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『マツノキ』の依頼です10


 見つけてしまった書類に一抹の不安を感じながら上まで戻ってくると、穴の近くで休むヒツギたちの代わりに、兵士たちがゾンビを片付けているところだった。直接触らないように棒とかを使ってやっているあたり手慣れている様子だ。


「お帰り。どうだった?」


「ご主人様、大丈夫ですか?」


「とりあえず罠とかはなかったよ。敵もいなかったし」


「さっきの女の人は?」


「既に亡くなってた。あの爆発の中心で巻き込まれたみたいだ。ちょっと見たくない感じになっていたよ」


「それは……火葬して正解かな?」


「それはそうと、地下には何があったのじゃ? やはりどこかの出口に通じておったのかの?」


「いや、小さい部屋だったよ。何かの研究室だったみたい。爆発と炎でほとんど焼き尽くされてたけど、一部だけが読み取れたの。でも……」


 マナが言い渋る中、俺はユウカに書類を渡す。


「読んだ方が早いというわけじゃな。どれどれ」


 書類を読み始めるユウカと、それを覗き込む二人。背的な関係でキャラビーが少し読みにくそうだ。


「アンデッドを強化させる実験じゃったのか」


「ご主人様が最後に倒した個体もそうでしたが、他のゾンビたちもマナ様の獄炎魔法にも耐えていましたし、黄龍ちゃんの雷でも倒せませんでしたから、強化されていたのでしょうか?」


「かもしれないね。あんな強度を持っていながら、あんなにずたずたにされても復活できる回復力。あんなのただの『化物』だよ」


「読んでほしいのはその先なの。と言うか一番最後」


「最後じゃな。……クローンの実験じゃと?」


「あんな強化ゾンビが大量に出てくるとかごめんだよ? メイの不死殺しと、黄龍ちゃんの火力があったからなんとかなったものの、なかったらたぶん私たち全滅してた可能性まであったし」


「私は最後まで何もできませんでした……」


「それを言ったらわしもそうじゃの。向かって来る個体を牽制するしかやれることがなかったのじゃ。ゾンビやアンデッドの類は普段頭を切って殺すか、ばらばらになるまで切って殺すかのどちらかだったからの。こないだもそうじゃったが、そのどちらでも死なんゾンビはまだ対処法がわからん」


「反省会は後で館でしようね。それより、メイとマナが読ませたかったのはここだよね?」


「クローンの素体となった人物の一覧ですか?」


「ペルモ、ガナバン、ローゼン。数年前から聞かなくなったものの、以前はよく名前を聞いた賞金首ばかりじゃ。ジョーの奴が、あまりにも大人しくなったから不気味だと言っておったが、素体として使われて、失敗した結果ということなのじゃろうな」


「ちょっと、ここ!」


「ヴァンハルトじゃと? しかし、あやつはつい先日メイが殺したはずじゃ」


「それだけじゃないよ。ヘイクってたぶん私が戦ったドワーフだし、こっちのゴルグはマナたちが倒した真ん丸男だよね?」


「ジョー様が倒してくださった方の名前もあります」


「それって私たちが戦ったのはクローンだったってこと?」


「いや、それを読む限り、感情の再現とか、強さの再現は完璧じゃないらしい。その書類が古くなければってのはあるけどな」


「つまり、私たちが戦ったのが本体で、クローンはまだまだたくさんいるかもしれないってこと?」


「その可能性が高いと俺たちは思ってる。というか、既に闇ギルドの各拠点に配備されているだろうよ」


「ジョーさんたちが向かったのって昨日だよね? クローンが配備されてるんだとしたらジョーさんたちが危ないの! でも、そもそも向かった場所すらわかんないし、できることはないって」


「たしかにできることはないのう。じゃが、何もせんでも問題はないじゃろ」


「でも、あのヴァンハルトのクローンなんだよ? いくらジョーさんでも」


「マナよ、お主はジョーをなめすぎではないか? 確かにお主らの前では情けない姿しか見せておらん気がするが、あやつはSランク(化物)じゃぞ? 確かに犠牲は増えてしまうかもしれん。じゃが、あやつは引き際を間違えん。全滅なんてことには決してならんはずじゃ。ゆっくり待つがよいのじゃ」


