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『マツノキ』の依頼です6



 頭の上でうなだれる黄龍は置いておいて、俺達は向かって来るゾンビたちに武器を構えた。

 ゾンビたちはまっすぐに俺たちの方に向かって来る。全員人間が元になったゾンビではあるのだが、その動きは非常に素早く、こないだの獣人のゾンビと遜色ないほどだ。


「グロウウィード……はだめか。アイスロード!」


 マナがゾンビたちの足を止めるために氷の道を伸ばした。それをかわせないようにヒツギとユウカも針や斬撃を少し高めに飛ばして上への動きを封じようとした。

 しかし、ゾンビたちは2人の攻撃には目もくれず、氷の道に突っ込んできた。


「凍っちゃえ!」


 氷に触れた足元からゾンビたちが凍りつき始めた。足をとられて氷の道に手をついたゾンビは同じように手も凍り付ついていく。他のゾンビを足場に氷の道をかわしたゾンビもいたが、そいつはヒツギに殴られて氷の道に戻ってきた。


「黄龍ちゃんの雷でも仕留めきれないみたいだし、対処は後にしてこのまま凍らせちゃうよ」


 マナが追加で氷を伸ばす。地面に触れる面積が広かった個体は早くも全身が凍り付き始めていた。


「「ファァアアアア」」


 このままゾンビ全員の動きを封じられるかと思った時、リッチソルジャーたちがまた音を発した。ゾンビたちの体を覆いつつあった氷がみるみるうちに砕けていく。


「今のうちに数だけでも減らしておくのじゃ」


 足元だけしか凍ってなかったやつはすぐに動きだしていたが、凍った面積が大きい奴ほど動けるようになるのが遅く、まだ止まっているゾンビめがけて『不死殺し』の『サンダーブレス』を放つ。まだ氷が完全に消えたわけではないし、近づいて下手に氷に巻き込まれるのを考慮してか、ユウカも同じようなゾンビに対して近づかずに斬撃を飛ばしていた。

 俺のブレスに焼かれて、2体が動かなくなった。一方でユウカの斬撃は1体の頭を跳ね飛ばしたが、もう1体は他のゾンビに引っ張られて体がずれ、頭ではなく肩を斬るだけに終わった。倒れた3体は、かろうじて残っていた氷に触れて、体が凍り付いていった。2体のリッチソルジャーの声はまだ続いているのに氷が砕けないのを見ると、あの声は生きている奴にしか効果はないのだろう。ゾンビに対して生きているという表現があっているのかはわからないけどな。


「アイスロード」


 氷が砕けたゾンビたちに向かって、改めてマナが氷の道を伸ばした。まだ動きの鈍いゾンビたちはすぐに氷の道にのまれていくがアイスロードは効果を発揮せず、ゾンビたちはその表面すら凍りつかなかった。


「氷に耐性を得たってとこか?」


「それってひどいんじゃない? グロウウィードはそもそも発動できなくて、氷は効かない。土系もちゃんとは使えなかったし、足止めは無理そう!」


「だろうね。メイフォローするから確実に潰していって」


「『不死殺し』は有効そうじゃし、仕方ないの。ほれ、見てみるのじゃ」


 キャラビーに襲い掛かろうとしたアンデッドを殴り飛ばしながらユウカの言葉で奥の方を見ると、俺が潰した奴はいまだにまったく動かないが、最初にマナが倒したゾンビたちが1か所に集まり、再び動きだそうとしていた。さっきユウカが頭を斬り落とした奴も同様で、頭がない体だけの状態で起き上がろうとしていた。マナの煉獄火炎の熱で頭が溶けてしまっているようなやつまで動いており、あまり意味を成していないのが見て取れた。


「まずそうだな」


「なんだか集まりだしてるし、合体でもするつもりなのかな?」


「合体するゾンビなんて聞いたことないけどね」


「合体するのはスライムだけでいいじゃろうに……」


「そう言っても仕方ねえ、だろうよ!」


 ジャンプして上から襲い掛かってくるゾンビ相手に『不死殺し』を乗せた『ダークネスボール』を放って頭を消し飛ばし、黄龍がサンダーで吹き飛ばす。みんなも直接倒すような攻撃ではなく、極力相手を遠くに飛ばすような攻撃をメインで使うようになった。キャラビーが純粋なパワー不足で押されるものの、ヒツギが鎖で対処してくれており、なんとか全員怪我はないようだ。


