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エンシェントエルフとの話です6


 取り出した黒曜龍の腕をエルメラさんにあっという間に持っていかれ、唖然とする俺とエンシェントエルフ様だったが、閉じられた扉の向こうから聞こえてきた「ひゃっほーい!」という叫び声に2人してついつい笑みがこぼれた。


「よかったのですか? 黒曜龍は場所にもよるでしょうがそれなりに希少な龍のはずですけど」


「あれで満足してもらえるならまあなんとか。黄龍がまだまだ召喚できる状態にないとなると、約束を果たすまでにしばらくかかってしまうかもしれませんし」


「黄龍もそうでしたが、白虎様、それにあのオーガについても相当消耗していましたね。消耗した状態でも守護龍様の圧の中で余裕で動けるほどのモンスターたちがそもそもあれだけ消耗するということ自体があまり好ましくはありませんが」


 俺もヒメもゼルセも黄龍も、命こそ失ったわけではないがあの場で全員が負けていた。魔王とヒツギに、ラストとグリードに、スロースとセン・グーテンに。魔王と戦っている最中に不意打ちを受けたとかそういうのは言い訳にしかならない。ヒツギに俺を殺すという意思がまったくなかったことと、エンシェントエルフ様の言う通り転移先の運がよかったこと、そしてヒメ達の献身と、エルメラさんの機転がなければ死んでいた。多くの要因が重なった結果、こうして生きていられるだけだ。


「柩様という旗のもとに集まっていたあのメンバーは私が言うのもなんですが、全員が異常なまでの強さを持っていました。私自身、当時よりも相当実力は上がっていますから柩様とオルスの2人以外には負けるとは思いませんけど、あなたたちがどれだけやれるのかは少し興味がありますね」


「今の自分が弱いとは思っていませんけど、まだまだ隠し種があるとなると次に会ったときに確実に勝てるとは言い切れないですね。これまで使ってきた戦法はほとんどできなくなってしまいましたし」


「それは負けたことで能力を失ったということですか?」


「いや、『喰らう瞳』で呪いを喰らったことの副作用ってところですね」


「確か倒した敵を喰らうということでしたが、呪いも喰らえるのですね」


「無理矢理応用させているような使い方ですけどね。『喰らう瞳(これ)』を使って呪いを喰らうと、その効果無効化したうえで、それを無理矢理俺に還元してしまうんです。スキルとして習得したり、今あるスキルを消失させたり、メリットとデメリットが混在するような形式で。姉さんが受けた呪いを喰らったことで失ったスキルが戦闘でメインに使っていたものだったので、それが使えない状態での戦いに慣れていないんです」


「柩様が呪いを受けたと? それはおかしいですね。あのお方の棺桶にはそうした悪意からご自身を守るための能力もあったはずです」


「白虎のダンジョン『パイフー』で眠っている間に能力はリセットされていると言っていました。これまでの冒険の中でいろんな能力を取り戻してはいましたけど、まだ完全ではなかったと思いますし、その能力がまだ戻ってなかったんじゃないかなと。ただ、その呪いを喰らった後の姉さんは多分昔の能力と記憶を全部取り戻していたように思います」


「なるほど。つまり今の柩様は昔の、私と旅をしていた頃の柩様ということですね?」


「記憶の封呪という姉さんが昔に作った魔道具の効果だといっていましたけどご存じですか?」


「……いえ、柩様がお作りになられた物はほぼすべてを私の宝物庫で保管していますがそのようなものはありませんでした。アホ犬と2人で私たちの前から消えてから作られた物でしょう。柩様のすべてがつまった呪いなぞ私が受けたいくらいですが、すでに消されてしまっているんですよね?」


「まあ」


「なんともったいないことを……。まあ苦しむ柩様を救うためということであれば仕方ないでしょう。ところで、消されたスキルとはなんだったのですか? 後で実力を見せてもらいますが全盛というわけではないとなると少々加減しなければならないかもしれませんし、失った力次第ではどうでもいい場合もありますから」


「別にもう使えなくなったものですからいいですけど、転移系のスキルが全てです」


「すべてとは随分大雑把ですね」


「いや、すべてとしか言いようがないんですよ。『小規模ワープ』『テレポート』『不意打ち』。全部転移系ですから」


「逆に得たスキルは?」


「結構ありましたね。紙はありますか?」


「ええ」


 俺はあの呪いを喰らったことで得たスキル、失ったスキルをすべて書き出した。正直にすべてを書く必要はないかもしれないけど、『精霊親和性』のスキルなんかはパッシブ系のスキルではあるがまるで恩恵がわからないし、教えてもらえるのであればラッキーくらいな感覚だ。


「……ずいぶんばらばらと言いますか、お互いを打ち消しあったり特化させようとしたり忙しいですね」


「柔らかくしたり固くしたりするスキルが混在してますからね。ご丁寧に効果に合わせて4つずつ」


「聞いたことのないスキルもありますが、魔眼の類は削除とありますが消失とは違うのですか?」


「『喰らう瞳』があるからだと推測してますけど、以前から魔眼の類はすべて習得してすぐに消えてしまうんです」


「左右で違う魔眼を持つ少女は見たことがありますが天然ではなく人体実験の産物でしたし、複数の魔眼を維持することはできないのかもしれませんね。ですが、これを見る限り、記憶の封呪は空間に作用するものだったようですね。スキルを失ったのは魔法による空間の把握が困難になった結果。そう考えるのが妥当でしょう」


「へ?」


 エンシェントエルフ様は増減したスキルの一覧を見て呪いの考察を始めた。俺が疑問に感じそうなところがわかっているかの如く潰し尽くし、その上で反論を許さない考察。途中、何度も口を挟もうとしたが、あまりにもあっさりと俺の中に落ちてきすぎることで、それは叶わないまま考察は最後まで進んでしまった。


「あれだけ他の物があるにもかかわらず転移系と言い切ってしまうほどに、転移を中心として動き回ることによって敵を撹乱していた遊撃タイプだった人間となると、すぐに別の戦い方をというのは難しいでしょう。ですがそこは場数を踏むことで解決できる。場所を用意して、死なないようにだけしてあげますから、自分で何とかしてくださいな」


「あの、それはどういう?」


「守護龍様から連絡が来ています。あなたが白虎様を従えるにふさわしい人間であるか、それを見たいと。では行きますよ」


 まだ戸惑いを見せる俺を尻目に、エンシェントエルフ様は守護龍様の元へ向かった。

どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv17/?? ローグ Lv46/70

 重戦士 Lv62/70   剣闘士 Lv49/60

 龍人  Lv10/20  精霊使いLv17/40 

 舞闘家 Lv29/70  大鬼人 Lv11/40 

 上級獣人Lv7/30  魔導士 Lv23/90

 死龍人 Lv1/20

非有効職業

 魔人  Lv1/20 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90 上級薬師Lv1/80

 呪術師 Lv1/80 死霊術師Lv1/100 』

先週はすみませんでした。ピクミン始めたら気づいたら夜になってまして…そこから書ききれませんでした。楽しすぎるのが悪い(メソラシ)

プロ野球もオフシーズンとなり、仕事後の楽しみが8割減してしまいましたがワタシハゲンキデス。


ではまた次回

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