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ギルドで見舞いです


 次の日の朝、風龍様は名残惜しそうにしながらもミラの町に帰っていった。行きとは違ってジョーさんたちを連れず一人旅だそうで、龍本来の姿に戻ってあっという間に見えなくなった。黄龍が目を輝かせてかっこいいと叫んだのがそんなに嬉しかったんですかね……。


 風龍様を見送ってすぐ、俺とユウカは鍛練のために昨日の広場に向かった。昨日のジョーさんとゴールドさんとの模擬戦を見ててこちらも猛っていたみたいで、ウォーミングアップの時点で剣に力がこもっていた。

 今日は休みだから本気の訓練も悪くないと思うけど、さらに暴れたそうなやつがいたからそいつに相手は譲った。よだれまでたらして喜んでたよ、ゼルセのやつ。まぁ昨日はずっと防御に徹していてストレスが溜まりまくっていたんだろう。その上で自分が肉を腹一杯食べて休んでいる間に俺はSランク2人と模擬戦。三度の飯も好きだけど、暴れるのも大好きなゼルセとしてはたまったものではないだろうし、ユウカとの試合は待ってましたという感じだろう。




「もう、無理し過ぎ! メイもゼルセにきちんと言い聞かせてよ?」


 ユウカとゼルセの試合が終わり、横抱きにユウカを抱えて急いで館に戻った俺は、朝食の準備をしていたマナから怒られていた。


「油断したわしが悪いだけじゃ。そう責め立てるでない」


「いやいや、完全に穴空いてたからね? 噛みつきは予想外だったかもしれないけど、この柔肌に傷が残るところだったんだよ!」


「まぁそうなったら責任をとってもらうだけじゃな。しかし、ゼルセもモンスターにはかわりないからのう。普通に戦う時に噛みつきは禁止というわけにもいかんじゃろ? まして普段相手にしとるときはわしがぼこぼこにしておるから、負けたくないと思ったんじゃろう」


「俺は自分の回復はできるけど他人の回復はできないからな……。マナがいてくれて助かった」


「貸し1つだからね。後で一緒のお風呂でチャラにしてあげる」


「一緒に風呂掃除か。わかった」


「もう!」


 そんなトラブルもありながら、俺たちは休日を満喫した。





 次の日、再び『死の草原』に挑みに行く前に冒険者ギルドに向かった。一昨日にあんなことがあり、昨日行き忘れたというのもあって、第一段階の方は依頼の期限が迫っていたのだ。


 冒険者ギルドにつくと、ちらほらと一昨日の話が聞こえてきた。第二段階のダンジョンで『バーニングバード』が壊滅的被害を受けたこと、ユウカがダンジョンから背負われて出てきたこと、町のすぐ近くでジョーさんが戦っていたことなど。やはりSランクが絡むようなことやSランクではなくても有名パーティが壊滅したなんて話ともなると、2日くらいならまだまだ話のネタにされるんだな。

 視線を大量に感じながら受付で第一段階の方の依頼の報告を済ますと、『バーニングバード』の4人が目を覚ましたと連絡があった。これから館の方に人を向かわせるところだったらしい。いいタイミングで来たみたいだな。

 俺たちは奥から来た職員さんに案内されて4人がいる部屋に向かった。




「お前らも来たのか。早かったな」


 俺たちが部屋につくと、ベッドに寝かされている4人と、その側に控えるような形でカラスさんとジョーさんがいた。案内してくれた職員さんは既に下がっており、この場にはいないが、別の職員さんが4人の体調を確認していた。狭くはないが、決して広いとは言えないこの部屋にはこれくらいの人数でちょうどいいのかもしれない。


「ちょうどギルドに来たところだったんですよ。依頼の報告で」


「そういうことか。てっきり気になって聞きに来たのかと思ったぜ」


「ダメージは大きそうでしたし、まだかと思ってたんですよ。明日なら来てたかもしれませんが」


「なるほどな。治療はできても、目を覚ますかどうかは別だし、いつ目覚めるかってのはほんとにそいつ次第だし、わからねえのも無理ないわな」


 いろいろとありすぎて『バーニングバード』のことを完全に忘れていたのが本音だが、さすがにそのまま伝えるわけにはいかないからとりあえずごまかしたが、右から感じるユウカの視線がつらい。俺が忘れてたの気づいてるんだろうなぁ。