「みんな下がってくれ! 『不死殺し』『サンダーブレス』」


「ちちさま、それちょうだい!」


「え? おい!?」


 みんなが俺よりも後ろに下がったことを確認し、『サンダーブレス』を広範囲向けにばらまこうとすると、それを黄龍が手元に引き寄せた。そしてその電気球体上に集めると、龍の形に変えて飛ばす。


「ぴかぴかドラゴン、トルネード!」


 『不死殺し』の効果を持った雷の龍が、広場全体を渦を巻くように回りだす。ゾンビたちもその龍をかわそうと動きまわる。その動き自体は龍の動きよりも早いものの、広場自体がそもそも広くないのと、龍の範囲が広いためによけきれず、1体、また1体と龍に巻き込まれていく。


「がおー! なのだー!」


 正直、俺の攻撃を自分の攻撃に転用なんかできたのかと問いただしたい気分ではあるが、その攻撃のおかげで大量のゾンビを倒すことができたし良しとしよう。黄龍の操る雷の龍は、大量のゾンビたちをその身で焼き壊しながら、巨大な塊と化しつつあったゾンビに襲い掛かった。


「「ファァアアアア」」


「ふんぬー!」


 2体のリッチソルジャーがそれまでよりも大きな音を発した。それにより龍は軌道が多少ずれたものの、黄龍がさらに軌道修正することで塊を飲み込んだ。

 雷の龍が弾け、辺りに肉の焼ける嫌な臭いと、龍が壊しつくしたゾンビの肉片が飛び散った。『全方位結界』とマナの結界でかからないように防ぎつつ、キャラビーの視界はとりあえず覆っておいた。あまり子供に見せていいものじゃないしな。


 今の黄龍の攻撃のおかげでゾンビは残り6体になった。と言っても、その6体は最初の黄龍の攻撃で地面を這うだけしかできなくなっているし、実質2体のリッチソルジャーと女性だけだ。隙を見て『不死殺し』を乗せた攻撃で倒しておくつもりだけど、リッチソルジャーたちにずらされる可能性は高いだろうな。

 考えているうちに、女と2体のリッチソルジャーたちがすーっと下まで降りてきた。すぐにユウカがスピード重視の斬撃を放つも、2体が同時に魔法弾のようなものを放って相殺してきた。


「ちちさまー、魔力ないよー」


「かなり無茶苦茶な技だと思ったけど、やっぱかなり魔力くうのか?」


「うにゃー」


「戻ってていいぞ」


「むにゅー、魔力ちょっとちょうだい?」


「自分でとれるか?」


「だいじょうぶなのだ。いただきます」


 頭の上の黄龍にごっそりと魔力が持っていかれる。『再生』で回復はしていくが、これからボスと戦おうというこのタイミングでこれは少しつらいな。


「「ブァァアアア」」


 リッチソルジャーたちが発していた音が突然重低音に変わった。それに合わせて、地面を這っていた6体のゾンビが1点に集まり、1体のゾンビに変わった。







どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 有効職業

 聖???の勇者Lv16/?? ローグ Lv44/70

 重戦士 Lv53/70   剣闘士 Lv47/60

 神官  Lv38/50   龍人  Lv8/20

 精霊使いLv15/40   舞闘家 Lv27/70

 大鬼人 Lv10/40   上級獣人Lv5/30

 魔導士 Lv15/90

 非有効職業

 死龍人 Lv1/20   魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99   狙撃王 Lv1/90

 上級薬師Lv1/80 』

先週は投稿できずすいませんでした。平日に無理してたせいで体調崩してました。

今週はなんとか体調は崩しませんでした。無理はしてたけどね。

来週はどうなるのかなぁ…


ではまた次回

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