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最悪の一日です3

 魔王の手から放たれたその球は、ヒツギの棺桶をまるでなかったように通り抜け、ヒツギの胸に当たった。


 球からあふれ出た呪いが、ヒツギを覆いつくす。


「きゃぁあああ!」


「「「ヒツギ!」」」


 呪いに覆われたヒツギが地面に倒れこんだ。呪いが全身に広がるにつれて、球がヒツギの胸の中に沈んでいく。

 俺は『小規模ワープ』でヒツギの側に近づき、その球を引きはがそうとしたが、その前に完全に沈んでしまった。ヒツギのきれいな顔が苦痛に歪む。


「メイ離れて! 見た感じ外傷はなさそうだけど、ちょっとずつ浸食がすすんでる。風龍様の龍殺しの呪いを解く時のを改良すれば……イレイズヒール改!」


 マナの魔法がヒツギに降りかかる。それによって心なしかヒツギの表情は和らいだ気がする。


「……だめ。消しきれない」


 光が収まった後も呪いは消えることがなく、むしろヒツギを蝕むペースが早まったようにも見える。

 

「なら俺が!」


「だ、め」


 俺が瞳の『力』でヒツギの呪いを喰らおうとすると、ヒツギが俺の腕をつかんで止めた。


「何言ってんだ。ファントムの呪いすら喰えたんだ。この程度の呪い喰らえないわけないだろ!」


「そう、じゃない、の」


「ご主人様!」


 突然標的にされた上、自分をかばってヒツギが倒れたのを見て体が固まってしまっていたキャラビーもようやく動けるようになり、こちらにかけてきた。


「キャラビー、アンナたちから離れるな。あいつらはまじでやばいんだって」


「私も戦います!」


「アンナ!」


『かしこまりました』


 キャラビーのことはアンナに任せて俺はヒツギの呪いを『上級鑑定』した(見た)。しかし、呪いの名称も、その効果も何一つみることはできなかった。それだけ強力な呪いとも言えるわけだし、マナの魔法で解呪できないのも無理はないだろう。マナも必死にイレイズヒールを改良し続けているがうまくいっていないようだった。ユウカと従魔たちが牽制してくれているが、いつの間にかバラーガ・グーテンの体で蘇ったセン・グーテンも現れているところを見ると、さらに追加が来る可能性も十分にあるし、マナが解呪できる魔法を作るまで待ってはもらえないだろう。


「私は、大丈夫だから……使っちゃ……だめ!」


「呪いを喰った時の副作用を気にしてるのかもしれないけど、そんなもん気にするな。呪い吸収!」


 俺はヒツギの腹のあたりに手を置いてヒツギの呪いに対して『喰らう瞳』の『力』を使おうとした。


『????の??の呪いを吸収しようとしています。複数のスキルが消滅しますがよろしいですか? また、今後対象のスキルの習得は不可能になります』


 以前キャラビーの呪いを喰らった時にもあった選択肢がまたでてきた。あの時はマナが結界を貼った上、部屋の中だったから大して邪魔には感じなかったけど、今は状況がまるで違う。


