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最悪の一日です6



 魔王の使った強化魔法の影響で俺も能力が上がる。魔法そのものとしては喰らえなかったものの、魔王の魔法を受けたことでこれまで解放されていなかった2文字目が解放された。いくつかスキルが閲覧可能となったものの、あくまで閲覧可能になっただけで、どんな能力なのかはわからない。わかったとしても、結局は閲覧ができなかっただけで、そもそもが身についていたスキル。現状を打破するには足りなかった。


 俺自身の現状を打破するには足りずとも、俺以外の奴には十分なようだった。

 同じように強化の影響を受けるコルクや、神威解放? とやらでかなり押していたユウカはともかくとして、素の状態でどちらかと言うと押されていたゼルセ達は一気に形勢不利になっていた。

 それまで受け止められていた攻撃を受けきれず、当てられていた攻撃が当たらない。少しなりともダメージを与えられていた攻撃でまるでダメージが入らず、こちらの回復は追いつかない。コルクが周りのフォローに動こうとするものの、自身もグリードの何重にも張られた結界を破ることができずに動けなくなっていた。そして動けない間に1体、また1体とダメージが積み重なり、俺の魔力に帰ってくるほどのダメージを受けているやつはいないが、まともに戦う気のなさそうなラストやグリードを相手取るヒメとコルクはともかくとして、1対1じゃなく、スロースとセン・グーテンの2人と戦うゼルセと黄龍の2体はダメージがかなり蓄積されていた。特にゼルセがかなりまずい。スロースの能力と相性が悪すぎるのだ。


 ここから見えていたわずかばかりの情報でしかないが、スロースの能力は相手の動きを鈍くする類のものだろう。それをセン・グーテンの攻撃に合わせて使うことでゼルセと黄龍がまともに防御をさせないようにしているのだ。しかも、それは防御に限ったことではない。2体は攻撃をするたびにカウンターで大きなダメージを負う。セン・グーテンという火力を得たことで能力の極悪さが増した形だ。


「がぁ」


「お結び!」


 ゼルセがセン・グーテンの攻撃を受けて倒れた。黄龍もふらふらだし、あれではセン・グーテンの攻撃に耐えられない。これで2人が完全とは言わないが、自由になってしまった。


『スキル:リジェネレイトLv2を習得しました。

 堅硬防御LvMAXを習得しました。

 魔力上昇Lv3を習得しました。 』


 ヒツギの雪に必死に抗うためにフル稼働するスキルでまだ上がる余地があったスキルのレベルが上がる。でもこれじゃない。これでは決定打にはならない。


「ほら、見える鳴? オルスも獄炎を纏い始めたからもうすぐ終わるよ」


 視線の先ではユウカとオルスの戦いが続いていた。

 全身に真っ黒に燃える獄炎を纏うオルスと、雷を纏うユウカ。その2人が振るう刀と刀がぶつかりあう。

 ユウカとオルスは、技量はどちらも均衡しているが、元のパワー、そして経験が違いすぎた。

 オルスはそもそもが身体能力の高い龍人(ドラゴニュート)であり、その上で長と呼ばれるほどの龍と、次の長候補でもあった成龍8体もの龍のすべてを受け継いだ肉体を持つ。それを魔王の強化魔法と自身の獄炎魔法による強化を重ねている状態だ。

 ユウカはよくわからないが、神威解放という人の領域を大きく外れた力を使っている。間違いなくあれは以前こぼしていた奥の手だろう。その力が及んでいる限り、なんとか能力的にはオルスと打ち合えるレベルを保つことができている。だが、そんな力が長く使えるとはとても思えない。もし使えるのであれば普段の戦闘から使っているだろう。

 ユウカも、Sランクの冒険者として数々の戦いをこなしてきた。過去には神を斬ったこともあるという話だし、その経験は年齢に比べたら非常に濃いものであるのだろう。一方のオルスは、英雄と呼ばれるようになるほどの戦闘をこなし、その後もずっと戦い続けてきたのだろう。その期間およそ900年。ただの人間ではありえない期間だ。神の力を扱う相手と戦ったことはさすがにないだろうが、身体能力を何倍、何十倍にも上げるような能力の相手とは無数に戦ったことがあるだろう。そしてその対処法もわかっている。


 ユウカの動きが大振りで乱雑なものに変わる。それでもまともに攻撃をもらうような隙を見せないのはさすがユウカと言うべきだろう。だが、オルスは攻撃を仕掛ける様子はなく、淡々とユウカの攻撃を捌き続けた。

 ユウカがオルスから大きく距離をとった。すると、ユウカが纏っていた雷が消える。すぐに力が抜けたのか膝をついて肩で息をしだす。滝のように汗をかき、顔を伝って地面にぽたぽたと垂れる姿を見て、オルスも獄炎を消した。


『スキル:リジェネレイトLv3を習得しました。

 魔力上昇Lv4を習得しました。

 魔操作Lv2を習得しました。 』


「ゼルセ、黄龍に続いてユウカが落ちたね。コルクはやっぱチートじみてるね。暴食の力を乗せてるのかな?」


「……」


「もう話せなくなってきてるみたいだね。グリードのあの結界って、すっごい頑丈な上に内側の相手に弱体化と負傷を強いるっていう能力があるらしいよ。私の記憶がそう言ってた。私たちが最後に会った時の天上院くらいなら動くことすらままならないはずなんだよ」


 ヒツギの言う通り、コルクは結界を殴る拳に『グラトニー』を乗せていた。さながら俺の『ダークネスナックル・纏』のようであるが、制御の難しさは桁違いだろう。


「スロースがヒメちゃんとの戦闘に参加し始めたし、そろそろ潮時かな。ラスト」


「あなたに命令される筋合いはありません」


「お願いね」


「はい魔王様! 『回れ回れ、狂いなく回れ。廻れ廻れ、因果すら超えて。向かうべき先は光か闇か、ただただ回る永遠の道へ。さあ渦よ、我が渦よ。制御を超えて、飛ばせ飛ばせ、夢幻の彼方へ。『色欲』を司る悪魔が命じる。すべてを飲み込め』ブラックホール」


 ラストがこれまでの渦とは明らかに違う渦をマナに向ける。マナも普段はやらないような大量の魔法を展開してそれの迎撃に向けるが、その渦がすべて飲み込んでしまった。


「!!!!」


 声にならない声を必死に絞り出そうとするが、それもかなわない。最後の、決定的な一打が足りない。


『スキル:リジェネレイトLv4を習得しました。

 聖氷耐性Lv2を習得しました。 』


 渦が刻一刻とマナに迫る中、待ち望んだその一打がようやく訪れた。







どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv17/?? ローグ Lv46/70

 重戦士 Lv62/70   剣闘士 Lv49/60

 龍人  Lv10/20  精霊使いLv17/40 

 舞闘家 Lv29/70  大鬼人 Lv11/40 

 上級獣人Lv7/30  魔導士 Lv23/90

 死龍人 Lv1/20

非有効職業

 魔人  Lv1/20 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90 上級薬師Lv1/80

 呪術師 Lv1/80 死霊術師Lv1/100 』

八月に入ってしまいました。遅くなってすいません。

色々とバタついておりまして、また忙しくなってきました。

月末は暇になるはずだったんだけどなぁ…残業が…


再来週は夜勤だから来週更新できるといいなぁ。


ではまた次回

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