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『マツノキ』の依頼です1

 『死の草原』の2層を攻略してから2日が経った。そもそもの予定通り、第二段階の攻略に挑んだ時は翌2日間は体を休めるために使っていた。さすがに何もしないわけにもいかないし、訓練だけは続けていたが、それも軽めのものにしていた。一部の従魔(ゼルセ)あたりは不満そうではあったが、明日以降の探索に支障をきたしてもいけないし、我慢してもらった。

 この2日の間に、ダンジョン探索で得たモンスターたちの解体も済ませた。量が量だけに丸々半日使ってしまったが、キャラビーとユウカの知識に基づいた金額予想を聞いていると、金貨50枚くらいにはなりそうとのことで、その労力に見合うだけの金額にはなりそうではあるし、かなり売りに行くのが楽しみだ。相変わらず俺が戦力外だったのは秘密だ。

 素材はキャラビーの魔法袋では入りきらなかったこともあり、俺のアイテムボックスに全部入れておいた。肉は半分だけ売ることで話がまとまったが、それでもかなり重量がある。ビッグレオが体の大きな個体だったのも影響したかな。


 また、次の探索をどうするかという話も済ませていた。

 結論的には3層には進むが、4層に進むのはもう少し先ということになった。1層から3層までがまだまだ探索していないところだらけということもあるが、一番の理由はキャラビーだった。

 ダンジョン内では基本的にみぃちゃんに乗って移動させたりと疲労の軽減も図っているが、罠の解除なんかは完全に任せてしまっているし、戦闘中に動きが鈍くなる様子がちらほらと見えていたのだ。本人は大丈夫だと言っているが、戦うことになる敵の1体1体が強くなればなるほど、敵が多くなればなるほど俺たち自身の戦闘に集中するために、周りへのフォローは遅れてしまう。それで怪我をしてしまうかもというのが嫌だという俺のわがままではある。ユウカやヒツギからは甘いと言われたが、少なくとも今のキャラビーではフォローなしというのは危ないと判断したからこそだ。別に急いで攻略しなければならないというわけでもないし、1層から3層までを探索しているうちに体力をつけてもらうつもりだ。その間に日輪の首飾りのようないい装備が出てくれればなおよしだ。


 2層まで攻略した時点で、隠し部屋のような場所や、宝箱は1つも見つからなかった。まったくないということは考えられないし、ちょうど他のパーティが回収してしまって宝箱が見つからなかった可能性はあるが、その痕跡すらないというのは気になるしな。

 第一段階にあたる『生の草原』では、見つかっている隠し部屋のパターンは全部で3つだ。大きめの木の中、円形に草が切り揃えられた空間、そしてポツンと出現する扉。どれも別の空間につながっているとのことで、それなりに広く、モンスターも入ってこないから安息所として使用できるそうだ。安心して休憩や夜営ができる場所を確保できればその分楽に探索できるだろう。



 みんなで朝ご飯を食べ、混んでいる時間を避けるために少し休んだ後、俺たちはギルドに向かった。

 ギルドに着くと、混んではいたものの、目論見通りピークは過ぎた後だったようで、それほど並ばずに順番が回ってきた。あまり並んでいるとユウカと一緒にいる俺たち、特に俺に絡んでくるやつがいるからな。しかし、俺自身が対応しなくてもいいことも多々あった。

 以前、ユウカが『マツノキ』に入ったその日に喧嘩を売ってきた巨人族の男がいた。自分の伝手の効くところには通達を出したという話をしていたが、どうもそれなりに効果があったらしく、絡もうと向かってくるやつが連れていかれるのを何度か見た。双剛拳って呼ばれているのは聞いたけど、よく考えてみれば名前すら知らない男だ。二つ名がついている時点でそれなりに有名な冒険者なんだとはわかったけど、今度ユウカに聞いておこう。


