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エンシェントエルフとの話です4

「そういえば、魔王に体や心の制御を奪われる直前のセン・グーテンが彼女について気になることを言っていました」


 俺のその言葉に、エンシェントエルフ様はこれまでで一番驚いた表情を浮かべていた。


「センと話したのですか?」


「ほんとにぎりぎりの状態に見えましたが、何かを伝えたかったのは間違いないかと思います」


「センの話には基本裏がありません。そのままの意味で考えてもいいでしょうね。なんと?」


「たしか、俺が持つ暴食(グラトニー)の力を制御したいのならばシルフィードの足跡を探せ、と」


「アホ犬の足跡を探す……他には?」


「本当にぎりぎりだったみたいで最後の最後で間に合わなかったようですけど、犬神がどうのと言いかかけていました」


「犬神ですか。あのアホ犬を神と呼ぶような酔狂な土地には心当たりはありませんが、正直なところただの犬獣人と呼ぶには強すぎましたからね。それもこれもすべては柩様のお力があってこそ。柩様と別れた後のアホ犬がどれだけ鍛えたところで神となることは不可能でしょう」


「単純に犬の神を祀っている地域に何らかの手掛かりがあるということではないんでしょうか?」


「その可能性もなくはないですが、センであればそれは限りなく低いでしょうね。自身に限界が近い状態での咄嗟の判断で的確に話ができるほどセンは賢くないですから。アホ犬ですら比べるのがおこがましいレベルでアホですので」


「……」


 セン・グーテンのことを呆れたようにため息交じりに語るエンシェントエルフ様だが、正直、俺にはそこまで愚かな人間であったようには見えなかった。

 確かに、あの残された石碑にはアホと言いたくなるような話も残されていたが、ほとんどの話はいたって真面目に書かれたものだった。柩、というか異世界人とともに戦う人間の能力が上がりやすいという現象にも気づき、当時の貴族の腐り方を嘆き、己の無力さに懺悔する。そんな人間がただのアホだとは思えなかったのだ。


「アホ犬のことは私も探していますし、何か手掛かりがあれば伝えてあげましょう。あなたが暴食(グラトニー)の能力を制御するのに必要なのでしょう?」


「助かります」


「まあしばらくはここで暮らすことになりますからね。その間に見つかることを祈りなさい」


「……できればすぐにでも館に戻ってユウカたちに無事だってことを伝えたいんですが」


「そちらは手紙を出せば済む話。柩様のここ1年の話を聞かなければなりませんからすぐには帰らせませんよ」


「そこを何とかなりませんか? 転移魔法を使ったりして」


「だめですね。まず第一にここはヤカリ森国。あなたがいたデルフィナのグリムの町となると相当な距離があります。それこそ十回以上転移を繰り返さなければたどり着けないでしょう。とは言ったものの、転移魔法による町間の移動を商売としている者は多くいますが、国境を超えるような移動を商売としている者はいませんからそれもできないでしょう。ただの冒険者が国をまたぐ移動をとなるとなかなか制限がありますよ?」


「依頼を受けるなりなんなりして、出る方法はいくらでもありそうですが?」


「それは高ランクの冒険者であればでしょう? それこそユウカ・コトブキのようなSランク冒険者であれば手続等もすぐに終わるでしょうが、あなたであればどれだけかかることでしょう」


「それは脅しですか?」


「まさか。脅しではなく純粋に事実を述べたまでです。普段からそうした系統の依頼を受け、信頼を得ている冒険者ならともかく、異世界人の方々は国をまたいで何かをするという行為に対してあまりにも認識が甘い。これは柩様もそうでしたが、なぜ『移動します』『はいわかりました』というように簡単に移動できると思っているのでしょうか?」


