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マナの話です

メンテナンスで遅れました…

3日に1話でいこうと思ってたのに…


 話は俺からマナへと移った。


「まずは大前提としてこの世界には人権なんてあってないようなものってことを覚えといて」


「どういうことだ?」


「あーそれはかわってなかったかー」


「ヒツギの言葉通りなら900年前もそうだったってことかな。この世界では奴隷や殺しがまかり通っているの。さすがに殺しはばれたら処分があるけどそれで処罰されるのは一部の人なんだ」


「衛兵が見回りとかしててもか?」


「そう。貴族とかがやった事件はほとんどがなかったことになるし、貴族とつながりのある人たちのものもそう。裏で取引してるって。まああくまで聞いた話だからここはあんまり鵜呑みにしないでね。奴隷は主に犯罪者や身売り、それから他の人種が奴隷商人に売られてることが多いよ。私も道端で奴隷を売ってる人を見てほかの店の人に聞いたからたぶん間違いはないと思う」


「奴隷ってそんな頻繁に買うやつがいるもんなのか?」


「男の奴隷は貴族とかが自分の子供に経験を積ませるために、奴隷を壁にして攻撃を受けさせて後ろからモンスターを攻撃するために買ったりしてくらしいよ。魔法で奴隷ごと吹き飛ばすような貴族もいるらしいし。女の人はそれこそ慰み者か、飲食店の従業員が多いらしいね。従業員になれたらそこそこ幸せなんだって」


「まあ衣食住はなんとかなるしお給料とかも出るからな」


「給料は買った人次第だけどね。もっとも、幸運な奴隷は一般の人が、老人の介護のためだとか、妻か夫を亡くしてつらいけど再婚はしないからせめて奴隷をっていうためだとか、あとは子宝に恵まれなくて子供がほしい人とかに買われていくらしいよ。あとは冒険者にパーティ要員として買われた場合とか」


「パーティ要員以外であるのか?」


「それこそさっき言ってた壁だよ。昔は戦争のために売られていく奴隷も多かったな……」


「そうか……。奴隷の話はこれくらいで。買うかわからんしな」


「買う可能性はあるの?」


「ヒツギに会ったことでむこうに戻れる可能性がかなり薄くなったんだよ。それでもあきらめてるわけじゃないけど、900年前に召喚されたヒツギがいるのに帰す技術がないんだ。それにヒツギはたぶんだけど初めて召喚された人じゃない。過去には何人もいるはずだ。つまるところ1000年以上前から召喚する技術はあっても帰す技術はなかったわけだ。しかも研究もされているか微妙……いやたぶんされてないと思う。今後もそれが見つかるとは思わない。そうなってくるとこっちで暮らすことも考えないとなって思ってな」


 もちろん帰れるならそれが一番だが、今の俺らが帰って大丈夫なのか疑問が残る。マナは魔法メインらしいから使わなきゃ……向こうでも使えるのかな……? わかんないけどとにかく使わなきゃ大丈夫。ヒツギは棺桶さえ隠せば平気。でも俺の身体能力もう異常だからな。下手に威圧なんか使ってしまったらまずいし他にもいろいろまずいのがある。なにかあったら最悪研究所で実験動物(モルモット)決定だ。そんなのは全力で拒否させてもらう。


「そんな感じで、こっちで暮らすことも考えてるわけよ。ってなると郷に入っては郷に従えってな」


「それでも全員が買うわけじゃないから買わないって選択肢もあるはずだけど……そっかーメイはそんなに女の子の奴隷を買いたいんだねー」


 あれ? いつの間にか奴隷の前に『女の子の』って言葉が付け足されてないか?


「別に女じゃなくても」


「男同士なんてダメだよメイ!」


「待てマナ。俺にそんな趣味はない」


「これは私たちが女の良さを教えてあげないとねー」


「ヒツギ、まじで怖い。お前に何があった」


 ヒツギはゆらゆらと揺れながら近づいてくる。まじめにこえぇ!


「すいません! 放っていた斥候がかえ……って……」


 そんなとき、唐突に扉が開かれた。さっき詰所にいた衛兵だ。助かった!