「おはようございます。依頼ですか? 買取ですか?」


「素材の買取を頼みます」


「……いつも結構量が多いと思うのですが、今日も?」


「まあ結構ありますね。2,30体分くらいは解体しましたから」


「ピークは越えてますがあまりここで時間がかかるのもよくはないですね……。別の職員が来ますので倉庫で直接お願いします」


「了解しました」


 俺たちは案内に従って奥の倉庫に向かった。



 前に巨大なフォレストベアを持ってきた倉庫にやってくると、こないだもいた職員さんを含む、数人の職員さんがいた。


「お待ちしておりました。今日はどんなモンスターの素材ですか? フォレストベア? オペラウルフ? それともレッドレオ?」


「当たらずも遠からずといった感じじゃの」


「さっそく出してもいいですか?」


「はい。量が多いということですので、またこちらにお願いします」


 俺は広げられた布の上に売る素材をモンスターの種類ごとに置いていく。


「こちらはビッグレオの素材ですか? てことは『死の草原』に……」


「まあそういうことじゃな。ビッグレオ、レッドレオ、オペラウルフ。どれも爪、牙、皮、肉の4つじゃ。他の部位は特に買取の対象になっておらんかったと記憶しとるが、どうかのう?」


「そうですね。実は、という話であればビッグレオは鬣も買い取っていますね。ただ、解体に際して完全に根元から抜いていただかないといけませんので、あまり浸透しておりません。特殊な道具を使わないといけませんしね」


「遺体ごと持ってこればそれも解体してもらえるのか?」


「ビッグレオをそもそも遺体ごと持ってこようと思う人はあまりいませんがね。解体の費用もかかりますから、これくらいしっかりと解体ができる方々であればそうした方が高く売れるでしょうね」


「特殊な道具が必要ならば仕方がないのう。マナ、魔法でなんとかならんか?」


「どんなのか見たこともないし、さすがに無理だと思うよ。その道具がどういう原理でどんな効果を及ぼすものなのかが分かれば考えられるかもしれないけど」


「そのような魔法ができたとすれば私たちもぜひ教えていただきたくはありますね。それはともかく、お待たせいたしました。査定が終了いたしました。いやー、皮も傷が少なく、牙等も丁寧ですので減額はありません。量も多いですし、第二段階のモンスターの素材をこれほど持ってきてくださるとギルドとしても助かります」


「戦闘が長引いて回りの群れに気づかれちゃいまして。厳しかった」


「なるほど……。私たちならば確実に死んでいるでしょうし、ついていけない世界ですね。えっと、こちらが買取金額の金貨75枚、銀貨90枚でございます。内訳は必要ですか?」


「ずいぶんと高いのう」


「第二段階の素材がそれだけ不足しているということですね。さすがに毎回この金額とはいかないでしょうが、少なくとも今回はビッグレオの素材を通常の倍額で買い取らせていただいております」


「得したってことかな?」


「本日売っていただいた素材も近日中にはなくなる予定ですよ」


「早!」


 そうやって職員さんと話していると、ギルドの方から別の職員が走ってきた。


「何事ですか? 受付が足りなくなったとか?」


「違います。よかった、まだいてくださいました」


「まだってことはわしかの?」


「ユウカ様もですが、『マツノキ』の皆様に緊急の指名依頼です。依頼者もまだいらっしゃいますのですぐに来ていただけますか?」


 職員さんは困ったような表情でそう話した。

どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 有効職業

 聖???の勇者Lv16/?? ローグ Lv44/70

 重戦士 Lv53/70   剣闘士 Lv47/60

 神官  Lv38/50   龍人  Lv8/20

 精霊使いLv15/40   舞闘家 Lv27/70

 大鬼人 Lv10/40   上級獣人Lv5/30

 魔導士 Lv15/90

 非有効職業

 死龍人 Lv1/20   魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99   狙撃王 Lv1/90

 上級薬師Lv1/80 』

当日はちょっと間に合いませんでしたが、

俺が勇者じゃ救えない!? の3巻が昨日、12月1日から発売しております!

今巻は1巻2巻よりも頑張りました!

『アントホーム』のダンジョンの奥、そしてそこを超えた先に現れた存在、黒虎とは何者なのか!?

気になる方はぜひ読んでみてください。


宣伝はこれくらいにしまして、誤字脱字報告機能が実装されましたね。この作品でも受け入れるようにしまして、さっそく報告をいただいております。本当にありがとうございます。

無駄に長い作品かつ、たくさんあるので無理のない範囲でよろしくお願いいたします。

後日、こういうのはこう直したい、的なものを活動報告にて一部まとめておきますので、参考にしていただけでば幸いです。え? 報告を待つんじゃなくて自分で直せ? ……ほんとにすいません。


ではまた次回。

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