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守護龍の試練です2



「グギャア!」


 大声をあげながら一番近くにいた最初のゴブリンがとびかかってくる。右手の剣で受けて左手の剣で首を飛ばす。錆だらけのナイフを受けたことでパラパラと錆が飛び、それが雨のように顔にかかる。すぐに目に入らぬようにゴーグルをかけた。遅れて飛んでくる血しぶきも、多少視界を狭めることにはなったが、完全に見えないわけではない。

 すぐに次のゴブリンが飛び出してきた。その手にも同じようなナイフ。今度は持ち手を切り落としてそれを防ぎ、悲鳴を上げる前に首を落とす。


 ここの仕様であるのか、死んだモンスターの死体自体は5秒もしないうちに幻のように消えてしまう。残っている間であれば喰らってわずかながらの能力向上やスキルにすることもできるかもしれないが、迫りくる軍勢がそれを許してくれなかった。


「ギャギャギュア!」


 1体のゴブリンが他のゴブリンを踏み台にして上からとびかかってきた。同時に左右からも迫るゴブリンたち。おそらく意図したものではないのだろうが、拙いながら連携のとれた攻撃だ。


「『剣閃・十』」


 円を描くように左右からくるゴブリン2体を切り殺し、上からくるゴブリンも切り落とす。すぐに次のゴブリンたちへの攻撃と回避のために振り下ろした剣を上げようとしたが、体が動かなかった。


「『全方位結界』!」


 切り付けたゴブリンの陰から突っ込んでくる次のゴブリンが顔面を強打する。遅れてガキンというナイフが結界に当たって地面に落ちる音が3回ほど聞こえてきた。


「硬直のことをつい忘れちまうな。何ならいけて何がダメなのか調べないと」


 無くなったスキルによって成立していたスキル後の硬直回避。咄嗟の時にそれができないことをつい忘れてしまうというのは大きな隙につながる。そしてその隙を見逃してくれるほど敵は甘くない。ゴブリンという弱いモンスターですらそれを改めて感じさせてくれたわけだが、感謝などするつもりはない。


「『ウォーター』『ニードル』」


 頭上に水の球を浮かべ、そこに小さめの『ニードル』を打ち込んで自分の頭の上に降らせる。ゴーグルに付着したばかりの血が水に流されて視界がはっきりした。

 ガチャガチャと結界に向けて攻撃を繰り返すゴブリンたち。このまま何時間経とうが結界が砕かれることはなさそうではあるが、あまりに時間をかけすぎたのならそれはそれで試練失格と言われそうだ。


「『やわらか熱毛』『迦楼羅』」


 水に濡れた体を軽く温め、背中側に炎の翼を纏って簡易的な盾とした。切れ味の悪い錆びたナイフであれば、ゴブリンの力で投擲された程度では刺さらないことだろう。


「『ダークネスソード・纏』」


 両手の牙龍の剣に『ダークネスソード』を纏わせる。しかし魔力の通りが甘い。いや、これはまずい。

 両手の剣からミシリと音が聞こえ、慌てて『ダークネスソード・纏』を解除してゴブリンたちに向けて発射した。さすがに暗黒魔法だけあってそれぞれが数匹のゴブリンを貫いていく。それをよそに手元の剣に目を戻すと、左右で多少違いはあるものの、わずかにヒビが浮かんでいた。

 牙龍の剣はこれまでにも何度も同じように『ダークネスソード』を纏わせたこともあった。しかし、こんなことは一度もなかった。考えられるとすれば『斬撃武器威力減少』の中小2つだが、耐久力にも影響してくるのか。


 折れると困るし、俺は両手の牙龍の剣をそれぞれ剣閃龍の直剣と龍骨の棍棒に入れ替え、直剣に『ダークソード・纏』を使う。こちらは『ダークネスソード・纏』と違って剣にヒビが入ったりすることなく、問題なさそうだ。これでもダメだったらどうしようかと思った……。


 『全方位結界』を解いた瞬間、結界にかぶりついていたゴブリンの1体がべたんと地面に落ちる。その頭に棍棒をたたき込み、続けざまに近くのゴブリンを切り殺す。その様子で結界が消えたことに気が付いたのか、ギャアギャアと喜び勇んで次々と襲い掛かってくる。