「メイさん、あなたたちが助けてくださったと聞きました。こんな格好ですいませんが、本当にありがとうございました」


「「ありがとうございました」」


「そもそもはどうも『マツノキ』(うち)の客だったみたいだし、たまたま通りかかっただけだから。全員、とはいかなかったが、あんたらだけでも助かってよかったよ」


「3人の遺体は……」


「燃やしたのじゃ。アンデッドになる可能性もあったしの」


「ありがとう、ござい、ます」


 リーダーのハーツだけはぐっとこらえてなんとか言葉を紡ぎきったが、他の3人は言葉が出ずに涙を流していた。


「3人がやられたときはまだ全員意識があったんです。何もできずにやられていく仲間を、見て、何もできずに……」


 その時のことを思い出してしまったのか、ハーツも泣き出してしまった。拳を握りしめ、己の無力さを嘆くように彼はうずくまって泣いた。俺たちは何も言わずに、彼らが泣き止むまで待つことにした。



 それから5分と経たずにハーツは涙を耐えられるところまできたのか、自分の頬を両手でパンと叩き、こちらに向き直った。


「見苦しいところを見せました」


「仲間のために流す涙が見苦しいなんてことはない」


「そうですよ。胸を張っていいと思います」


「ありがとうございます。正式なお礼はまた後日させてもらいます」


「別にいいですよ。俺たちは礼が欲しくてやったわけじゃないし」


「そうもいきません。俺たちの命を助けてくれただけじゃなくて、あいつらの仇までとってくれたんですから。感謝してもしきれない」


「んー……どうしてもというのであれば、情報をくれないか?」


「情報?」


「これまで『バーニングバード』が得た知識を俺たちに譲ってほしい。モンスターについて、罠について、町について、ダンジョンについて、魔法について、スキルについて、技術について、冒険者(同業者)について。なんでも構わない。可能な限りの情報が欲しい」


「情報の有用性と必要さはわかっているつもりです。でも、それは礼になるのですか?」


「内容にもよるが、知識ってのは十分すぎる礼になると考えてるよ。紙か本か、なんでも構わないけど、まとめてくれると嬉しい。量だとか情報の質だとかはそっちで決めてくれ。今後、どうするのかはわからないけど、それでも、金はあるに越したことはないだろうし、無理のない範囲でな」


「……うちのため込んだ知識を可能な限りお伝えさせていただきます。定期的にまとめたものを館に届けさせます」


「届けさせる?」


「ええ。私たちは町を離れる予定ですから。ササの召喚鳥を飛ばします」


「なんじゃ、もうこれからのことを話し合っておったのか?」


「ええ。コロモリは『魔法学園』に、俺たち3人はジョーさんのところにお世話になります」


「うちとしてはB+ランクのメンバーが増えるのは大歓迎だし、今後闇ギルドを潰すのに戦力はいくらあっても足りないからな。すでにいくつかアジトに目をつけてはいるし、いくつかのギルドと連携をとって準備は進めているから、近いうちに動く予定だ」


「それに参加することを条件に、『ガルチア』への参加を許可いただきました」


「あまり復讐に囚われるでないぞ」


「わかっています。復讐と言っても、仇は既に討ってもらいましたし、むしろこの悲劇をうまないように、ですね」


「それならばよいのじゃ」


「それじゃあそろそろ失礼しよう。あんまり長くいても治療の邪魔になるだろうし」


「そうだな。それではお大事に」


 そうして、俺たちはギルドを後にした。




どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 有効職業

 聖???の勇者Lv16/?? ローグ Lv44/70

 重戦士 Lv53/70   剣闘士 Lv47/60

 神官  Lv38/50   龍人  Lv8/20

 精霊使いLv15/40   舞闘家 Lv27/70

 大鬼人 Lv10/40   上級獣人Lv5/30

 魔導士 Lv15/90

 非有効職業

 死龍人 Lv1/20   魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99   狙撃王 Lv1/90

 上級薬師Lv1/80 』

執筆の息抜きに執筆してたら1話分書きあがりましたので更新です。

ほぼ一か月空いてしまいました。すいません。社会人をなめていました…。

平日は残業等で書く時間がとれず、こちらの執筆は後回しにしていたとはいえ、ここまで遅くなるとは思いもしていませんでした。今のプロジェクトが終われば残業が減る…のかな?減ってほしいなぁ。

次回も遅くなるとは思います。


ではまた次回

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