 ユウカにも言われたことでいったん納得したのか、マナもそれ以上は言わなくなった。


 ある程度ゾンビたちの片づけが済んだのか、最初にも案内してくれた兵士が俺たちのところにやってきた。


「お疲れ様です。お仲間の皆様から多少は状況は聞かせていただきました。死体の片づけはこちらで行っておりますが、必要な素材等は……ありませんよね?」


「強化されておるとはいえ、人型のゾンビじゃからの。研究者でもなければ焼くくらいしか考えんのう」


「牙とか爪とかあるわけじゃないしな。むしろ処分してもらえるなら手間も省けるし、よろしくお願いします」


「かしこまりました。それでなのですが、穴に逃げていったというボスは……」


「死んでたから埋葬しておきました。爆発の中心近くで巻き込まれたみたいでした。穴を結構降りると先に小部屋があって、そこで研究をしていたようですね」


「そうですか。どこかに通じているような様子はありましたか?」


「いえ、どこにも通じてないただの部屋という感じでしたね。穴しか出入口はありませんでした。壁なんかも軽く叩いてみましたが、何の変哲もない壁でしたね。部屋の分の地面をくりぬいて、壁を固めただけのような感覚でした」


「そうですか。改めて調査はした方がよさそうですね」


「一応、読めそうな書類は回収してきました。後はもうだめでした」


「ありがとうございます。いただいてもよろしいですか?」


「ちょっと待ってください。後少しで読み終わるので」


「だそうなので、もう少し待ってください」


「それでしたら、討伐報告もかねて領主の館へ直接お持ちいただけますか? こちらから既に伝令を送ってはいますが、皆様から直接の報告を入れていただくべきかと」


「ギルド経由での依頼なのに?」


「ギルドへの報告は報酬のこともあるからもちろん必要じゃが、今回の場合は直接報告もした方がよいじゃろうな。事象に対しての調査依頼、そしてその解決の依頼はそのパターンが多いのじゃ。仮にギルドに報告を任せたとしても、後日呼び出しをうける可能性もある。当事者に聞かんとわからんことも多いのじゃ。領主の館へはわしが行ってこようかの? お主らは領主の館なんぞ行きたくはないじゃろうし」


「さすがに穴の底に入ってないユウカだけってわけにはいかないんじゃない? 私も一緒に行くよ」


「マナが行かなくても俺が行こうか?」


「いいよ。メイはギルドの方に。まださっきの人がいるかもしれないし、むしろそっちに行きたくないかも」


「なんか言って来る可能性はありそうだしな……わかった。ユウカ、なんかあった時は頼むぞ」


「こういう時のためのSランクじゃからの。多少のもめごとはわしがなんとかするのじゃ」


「あまり治安を守る者の前でそのようなことをおっしゃってほしくはないのですが……」


「おお、すまんの。忘れとった」


「これはマナのアイテムボックスに入れといてくれ」


「はーい。終わったら館に戻ればいいよね?」


「ああ。戦闘の反省会だな」


「ご主人様、先に館に戻ってもよろしいでしょうか? お風呂など準備をしておきます」


「みぃちゃんから離れるなよ?」


「はい」


 そして、俺達は後始末を兵士たちに任せてそれぞれの目的地へ向かった。



どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50)

有効職業

 聖???の勇者Lv17/?? ローグ Lv46/70

 重戦士 Lv62/70   剣闘士 Lv49/60

 龍人  Lv10/20  精霊使いLv17/40 

 舞闘家 Lv29/70  大鬼人 Lv11/40 

 上級獣人Lv7/30  魔導士 Lv23/90

 死龍人 Lv1/20

非有効職業

 魔人  Lv1/20 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90 上級薬師Lv1/80 』

土日に間に合わなかったので今日更新です。

次の土日は書けるかなぁ…

やっぱり平日に家でパソコン触れるっていいなぁ…


ではまた次回

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