「『Yes』だ!」


『使用回数が多いスキルを含んでいます。本当によろしいですか?』


「『Yes』だ」


『本当によろしいですか?』


「『Yes』」


『後悔するかもしれませんがよろしいですか?』


「『Yes』だって」


『本当の本当によろしいですか?』


「くどい。『Yes』」


『????の??の呪いを吸収しました。

 パラメータ:体力上昇(大)を習得しました。

 精力上昇(極大)を習得しました。

 素早さ減少(極大)を習得しました。

 スキル:人体硬度上昇(小)LvMAXを習得しました。

 人体硬度上昇(中)LvMAXを習得しました。

 人体硬度上昇(大)LvMAXを習得しました。

 人体硬度上昇(極大)LvMAXを習得しました。

 人体軟度上昇(小)LvMAXを習得しました。

 人体軟度上昇(中)LvMAXを習得しました。

 人体軟度上昇(大)LvMAXを習得しました。

 人体軟度上昇(極大)LvMAXを習得しました。

 操糸術Lv1を習得しました。

 ニードルLvMAXを習得しました。

 自重軽化LvMAXを習得しました。

 自重増加LvMAXを習得しました。

 リジェネレイトLv1を習得しました。

 時空耐性LvMAXを習得しました。

 欲望増大Lv1を習得しました。

 死滅の魔眼を習得しました。

 死滅の魔眼は削除されました。

 呪いの魔眼を習得しました。

 呪いの魔眼は削除されました。

 非斬撃武器威力上昇(極大)LvMAXを習得しました。

 斬撃武器威力減少(小)LvMAXを習得しました。

 斬撃武器威力減少(中)LvMAXを習得しました。

 精霊親和性LvMAXを習得しました。

 スキル:身軽が消失しました。

 テレポートが消失しました。

 小規模ワープが消失しました。

 ロックオンが消失しました。

 マルチロックオンが消失しました。

 狂化が消失しました。

 怒りが消失しました。

 不意打ちが消失しました。

 受流しが消失しました。

 足捌きが消失しました。

 強射が消失しました。

 曲撃が消失しました。

 分裂弾が消失しました。

 コンボが消失しました。

 職業:呪術師になりました。

 死霊術師になりました。 』

 

「ぐっ」


 全身を痛みが走り抜けるととともに、ヒツギにかけられた呪いが形を変えて俺に流れ込んでくる。

 ヒツギを覆っていた呪いは完全に消え去り、意識を失ってしまったようだが、その表情は比較的穏やかなものになっていた。

 

 あの時みたいに光系の属性が使えなくなったりはしていないし、習得したスキルは軒並みそれを打ち消すようなスキルも一緒に習得したことでほぼ無効化されている。『自重増加』なんかだとパッシブスキルに変化しているのに、『自重軽化』が重なることでプラスマイナス0だ。普段なら最初から極大効果のスキルだけなのに、小から順に上がっているのはなんだか変な感じがするが、呪い吸収だからかな。

 一方で、消失したスキルはかなり厳しいことになった。『強射』や『曲撃』なんかは最後に使ったのがいつだったか曖昧にしか覚えていないようなものだから関係ないとしても、『身軽』『足捌き』のようなパッシブスキルはなくなってみてその補助効果が地味に大きかったのだと実感する。少し腕を動かすだけでもそれを感じているのだから、戦闘となればその差を慣らすまで時間がかかるだろう。その時間を待ってくれるわけはないのだが。


 でも、そのあたりのまだ何とかなるようなスキルは正直問題ではない。一番の問題は『テレポート』と『小規模ワープ』を失ったことだ。『小規模ワープ』は言わずもがな俺のメインウェポンの1つだし、戦闘に限らずあらゆる場面で使ってきたスキルだ。この状況でそれがなくなるのはまずいどころではない。何よりもまずいのは逃げる手段を1つ失ったことだ。


「そうやってファントムの呪いも解いたんだな。解いたというよりは移した感じだけどな」


「『一閃』」


 呪いを吸収した影響をいろいろと考えていると、突然耳元で声が聞こえた。回りながらステュラを振りぬいて声の主を切りつけるが、見えたのはステュラをかわして下がっていくエルギウスだった。


どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50)

有効職業

 聖???の勇者Lv17/?? ローグ Lv46/70

 重戦士 Lv62/70   剣闘士 Lv49/60

 龍人  Lv10/20  精霊使いLv17/40 

 舞闘家 Lv29/70  大鬼人 Lv11/40 

 上級獣人Lv7/30  魔導士 Lv23/90

 死龍人 Lv1/20

非有効職業

 魔人  Lv1/20 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90 上級薬師Lv1/80

 呪術師 Lv1/80 死霊術師Lv1/100 』

しばらく空いてしまいすいませんでした。

仕事がかなり忙しいのと体調不良が重なってしまいまして…


ではまた次回

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