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『マツノキ』の依頼です11



 次の日になり、俺たちは『死の草原』の3層に向かっていた。

 昨日はギルドに向かった俺たちも、領主の館に向かったユウカたちも、どちらも特に問題も起きずに終わって、そのまま館に戻ってきた。

 どちらでも特に何かを聞かれたわけではなく、報告が終わったらその場でおしまいだった。その代わりではないが、後日、ギルド側と領主側での情報のすり合わせが行われた後で、俺たちが呼び出されることが決定しているらしい。俺たちの意見が完全に無視される形ではあるが、激しい戦闘で疲れているだろうという気遣いから決まったことらしく、強く責めることもできない。調査に丸一日かかる見込みであり、早ければ2~3日後には呼び出しをかけたいということで、数日かかるような攻略はやめてくれと頼まれた。元々しばらくは『死の草原』の3層で経験を積むつもりだったからそのあたりは問題ないかな。

 報酬に関してだが、その場での支払いではなく、今日派遣される予定の調査隊による調査が完了したらギルドで受け取れるということになった。ギルドにも手を回しておいてくれたらしく、兵士たちの報告は済んでいたから、結果的にボスを倒したことについては疑っていない様子だったが、俺の報告にあった地下が気になるそうだ。

 地下に降りた俺とマナは、別に罠や仕掛けのスペシャリストというわけではない。魔法の発動や、魔力を使った仕掛けについてはマナが気づいてくれるだろうが、物理的な仕掛けなどは無理だ。壁も軽くたたいて調べたり、『自動マッピング』で隠し通路がないことは調べたが、それでもわからないような何かがある可能性は否定できない。キャラビーを連れていれば確実だったのだろうが、あの状況でキャラビーを連れて降りるという選択肢はさすがになかったから仕方ない。



 『死の草原』の3層で俺たちが狙うのはビッグレオだ。

 朝のうちにギルドで確認した依頼書に、ビッグレオの鬣が欲しいというものがあったのだ。解体は依頼主が行うらしいから、首から上を納品という形で、それ以外の部位は冒険者の自由と書いてあったし多少の傷も気にしないとあった。報酬が1体につき金貨10枚とかなり高額というのもあって、依頼を受けることにしたのだ。


 俺たちが3層に転移してくると、遠くにお目当てのビッグレオを見つけた。戦闘中とか、獲物を見つけたとかそうした様子はなく、ただただ歩き回っているようだった。


「あれを狙うか」


「まだ他の冒険者が戦闘してるわけでもなさそうじゃしの」


「気を抜かないようにね。向かう途中に誰かと戦闘を始めることもあり得るだろうし、私たちが他のモンスターに襲われることもあるんだから」


「わかってるって。でも、とりあえず『探知』には反応がないし、目視できる範囲にもあいつ以外のビッグレオはみあたらないから、警戒は続けるけど、さっさと移動しよう」


「―――」


 移動を開始する前に、キャラビーが俺の服の袖を引っ張った。目視では確認できないが罠があるようだ。


「頼めるか?」


「――」


 キャラビーはコクリとうなずいて解除に向かった。キャラビーがしゃがみ込んで作業を開始すると、地面に8割ほど埋まっていたが、スイッチのようなものが見えた。作業を進めていくうちに取り除くことはできないと判断したのか、罠の範囲内に俺たちがいないことを確認してその辺に落ちている石をボタンに投げつけた。

 その衝撃で発動したトラップは石槍だった。数十本もの石槍が続々と隙間なく地面から突き出してくる。下がったと思ったらまた突き出てきて、殺意が非常に高い罠だった。規則性はなさそうだが、それぞれ何回か突き出たらそのまま固定されて、最終的に石槍が箱のようにずらりと並んだ。その段階でようやくキャラビーも話せるようになり、石槍は『一閃』で根元から切り崩しておいた。最近は魔法ばかりだが、こういう物理的な遠距離武器は大事なのだ。魔法が効かない相手用にいくつあっても構わないからな。


 罠の解除も終わり、ビッグレオに向けて歩き出した俺たちは、結局ビッグレオの元にたどり着くまでに2度の戦闘を要した。どちらも奇襲ではあったが、存在には気づいていたからあっさりと迎え撃つことができ、ちょうど一人2体で片が付く、お手頃な感じだった。

 不安に感じていたキャラビーの攻撃力だったが、この休みの間にガンダさんのところで龍骨の短剣を強化していただいたらしく、レッドレオの足を両断できるまでになっていた。

 キャラビーが持つ龍骨の短剣には、今までにはなかった刺突強化と斬撃強化という2つの能力がついていた。どちらもキャラビーが刻印したものだ。キャラビーは初めてやったときから刻印が上手ではあったらしいが、今では売りに出せるレベルにまで達しているらしい。それで満を持して自分の短剣にも刻印を行ったとのことだ。



 ビッグレオとの戦闘は、周りに他のモンスターがいなかったことも幸いし、あっさりと終わった。

 俺とヒツギが攻撃を受け止め、足が止まったところをマナの魔法で固定し、皆の攻撃で仕留める。今後のお手本にしたいくらいスムーズな戦闘だ。キャラビーの攻撃もきっちりとビッグレオの堅い皮膚を切り裂いていたし、攻撃力アップは大成功だな。


 その後、もう一体ビッグレオを狩り、レッドレオとオペラウルフの群れを4つ片付けたところで今日の探索は終わりとした。ビッグレオの頭以外はまだ売っていないが、第二段階の素材はまだまだ不足気味らしいし、買取価格は高いようだ。明日は解体かな。



 そうして、3層で戦闘をし、翌日に解体と休憩をして四日が経ち、ギルドから呼び出しがかかるよりも先に、ジョーさんが戻ってきたという話をギルドで耳にすることになった。



どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50)

有効職業

 聖???の勇者Lv17/?? ローグ Lv46/70

 重戦士 Lv62/70   剣闘士 Lv49/60

 龍人  Lv10/20  精霊使いLv17/40 

 舞闘家 Lv29/70  大鬼人 Lv11/40 

 上級獣人Lv7/30  魔導士 Lv23/90

 死龍人 Lv1/20

非有効職業

 魔人  Lv1/20 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90 上級薬師Lv1/80 』

ちょっと、いつもよりも短いですね。でも話の区切りなので仕方ないのです。

後ろに書く小話も思いつかなかったというのは秘密です。


ではまた次回

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