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深淵よりの死を語る勇者です-後編-

第三者視点です。ご注意ください。



 女傑の名は----。常人では持ち上げることすら困難な特殊金属の棺桶を両手で操り敵を叩き潰し、時にはその棺桶をつなぐ鎖で敵をすりつぶす。鈍器と言えばメイスや棍棒が主として使われる世界において、あまりに異様な戦い方をする女傑(化物)だ。


 

 絶望の放ったたった一発のブレスによって町が1つ姿を消えてしまった。そのことが世界に与えた衝撃は、情報が伝わったすべての地域においてよくない現象を引き起こしていた。

 通常、モンスターにより町が滅ぼされるような自体が発生した場合、世界は混乱が起きつつも、すぐにより多くの人間、そしてより強い人間を集めて討伐隊が結成され、その原因となったモンスターたちを倒すべく動き出す。魔王こそいないものの、ダンジョンの氾濫によって町や村が滅びるというのは珍しい話でもないからだ。

 しかし、今回はそうはいかなかった。

 大量の水棲モンスターが海から現れてはいるものの、実際に町を滅ぼしたのはたった1体の絶望による一撃であったからだ。10kmも離れていたとしても安全圏ではない。さらに、水棲の魔物を得意とする有名なSランク冒険者が何もできずに死んだ。その事実が人々の恐怖をさらに掻き立てた。

 特にその絶望が近い地域では人々の欲望を止める力が弱かった。

 もはや自分はこれで死んでしまう。どうせ死ぬのであれば最後くらいはと、己の欲望を満たそうと動く者であふれかえってしまい、絶望への対抗策をたてるどころではなかったのだ。最前線から遠く離れるにつれて当然危機意識というものは薄れ、対策へと乗り出す動きは遅くなる。その最前線の町々がまともに動けない状態になってしまった。

 そんな時、公に最初に動きを見せたのは時の王、バーナ・マ・カシュマであった。

 報告があってからわずか3日。己と王族を守護する近衛騎士団。王都を守護する王国騎士団。王国の最大宗派たるルーミア教の教導魔法部隊。国に仕えることを決めた数多の冒険者たち。集められる限りの最高位たるSランク冒険者。そのすべてを動員して絶望を討つために動きだした。


 女傑もまた、その王により集められるはずの人員の一人のはずだった。

 しかし、女傑とそのパーティは、それよりも早く動き出していた。


 女傑のパーティメンバーの1人は件の村を治める龍人(ドラゴニュート)だった。

 村長からの連絡を受けた時点から動きだしており、絶望の話を聞き、実際に討伐を開始したのは町が滅んだ次の日。国が討伐に向けて人を集め始めたその時、女傑とかの絶望との戦いは始まっていた。


 パーティメンバー全員で数えきれないほどの取り巻きのモンスターたちを引き付け、女傑が絶望との戦いのみに集中できるような舞台を作り上げた。


 開幕の一撃は絶望の方からだった。

 気配も魔力も一切隠そうとせず、まっすぐに絶望に向かって走る。そんな女傑に向かって20発にも及ぶ石柱が撃ち込まれた。魔法としては小さな石礫を飛ばすストーンショットのはず。使用者が使用者なだけに石柱のように見えているだけなのだ。

 自分に当たる1発のみを右の棺桶でたたき壊し、勢いを止めずにまっすぐ走る。外れた石柱が地面をえぐり、1発1発が地面を揺らす。女傑はその程度では足を止めず、そのまままっすぐに進んでいく。

 石柱が、水の塊が女傑めがけて飛んでくる。1発1発が彼女の数十倍もの大きさのそれを、棺桶をふるって打ち砕き、だんだんと絶望に近づいていく。

 だんだんと近づいてくる女傑を目障りだと感じた絶望が自身の口元に魔力を集め、超広範囲に及ぶブレスを吐き出した。即座に棺桶の中に入りそのブレスをやり過ごし、すぐに再び絶望に向かって走る。


「あんたが何者なのかは知らない。何をしにこの地上に出てきたのかもわからない。でも、私の希望の前に立ち塞がるというのであれば、私はそれにふさわしい死を与えてあげると宣言しておくわ」


 絶望の眼前に飛び上がり、誰に言われるでもなくぼそりとつぶやいた女傑は、棺桶を絶望に叩きつけた。






 絶望と女傑が戦い始めて数日後、王の命により集められた大戦力が目にしたのは、元の地形からは変わり果て、見渡す限りの荒野となった一帯と、それを作り出した絶望が横たわる姿、そしてその上に突き立つ2つの棺桶だった。


どうもコクトーです。


前回に引き続き短めです。

なんで前後半にしたんや…とおもうかもしれないですが、ほんとはもっと長かったんです。今後を考えて展開変えて書き直したらこんなことになっただけなんです!許してください。


次回は普通に更新できるかな?


ではまた次回

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