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『マツノキ』の依頼です3


 グリムさんが出ていってすぐ、職員さんも依頼書をもって出ていった。しかし、依頼書を複製してくるだけなので、それ程時間をかけずに戻ってきた。コピー機のような魔道具があるらしく、まったく同一の内容のものが2枚渡された。


「確認をお願いします」


「はい……一緒です。問題ありません」


「それでは、1枚は領主様へ届けさせていただきます」


「お願いします。とりあえずは帰らせていただきます。指名依頼を受けることになったわけですし、何からすべきか話さないと」


「そうじゃのう。わしのせいで受けることになってしまった以上、やれることを考えねば」


「ユウカのせいじゃないって。いろんな要因が重なり合った結果なんだから。むしろユウカが一人で受けることにならずによかった」


「あの、申し訳ありません」


「ギルドのせいでもないですよ。あの領主のせいです」


「そこまではっきりとおっしゃらなくても……」


「そもそも論で言うなら、俺たちはランクが足りてない。今回の依頼は、内容的には危険度不明なボス級と思われるモンスターの討伐、あるいはそれに匹敵するような対。これって、ランクAかそれ以上かと思えるんですが、そのあたりは大丈夫なんですか?」


「緊急の指名依頼であり、状況が状況ですので、特例で認められたものになります。一職員でしかない私から話していいものかという迷いもあるのですが、『マツノキ』の皆様の場合は冒険者ギルド総本部のギルドマスターや、当ギルドのギルドマスターにカラス様、領主様など、決定権を持っている上の方々からの評価が非常に高く、多少難しい内容であっても、皆様であれば大丈夫だと考えていらっしゃる節があるようです」


「マジで緊急とか関係なく断ってやろうか……」


「やめなよメイ。ともかく、作戦会議だね」


「あの、失礼します」


 帰ろうとしたところで、また別の職員さんが入ってきた。


「失礼させてもらうよ」


 その後ろから、さらに別の男性も入ってきた。職員とは違うが、冒険者という感じでもない。笑顔を作ってはいるが、どこか人を見下している感じがする。嫌な笑顔だ。


「こちらの方はどなたでしょうか? 関係者以外をギルドの奥に入れることは規則違反ですよ」


「先輩、こちらの方は関係者ですよ。パーティ『マツノキ』に対する指名依頼を出したいというので、お連れしました。依頼書もすでに受理してますので、こちらにお通しするのが正しいですよね」


「『マツノキ』の皆様は先ほど別の指名依頼を受けられたところですので、別の指名依頼を受け付けることはできません」


「依頼内容を聞いてからでも遅くはないのでは? こちらのカッシ様の依頼内容は即日対応というものではありませんので」


「それを判断するのは私達ではなく、冒険者側です。少なくとも、お話を聞くかどうか、意思を確認することなく依頼者をお連れするのは規則違反です。後日処罰がありますので」


「それはひどいんじゃないですか? 『マツノキ』の皆さんも依頼の話を聞くくらいならいいですよね?」


「嫌ですけど?」


「「えぇ!?」」


 即答で話を断ると、2人は大げさなくらいに驚いていた。


「帰っていいですよね?」


「はい」


 初めの職員さんに確認をとり、了承をもらったので女性陣を先に部屋からだ出す。それから、俺も軽く頭を下げて部屋から出ようとすると、男性職員が回り込み、自身の体で扉の前を塞いでしまった。


「ちょちょちょ、ちょっと待ってくださいよ! 指名依頼ですよ、指名依頼! グリムの町でも広く活動している、カッシ商会の会長様からの指名依頼を聞かないってんですか?」


「そもそも、『マツノキ(うち)』は指名依頼を受けるつもりはありませんから。受けることになったのは領主様からの緊急の指名依頼で、断れなかったからです。そういうことですので、そこをどいてくれます?」


「話だけでも聞いてくださいよ!」


「受けるつもりもない話をいくら聞いても時間の無駄です。その話は領主からの緊急指名依頼よりも大切な話なんですよね?」


「ええと……」


「世間的に考えればそちらの方が重要でしょうね。しかし、あなたにはどうでしょうか?」


 領主の威を借りて帰ろうとしていると、困り果てた男性職員を見かねたのか、依頼人の方が話に参加してきた。


「どういう意味で?」


「なに、最近はダンジョンが新たに見つかった影響で荒っぽい冒険者も増えていますからね。あなたのお仲間、きれいな方ばかりだから心配だなと思いましてね。あなたの住まいは町の外なんでしょう?」


「それで脅しているつもりですか?」


「脅しだなんてとんでもない! 私はただ、確認しただけですよ」


「……5分以内で終わるのなら話だけ聞きます。受けるつもりはないですが」


「よろしいでしょう。聞けばあなたも受けると言ってくれるかもしれませんしね」


「カッシ様、このようなことをされますと、冒険者ギルドとして、取引を考え直さなければならなくなります。そのことをご理解ください」


「何のことですかな? 私は、世間話をして、冒険者が話を聞いてくれるのを待っただけですよ」


「……冒険者の希望通り、5分のみのお話とさせていただきます」


「ええ。5分あれば十分です」


 俺はマナたちに先に帰っていてくれと伝えてもらい、席に着きなおした。


「5分しかありませんし、いきなりですが本題に入りましょう。私の依頼はこちらです」


「……フラム草の採集依頼?」


「ええ。こちらをあなたに依頼します」


「通常依頼で出せばすぐにでも持ってきてもらえますよ」


「ただの採集依頼ではなく、定期的に大量に納品してほしいのですよ。同じような品質のものをね」


「無理ですね。お断りします」


「……そうですか。仕方ありませんね。どこかにいい群生地でもあればいいのですがね。後日にダメ元で森に人をやってみましょうかね」


「ご自由にどうぞ。では、二度と関わることはないでしょうが、さようなら」


「あなたの屋敷が、モンスターや盗賊に襲われないといいですね」


 俺が席を立つと、すれ違い様に小声で話してきた。


「館を汚す連中(ゴミ)を片付け損ねるような従魔(マヌケ)ではないので」


 俺も依頼人に聞こえる程度の声量で言い返して部屋を出た。謝る職員さんを制して、アンナにさらなる苦労をかけてしまうことを申し訳ないと思いながら、俺も館に帰っていった。


どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 有効職業

 聖???の勇者Lv16/?? ローグ Lv44/70

 重戦士 Lv53/70   剣闘士 Lv47/60

 神官  Lv38/50   龍人  Lv8/20

 精霊使いLv15/40   舞闘家 Lv27/70

 大鬼人 Lv10/40   上級獣人Lv5/30

 魔導士 Lv15/90

 非有効職業

 死龍人 Lv1/20   魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99   狙撃王 Lv1/90

 上級薬師Lv1/80 』

まだ日付が変わっていないのでセーフです。

あとがきを書いているときはまだ16日ですから!

年末になり、酒を飲む機会がかなり増えてきました。

自分はあまりお酒は強くないので、飲んだ次の日はぐったりしてることも多いです。

来週は果たして書けるんでしょうか…


ではまた次回

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