守護龍の試練です4
『WAVE 40/99』
WAVE39で戦ったリザードマジシャンが消えると、次の魔法陣が現れたが、その数はそれまでの半分以下、それこそ10こくらいしかないようだが、1つ1つの大きさがそれまでのものの倍以上になっていた。
ゴブリンメイジ、コボルトメイジとの戦いで始まったWAVE21からの連戦。フレアウルフ、モンキーソーサラーと、途中まではたしかにWAVE1からWAVE20までで戦っていた基本種の魔法計上位種との戦いだった。同じ魔法しか使ってこないというのはさすがにWAVE23のフレアウルフまでではあったが、それでもWAVE20までで戦ったモンスターが魔法方面に強化されただけ。むしろ物理的な攻撃力は弱体化している種類もおり、俺個人としては難易度が下がっているとも感じたくらいだ。
しかし、WAVE30になり、傾向通りであればWAVE10で出現したゴーレムの魔法系上位種が出るはずだったそのWAVEで出現したのはWAVE11のオーガの魔法系上位種であるオーガメイジだった。そこからはWAVEが1つずつずれる形で魔法系上位種が出続けたのだ。魔法を使うようなゴーレムに心当たりはない。ガーゴイルがそれに該当するのかもしれないが、明らかに種類が違うということだろうか。
WAVE39まででもひたすらに持って現れる杖を喰らい続けてきたおかげで魔力は上昇を感じられる程度には上がってくれた。効果としては極少であるし、1つ喰らうごとに1しか上がっていないかもしれないが数が数だ。俺の今の魔力の総量からしたら1%程度かもしれないが、実感として魔力が上がっていることがわかった。
スキルについてもかなり豊作だった。完全にかぶりなしというわけにはいかないが、19種類ものモンスターの群れ1匹1匹が使ってくる大量の魔法。基本属性の魔法で俺が既に使うことができていた魔法も含め、スキルの強化には大いに貢献してくれた。死体も喰らうことができればさらに強化を計れたのだろうが、このダンジョンの仕様として残らないというのなら仕方がない。
『アイスレーザー』『魔力矢』『バーストショット』『アイスロック』『アイスニードル』『アースボール』『エアロ』『ファイアバレット』。
俺がもともと使うことができた魔法系スキルだけでもこれだけレベルMAXまで上げきることができた。ファイアを中心に使っていたオーガメイジたちが、いつぞやのように集まって一斉に魔法を唱え始めたときはかなり期待してわざわざ魔法を撃つのを待ってしまったくらいだ。『バーストショット』はあまり使っている魔法というわけではないし、暗黒属性には劣るが威力の高い魔法だ。オーガメイジが数体がかりで唱えるくらいの魔法だし、そう簡単には出会えないからな。
珍しいという点で言えば『アイスレーザー』をレベルMAXにできたのも運がよかった。WAVE33に出てきたフロートアイ・アイス。19種の中で唯一氷属性の魔法を使ってきたそいつが、色んな魔法を使う中で『アイスレーザー』も紛れ込ませて使ってきたのだ。アイスロックやアイスニードルなどの氷魔法が飛び交う中、俺という的から外れたことで残った残骸に反射するようにして多方向から迫るアイスレーザー。『喰らう瞳』のおかげで効かなかったからいいものの、避けようと思っても避けられなかったと思う。
既存の魔法の強化以外にも、新たに習得した魔法も10を超えた。使いやすい部類のニードル系やボール系の各種属性なんかは一切使えない光属性を除いた基本6属性は揃ったことになる。基本的に魔力が尽きるまでは倒さずに攻撃を待っていたが、考えてもみれば光属性の魔法を撃ってくるモンスターがいなかったのは本当に運がよかった。使われていたら杖やスキルの回収なんか放っておいて、速攻で『ダークネスランス』などで消し飛ばす必要があっただろう。
魔法陣から次の群れが姿を現し始めた。緑色の鱗に覆われた巨体を持つ群れ。
「「「ガァアアアアア!」」」
WAVE40の相手はグリーンドラゴンの群れだった。今の今までリザードマジシャンと戦っていたところだからその体躯の違いがよりはっきりと分かる。グリーンドラゴンたちが同時に叫び声をあげたせいで耳が痛いが、龍であればともかくとして、10匹程度であればこのドームも狭いとまでは感じなかった。
