていた。俺は『ダークネスナックル』と『鬼の一撃・付与』で強化した拳で心臓を穿ち、2体まとめて殴り殺す。
「はははははははは!」
向かってくる最後に残った1体と全力の殴り合いに興じ、多少のダメージこそ負ったものの、最期の真オーガキングも倒すことができた。
どうもコクトーです。
『刈谷鳴』
職業
『最大
ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)
盗賊 (50) 剣士 (50) 戦士 (50)
魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)
冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)
狂人 (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)
神官 (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)
有効職業
聖魔??の勇者Lv17/?? ローグ Lv54/70
龍人 Lv12/20 精霊使いLv21/40
舞闘家 Lv39/70 大鬼人 Lv14/40
上級獣人Lv8/30 魔導士 Lv41/90
死龍人 Lv4/20 魔人 Lv2/20
探究者 Lv6/99
非有効職業
狙撃王 Lv1/90 上級薬師Lv1/80
呪術師 Lv1/80 死霊術師Lv1/100
アーマーナイト Lv1/99 剣闘騎士Lv1/99 』
またまたレベルアップです。今度はレベル間違ってないです。ハイ。
オープン戦が始まり、阪神の調子がよさそうなのでかなり満足です。
これで忙しくても楽しみがあるから乗り切れる…
ではまた次回




