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ジョーさんたちとの話です5

「いやー、まいった。完敗だな」


 俺の勝利で戦闘が終わり、気絶した2人にマナが回復魔法を使ってから20分が経つ頃には2人とも目を覚ましていた。


「俺もユウカとうちの情報筋から多少の話は聞いていたが、まさかここまでとは思わなんだ」


 マナに礼を言ったあと、俺とユウカを交互に見ながらジョーさんが話す。ユウカのどや顔は少しレアだな。


「あぁ……盾が……彼に怒られる……」


 一方で、ゴールドさんは目を覚まして、ひびの入った黄金の盾を見てからずっとこの調子だ。起きてすぐに謝った時は、「あの威力の攻撃でひびで済んでいるのだからまだましだ」なんて死んだ魚のような目で話していたのだが、この様子を見ると現実を受け入れるには時間がかかりそうだ。

 とりあえずゴールドさんは放置しておいて、俺たちは着替えのために森に向かったジョーさんが戻ってくるのを待った。




「なかなか戻ってこないな、ジョーさん」


「どこかで自分を落ち着かせておるのじゃろう。あやつも自分の実力には自信を持っておるからの。同じSランクのゴールドと一緒に戦って、先輩ともいえる自分がほとんど何もできずに負けたとなれば相当落ち込んでおるはずじゃ。わしの知る限りじゃと物にあたるようなことはせんからアンナが下手なことをするということもないじゃろう」


「まあさすがにアンナも何もしてこない相手に喧嘩売るような真似はしないさ。なんかあったらしいし、そっちで忙しいはず」


「ヒメちゃんは何も聞いてないの?」


「みたいだ。まあ連絡がないってことは問題ないってことだと思うし、アンナがやられるようなことはそうそうない。あいつがやばくなったらあちこちからアントが出てきてもおかしくないしな」


「かもしれんの。気づいたら種が増えておることもあるし」


「アンナ本人は把握してるから任せてる」


「ほんとアンナに丸投げだね」


「それだけ信頼してるってことだよ。まあかなり無理させてるって自覚はあるからいるものがあったらいつでも言うように言ってあるよ。ただ、アンナってヒメたちみたいに肉大好きっていうわけでもないからご褒美に困るんだよなぁ……」


「前にそれとなく話したことがありますが、ヒメちゃんの幸せが自分の幸せって言い切っていました」


「そっかー……でもヒメにお肉を多めにあげるのは嫌だなぁ」


 キャラビーからの報告に苦笑いしながらボソッと言葉をもらすと、頭の中で「かうかう!」と謎の言葉が響いたが堂々と無視しておいた。なんでもありかこいつは。


 そんなことをしながら待っていると、戦闘前の格好に戻ったジョーさんがやってきた。その手にはさっき見た小瓶が握られている。


「すまんな、ちょっとケンポーギを確認するつもりが時間がかかっちまった。ほれ、約束の品だ」


 近くまでやってきたジョーさんが俺に向けて小瓶を下から放る。


「どうも!」


 俺は飛んできたそれを半身になりながら両手で受け取り、流れるようにそれを誰もいない方向に天高く投げ上げた。


「『ブレス』『火炎壁』」


 空高く飛んだ小瓶を『ブレス』で破壊し、万が一にもかからないように『火炎壁』で壁を作り、破片や飛沫を燃やし尽くした。


「「「あー!」」」


「悪はほろんだ」


「あははははははは」


「きれーなのだ!」


「きれいに弾けましたね」


「うわーお、そうきたか」


 『火炎壁』を見ながら満足気にうなずく俺、もったいないと顔に出まくってるマナヒツギキャラビー、大爆笑するユウカ、目を輝かせる黄龍に、黄龍に同意する風龍様、ヒューと口笛を吹いて笑うジョーさんと、三者三様どころじゃない状態になっていた。でもユウカは笑いすぎ。