 『剣閃』、『一閃』のようなスキルは極力使わない。硬直が起こる可能性のあるスキルはすべてだ。それを使うのは確実な安全を確保できた時、そして、己の技術(スキル)を使う時のみ。

 ユウカとの鍛錬の中で技術として身につけたはずのものが、またただのスキルに成り下がっていた。はっきりと、今ならば使えるとそう直感した時だけ使ってみて感覚を戻す。今できる最大限はそれだろう。その時でさえスキルであるのなら、また訓練で戻すだけだ。その時間を守護龍様が許してくれるのかはわからないが。


 群がるゴブリンたちをある者は一刀のもとに切り伏せ、またある者は棍棒でその頭を砕く。そんなことを繰り返していった結果、ゴブリンたちは全員倒れ伏した。血も、死体も、その身にまとっていたボロボロの革鎧も含めてすべて消え去ったが、不思議なことにその手に持っていたナイフだけはすべてその場に落ちたままだった。『鑑定』、そして『上級鑑定』で調べてみても何の変哲もないただの鉄のナイフだ。改めて見渡してみるとその数はせいぜい50本といったところ。


『パラメータ:器用さ上昇(極小)を習得しました』


『WAVE 2/99』


 ゴーグルを上げて、1本喰らってみたら普通に喰らうことができた。しかし、その瞬間に天井に文字が現れ、次の魔法陣が姿を現した。そこから出てきたのはコボルト。ゴブリンよりもパワーは劣るものの俊敏性に優れ、群れでの行動を得意とするモンスター。その手にも同じように錆ついたナイフが握られていた。


「ギャウギャウ!」


 コボルトたちは、自身が持つナイフだけでなく、ゴブリンたちが地面に残したナイフを拾ってこちらに襲い掛かってきた。

 素早い動きで迫ってくるコボルトたちに備えて『スピードエンチャント』をかけると、最前列にいるすべてのコボルトがナイフを投げてきた。慌てて『迦楼羅』の炎の翼を飛ばして背面のナイフを弾き、それで防ぎきれなかった分を棍棒で叩き落とす。先ほどのゴブリンのナイフが残ったままだったのはそのためだったのか。


「『獣の一撃・付与』」


 龍骨の棍棒に付与をかけ、素早く、手数を増やしてコボルトに対応する。俊敏性に優れていると言っても所詮は低ランクのモンスターだ。多少体が動きにくくなっているとはいえ遅れをとるようなものでもない。

 俺はゴブリンとそれほど変わらぬ時間でコボルトの群れを殲滅した。


 ゴブリンの時と違い、今度は手にしていたナイフまで死体と共に消え去った。ゴブリンから持ち越した物も、コボルトが持って出てきたものもすべて。


『WAVE 3/99』


 すべてが消えてすぐに天井に次の群れを知らせる文字が浮かんだ。そしてまた現れる魔法陣。次はウルフ。またも群れでの戦いを得意とするモンスターだ。四足歩行でナイフを使うようなモンスターでもない。だから今度は消えたのか。


「『スピードエンチャント』」


 時間的に次の戦いの途中で解除されかねなかったエンチャントをかけなおし、迫りくるウルフを迎えうった。


どうもコクトーです。


『刈谷鳴』


職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv17/?? ローグ Lv46/70

 重戦士 Lv62/70   剣闘士 Lv49/60

 龍人  Lv10/20  精霊使いLv17/40 

 舞闘家 Lv29/70  大鬼人 Lv11/40 

 上級獣人Lv7/30  魔導士 Lv23/90

 死龍人 Lv1/20

非有効職業

 魔人  Lv1/20 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90 上級薬師Lv1/80

 呪術師 Lv1/80 死霊術師Lv1/100 』

間に合ったー!

いつも読んでいただきありがとうございます。

今年はいろいろとあった1年でしたね。多くの人にとって今年は一生忘れられない1年になったことかと思います。かくいう自分もその1人ですね。暗い話ですしここでは書きませんが。


2020年の投稿はこれで最後になります。残すところ1時間切ってますけどね。

今年ものんびりだらだらではありましたが何とか投稿を続けることができました。

いつも本当にありがとうございます!

皆様の応援があり、こうして書き続けることができています。

2021年ものんびりだらだらと続けてまいりますが、皆様に楽しんでいただければ自分もうれしいです。これからもよろしくお願いいたします!


ではまた次回

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