「…………お取込み中失礼しました」


「ちょっと待てぇえええええええええええ!!」


 苦笑いを浮かべながら、邪魔してすいませんでしたとばかりに部屋から出ていこうとする衛兵を必死になって止める。すごいビクゥ! ってなってたけど今立ち去られたらまずい。ヒツギが怖いんだもの!

 俺の声でなんとか踏みとどまってくれた衛兵さんは深呼吸をしてからしっかりとした顔つきになって告げた。

 ちなみにヒツギはいつも通りに戻っていた。さすがにただならぬ感じだと察したのだろう。


「あ、改めまして、出していた斥候が帰ってきました。そこで情報源であるあなた方にも聞いていただきたい話があるのです」


「わかりました。とゆーわけだから二人とも行くぞ」


 この世界ではどうなのか知らないけど情報源ってだけで、外の人間にわざわざ斥候の持ち帰った情報を伝えるなんて普通はしないと思う。あくまでも俺の考えだけど、そもそも斥候がもたらす情報なんてここを攻めてこようとする敵についての情報か、こちらが今から攻めようとしている場所に関する情報かのどちらかだ。

 『情報を制する者は戦を制する』という言葉ができるくらい情報というのは大事なものだ。敵は何人で、何時に、どの方角から、どれくらいの装備をして、どんな作戦で攻めてくるのかがわかれば対処はいくらでもできる。逆に言えばそれを知られなければ対処の仕様がない。今日初めて会った人間に伝えるのは何かあったとしか考えられない。

 俺たちは衛兵の後について、詰所へ急いだ。



 詰所についた俺たちは入って間もなく奥の部屋へと向かった。


「ヘレン隊長! お三方をお連れしました!」


「夜遅くご苦労だったな。下がっていいぞ」


「はっ!」


 衛兵さんは背筋をピシッとして敬礼すると詰所から出ていった。

 これで詰所にいるのはヘレンさんと斥候に出ていたと思われる軽装備で動きやすそうな格好をしたレン部隊の8人組、それから、それぞれ腕に紋章をつけた、おそらく部隊長クラスの人が6人、それから俺たちの3人で合計18人。そのうち、レン部隊の隊長を除いた17名が一つの机を囲むようにして座っている。ちなみにヘレンさんが1人。対面に俺たち三人、左右に部隊長とレン部隊がそれぞれ分かれて座っている。立ってる人はヘレンさんのすぐそばだ。大きな紙を手にしている。


「さて、早速だが話を始めるぞ。お前ら、そこの3人は何者かと聞きたいところだろうが俺からの説明だけで終わりにしてくれ。あんまり長引かせたくねえんだ」


「大丈夫すよ隊長。その辺はわきまえてまさぁ」


「ですね。私たちを全員集めてやる会議なんてただ事じゃない証です」


「前のやった時は反乱軍の鎮圧だったな。隣町の……」


「なんで私たちが隣町のことまでやらなあかんのやろか……」


 なんかみなさんかなり苦労してる様子だ。


「それはあいつらに直接言ってやれ。とにかく話を戻すぞ。この3人がそもそもの情報源だ。それをもとに一応斥候を放ってみたら……最悪な事態だったよ。まじで情報をくれて助かった。あの場でこいつらに行かせてなけりゃ手遅れになるところだった」


「それで、何がいたんですか?」


 俺たちを代表するように『1』と書かれた腕章の人が尋ねた。


「そのことはレン、お前から説明してくれ」


「わかりました。まずはこちらを見てください」


 そういってレンさんは部下に手伝ってもらいながら壁に持っていた紙を貼りだした。

どうも前回も結局誤字をだしてしまったコクトーです…


『刈谷鳴』

 職業

『冒険者 Lv40

 格闘家 Lv40

 狙撃手 Lv32

 盗賊  Lv30

 剣士  Lv28

 武闘家 Lv23

 戦士  Lv23

 魔法使いLv28

 薬剤師 Lv30

 鬼人  Lv5

 ????の勇者Lv7

 狙撃主 Lv1

 獣人  Lv1 』


もう誤字がないのはあきらめたほうがいいのかな…(遠い目)

見つけ次第(言われ次第)訂正していきます

追いつかないくらいあるので何度も指摘されるかもしれません


ではまた次回

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