 日本でも国外に出るとなるとパスポートだったりいろいろと必要にだった。であるにも関わらず、エンシェントエルフ様が言うように簡単に移動できると思っていたのは間違いない。いろんなRPG系のゲームでは国から国への移動に許可をとっているようなシーンはほとんどなかった。イベントとして閉鎖されている関所を通る必要があるとかそういうのがなければ何事もなく移動していた。おそらくではあるが、異世界に来てそうしたゲームと重ねてしまっているんだろう。


「その点、私の言うことを聞いていればそうした手続きを経ずに出してあげましょう」


「本当ですか!?」


「条件はいくつかありますけどね。まあ手紙はサービスとしますが、私が示すお題をクリアしない限りは戻れないと思って下さいな」


「お題ですか? その内容は」


「そう慌てないで。まずお聞きしたいのですが、あなたはこのまま戻ったら何をするつもりですか?」


「マナを探しに行って、姉さんを迎えに行きます」


 エンシェントエルフ様の問いに、俺はノータイムで答えた。

 現状、マナどころかキャラビーやユウカについても生死に関する情報は何もない。いや、キャラビーに関しては生きているという確信はあった。あの時点でキャラビーはアンナに離脱させていた。キャラビーが暴れてという可能性もあったけど、アンナがそれを許すとは思えない。確実に気絶させて配下に運ばせただろう。


「死にかねないほどの大けがを負わされて、運よく生き延びただけのあなたが行ってどうするつもりですか?」


「不意を突かれてしまいましたが、次は負けません」


「今のあなたでは無理です」


「……なぜあの戦いを見てもいないあなたにそこまではっきりと言い切られないといけないんですか?」


「柩様はおそらく本気ではなかったのでしょう。柩様が本気を出して、あれの力を使ったのであれば今頃グリムの町はなくなっていてもおかしくない。ですがそんな報告は来ていません」


「確かに姉さんは大罪の悪魔、嫉妬(エンヴィー)の力は使ってはいませんでした。聖雪属性の魔法と、その魔力を纏わせた棺桶だけしか使ってません。でも、俺も暴食(グラトニー)の力は使ってない。顕現したベルゼブブを倒したあの時よりもかなり強くなっているし、簡単には負けない」


 俺の言葉を聞いて、エンシェントエルフ様は何もわかっていないとばかりに首を振った。


「そこで魔王に与えられたのだろう大罪の悪魔? とやらの名前が出てくる時点でわかりますよ。柩様がなぜこの世界に呼ばれたのか。柩様がなした偉業をあなたは知らないのでしょう」


「偉業っていうのは姉さんを召喚することを決めた当時の王、名前は確か……」


「バーナ・マ・カシュマ王」


「そう。そのバーナ王が先見の明があった賢王と呼ばれる理由ですか?」


「ええ。愚王か賢王か。たしかにバーナ王はそう評価が大きく割れている。ですが、私から言わせてみれば間違いなく賢王です」


 エンシェントエルフ様は自身のアイテムボックスから1冊の本を取り出した。


「柩様のことが記された『名もなき物語(ネームレス・テイル)』『深淵よりの死を語る勇者』。あらゆる記録から消えてしまっていますが、ここに記されていることが、柩様が魔王のいない時代で勇者と呼ばれた証です」



どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv17/?? ローグ Lv46/70

 重戦士 Lv62/70   剣闘士 Lv49/60

 龍人  Lv10/20  精霊使いLv17/40 

 舞闘家 Lv29/70  大鬼人 Lv11/40 

 上級獣人Lv7/30  魔導士 Lv23/90

 死龍人 Lv1/20

非有効職業

 魔人  Lv1/20 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90 上級薬師Lv1/80

 呪術師 Lv1/80 死霊術師Lv1/100 』

先週は投稿できずすみません。さすがに夜勤があると更新は厳しかったです。夜勤ラッシュ疲れた…

一応11月は夜勤1回しかないはずですが、最近緊急で入れられることが多いんですよね…マジで障害いい加減にしろよぉ…


ではまた次回

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