「ちょっとちょっと! 何やってるの!?」


「いやー、急に昔を思い出して野球がしたくなってさ。ほら、中継プレーってやつ?」


「メイずっと私と一緒に帰宅部だったじゃん! 野球なんてやってないじゃん!」


「血は争えないんだ……」


「パパもママもスポーツなんてやってなかったよね。ついでに私も」


「野球とはなんですか?」


 うまく伝わらずにコテンと首を傾けていたキャラビーの頭をなでてごまかしながら、俺はジョーさんに手を差し出した。


「ちょうどいい的になりました。ありがとうございます」


「もらったもんをその場で魔法の的にするやつは初めて見たぜ」


 ジョーさんは視線をまだ爆笑してるユウカにちらっと向けながらも、笑いながら俺の手を取った。


「しかし、まだ笑ってるユウカからお前さんは絶対逃げるって聞いていたが、まさかその場で燃やすとはな」


「ユウカそんなこと言ってたんですか?」


「ヘタレだから絶対に逃げるってな。この結果はさすがに想定外だったようだが」


「じゃなきゃあそこまで笑ってないですよね……。いつまで笑ってんだか」


「ま、ほっときゃそのうち止まるさ。しかし、結果的にだが勝者への報酬がなくなっちまったな」


「すいません。つい」


「そこで言い訳をしないのがすがすがしいよ。……そうだな、そういえば戦闘中に拳を魔法で強化してたな。あれは独学か?」


「独学というか……『ダークナックル』って魔法は知ってます?」


「ああ。闇属性の魔力を拳状にして相手に飛ばす魔法だろ。属性こそ風だが、同じような魔法を使うやつがうちのパーティにもいる」


「わかるなら話は早いですね。それの応用です。近接戦闘となるとどうしても威力不足を感じまして。底上げの方法はいくつか用意してますが、隙が大きいものもありますし、闇魔法は自信があったので調整してまとわせるようにしたんです」


「なるほど。魔力を放出させずに体の一部にとどめておくのは結構難しいからな。ナックル系の魔法なら形態維持はしやすそうだ。参考にさせてもらうわ。それの礼ってことでなんか質問があれば答えるぜ」


「質問ですか……」


「まあ急にそんなことを言われてもなんもないか」


「ジョーさんは誰かに戦い方を教わったんですか?」


「俺か? 俺は師匠の元に3年くらいいたかな。寿命でぽっくりといっちまったけど」


「なんだか思い出させてしまったようですいません」


「別に構わねえよ。師匠も俺と会った時にはすでに100を超えてたからな。人族でそこまで生きれば十分だろ。弟子と息子と孫に囲まれて逝ったんだから」


「こんな世の中でそこまで生きれば幸せじゃろう」


「もういいのか?」


「むしろ笑い疲れたのじゃ。早く館に戻りたいのう」


「お前な……」


「かっかっか。ヘタレなお主が悪いのじゃ。ゴールドもそろそろ正気に戻ったようじゃしの」


 ユウカが視線を向けた先ではゴールドさんが風龍様と話していた。表情も戻っているようだし、まあよかったのかな。


 その後、ジョーさんとゴールドさんは町に戻っていった。ゴールドさんはともかく、ジョーさんはしばらくこの町に残ってダンジョンに挑むそうだし、またどこかで会うだろう。

 2人を見送った俺たちは、そのまま館に戻ることにした。






どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 有効職業

 聖???の勇者Lv16/?? ローグ Lv44/70

 重戦士 Lv53/70   剣闘士 Lv47/60

 神官  Lv38/50   龍人  Lv8/20

 精霊使いLv15/40   舞闘家 Lv27/70

 大鬼人 Lv10/40   上級獣人Lv5/30

 魔導士 Lv15/90

 非有効職業

 死龍人 Lv1/20   魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99   狙撃王 Lv1/90

 上級薬師Lv1/80 』

今週も遅れてしまいすいません。ほかの作業もあったので昨日だけでは書ききれませんでした。

ちょっと作業を優先したいので次も遅れるかもです。

まあ次のネタは決まってるのでペース次第ですね。


ではまた次回

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