「『鬼の一撃・付与』『ダークソード・纏』」
手に持った武器を強化し直し、一番近いグリーンドラゴンの下へ走りだした。
向かってくる俺に迎撃のために大顎を開き噛みついてくる。『ダークネスシールド』で受け止めてそれをそのまま横に流す。目の前で無防備になったグリーンドラゴンの首に向けて剣閃龍の直剣を振り下ろした。
ガキ
切り落とすつもりで振り下ろした直剣はグリーンドラゴンの首の肉を切ることはできたが、その奥の骨を断つことができずに止まってしまった。中途半端に硬い骨に食い込んだせいですぐに引くこともできない。
「『獣の一撃』」
直剣の上から棍棒を叩きつけ、その力で無理矢理骨を断ち切った。直剣の長さゆえに首の半分ほどはくっついたままではあるが、それでも当然致命傷には違いなく、地面に倒れ込んだグリーンドラゴンがそのまま俺めがけて滑ってくる。
滑ってくるグリーンドラゴンの翼に手をついて飛び越すと、狭い広場の中でも空を飛び、上から襲い掛かるグリーンドラゴンに向けて試しに『ファイアニードル』を撃った。グリーンドラゴンもブレスで相殺しにかかってきたから7割くらいはブレスの壁を貫けずにその場でボンっと爆ぜてブレスを食い止めた。残る3割はブレスの薄い部分を超えたのか、そもそも当たらなかったのかそのままグリーンドラゴンの翼に直撃した。すべてが翼を貫通するほどの威力は残っていなかったようで、穴と焦げとが半々くらいだ。
「「ゴアアアア」」
穴が開いたことで浮力をキープできなくなったのか、グリーンドラゴンは必死に翼を羽ばたかせるものの俺の上に落ち始める。それを躱そうと左に飛んだ俺めがけて、離れていた2体のグリーンドラゴンがブレスを放ってきた。
「集束『アイスレーザー』」
2方向から迫るブレスに向けて10本を束ねた『アイスレーザー』を放つ。レベルが最大まで上がった効果であるのか、ブレスに拮抗すら許さずあっさりと貫いてその奥のグリーンドラゴンの顎を凍らせた。
「『黒雷』」
グリーンドラゴンたちが凍った顎を覆う氷を噛み砕く前に下から『黒雷』で貫き殺す。そいつらが地面に崩れ落ちる音と共に最初のグリーンドラゴンが消えたとたん、地面に落ちたグリーンドラゴンの尻尾が薙いできた。
「『ダークネスシールド』『シールドバッシュ』」
グリーンドラゴンの尻尾に打ち負けないようにこちらから突っ込む。少しの拮抗の後、何とか尻尾を弾き飛ばすことに成功し、その射程範囲から出る。
「ギュルウラウ!」
体勢を立て直そうとするのが1体。空を飛ぶ2体。遠距離から魔法を撃とうと構える2体。牙を、爪を光らせ向かってくる2体。そのすべてに対応すべく、周囲に『ファイア』の弾幕を浮かべた。
どうもコクトーです。
『刈谷鳴』
職業
『最大
ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)
盗賊 (50) 剣士 (50) 戦士 (50)
魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)
冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)
狂人 (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)
神官 (50)
有効職業
聖魔??の勇者Lv17/?? ローグ Lv47/70
重戦士 Lv64/70 剣闘士 Lv50/60
龍人 Lv10/20 精霊使いLv19/40
舞闘家 Lv30/70 大鬼人 Lv11/40
上級獣人Lv7/30 魔導士 Lv25/90
死龍人 Lv2/20
非有効職業
魔人 Lv1/20 探究者 Lv1/99
狙撃王 Lv1/90 上級薬師Lv1/80
呪術師 Lv1/80 死霊術師Lv1/100 』
連休なので最終日の更新です。
これを読んでくださっている新成人がいるかはわかりませんが、いらっしゃったら成人おめでとうございます。
かなり寒いですね。部屋に置いておいた常温の水が朝起きたら冷水になってました…
部屋にエアコンない勢は布団に頭までくるまって寝るのが至高なのです。
休みが終わってしまうなぁ……
ではまた次回




