閑話 勇者ヒメの大冒険?
本編とは無関係の閑話です。また、2019年の最後の投稿です。
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「勇者さまーたーすーけーてー」
「かうかーう! メイ姫をはなせー!」
ここはとある王国の王城の最上階。そこで真っ白のドレスに身を包んだメイ姫が、巨大な鳥籠に入れられて、今にも連れ去られようとしていた。
「くわーくわっくわ。姫はいただいていくぞー。そして我が城でいっっぱい遊んでもらうのだー!」
「そんなことはさせないぞカルーア王!」
カルーア王はメイ姫を閉じ込めた鳥籠を掴み、そのまま天高く飛び去ろうとしていた。それを止めるべく、勇者ヒメはお供の黄龍を呼び出した。
「われさんじょう! ちちさまに何をするのだ! ピカピカゴロゴロー!」
お供の黄龍は体から雷を飛ばしてカルーア王を牽制する。
「こしゃくなー。風の刃!」
カルーア王が黄龍めがけて風の刃を飛ばしてきた。
「きかないのだー! ゴロゴロバリアー!」
黄龍がその刃に雷を当てて直撃を防いだ。しかし、頭の弱い黄龍ではその後のことなど考えれておらず、弾けた風の刃が辺りの家々めがけて降り注いだ。
「うにゃー。ど、どうしよう」
「ヒメ様、私にお任せください」
おバカな黄龍にかわり、勇者ヒメのもう1匹のお供、蟻が魔法を使って弾けた風の刃から家々を守り抜いた。
「かうかーう! ありがとうアンナ!」
「うがー!」
勇者ヒメの3匹目のお供であるオーガが勇者ヒメの下へ駆け寄ってくる。勇者ヒメは空中でくるりと一回転してゼルセが胸元で構えた手の上にスタッと降り立った。
「カルーア王、お前の企みは、この勇者ヒメが許さない!」
勇者ヒメは自身の愛刀である聖剣キューカンバーを口にくわえ、ゼルセに合図を出した。
「グルァウ」
ゼルセは勇者ヒメの乗った腕を大きく振りかぶり、カルーア王めがけて投げつけた。
「くわーくわっくわ。返り討ちにしてくれるわー!」
カルーア王の口元に大量の魔力が集まる。そして、巨大な風の塊となって、勇者ヒメに向かって放たれた。
しかし、勇者ヒメはその風の塊を難なく切り裂き、そのままカルーア王のところまで宙を駆け上がった。
「な、なんだとー!?」
「くらえー! お肉大好き斬!」
「くーわー!! 覚えていろー勇者ヒメー!!」
勇者ヒメの一撃がカルーア王、そしてメイ姫を閉じ込める鳥籠を切り裂いた。
地面に降り立ったメイ姫の手の中へ勇者ヒメが飛び込んだ。
「ありがとう勇者ヒメ。お礼のおいしいお肉ですよ」
「かーうー!」
メイ姫の手から渡されたお肉を食べる勇者ヒメ。彼の戦いが終わることはない。
勇者ヒメの冒険はまだ始まったばかりなのだ!
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「あーうー……かう……」
「ふふっよく寝てるね。なんだか楽しい夢でも見てるみたい」
「ほんとじゃのう。どんな夢なんじゃろうな?」
「おいしいお肉に囲まれている夢なんて当たってそうじゃないですか?」
「そうかも!」
「真相は夢の中ってか。俺としては最大の謎は何で呼び出してないこいつがリビングのソファーで寝てるのか、なんだけどな」
「かーうー……」
気持ちよさそうに眠るチビッ虎をよそに、メイたちの夜は更けていくのであった……。
どうもコクトーです。
さすがにもう1話まるっと書くというところまではできなかったので閑話で小話でも。
さすがに忘年会明けで朝から書くなんて無理だったんや…大掃除もあったし
ともあれ、今話で2019年の最後の投稿となります。
2019年は皆様にとってどんな1年だったでしょうか? 私はひたすら仕事が忙しかった1年でしたね。大きな案件にも関わり、改元対応に追われ、新人の教育もしなければならず、フォローもあるよ! と満載でした。その関係もあって体調を崩すことも多く、夜勤もちょこちょこ入ってきてと投稿がまばらになることもありましたが、なんとか続けております。
他にもFEやってたりポケモンソードやってたりもありましたがまあ些細な問題でしょう…てへっ
色々ありましたが、皆様の応援のおかげでここまで続けられました。
累計アクセスも2700万を超え、ブックマークも14000目前まで来させていただきました。
本当にありがとうございます!!
来年もまたのんびりだらだらやってまいりますが、よろしくお願いします。
ではまた次回




