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ギルドマスターです


 静かな1階にギルドマスターが降りてきた。

 彼はけっこういい服に身を包んでおり、一目でなんかの幹部クラスだろうなという想像ができる。


「会議を開きたいといってきた冒険者はどいつだ?」


「私です」


 マナが手を挙げて名乗り出る。


「俺は忙しいんだ。会議を開く余裕はない」


「この街に魔物が攻めてくる可能性があるんですよ?」


「知らん。俺の仕事じゃないからな。そういうのは全て衛兵の仕事のはずだ。俺は関わる必要がない」


「そんなことを言ってる場合ですか! ギルドはギルドで何か対応するべきです! それにギルドには町に脅威が迫っているときに一定以上のランクの冒険者を率いて戦わなければいけない決まりがあるはずです!」


「ならお前らがやれ。ギルドマスターとして命じる」


 すげー横暴だなこいつ。何様のつもり……ああギルドマスターか。


「なんですかそれは!」


 ギルドマスターは何も言わずに2階に帰っていく。俺もヒツギもぽかんとしてる。


「ああもう、何なのよ! メイ、ヒツギ衛兵の詰所に行くわよ!」


「「は、はい!」」


 つい敬語になってしまった。

 それから俺たちは衛兵の詰所に向かった。




「なるほどな……やっぱあの野郎は何もしねーのか。こっちで斥候を出すしかないな。ヘレン部隊、お前ら2人1組で東西南北の森の奥見てきてくれねえか?」


 俺たちが衛兵の詰所に行って事情を説明したところ、この街の衛兵の団長をしているヘレンさんが即行で対応してくれた。なにこの違い。


「あ、あのー」


「どうした?」


「こういっちゃなんですけど、俺たちみたいなのの情報だけで動いていいんですか?」


「そりゃ問題ねえよ。こっちだって情報もらって助かってんだ。あの野郎は全く動かないからな。俺たちがやるしかない。少しの不安要素も残しちゃいけねえんだ。俺たちが守らねえと住民が死ぬ。領主もギルド側も何も対策なんかしないし、それどころか一番に隠れるような連中だ。他のところに情報も回さないし余計に厄介なんだよ」


「上から何か言われたりとかないの?」


「嬢ちゃんよ、そりゃありえねえな」


「なんで?」


「あの野郎は領主の息子だからな。なんも言われねえんだよ。親子そろってバカだからな。あ、これ内緒な」


 自分の身内にギルドのことまかせてんのか。それって大丈夫なわけ?


「その顔はそれで大丈夫なのか? って顔だな。あいつ自身はランクA-なんだよ。まあ金に物言わせていい武器やいい防具買いあさって装備の力とコネで上がってったようなやつだけどな。実力はランクDも危うい。ランクEのころには伝説級(レジェンド)の武器を無理矢理冒険者から奪って使ってやがったな。無理矢理ありもしない罪を着せて没収したんだよ。つか大丈夫じゃねえから衛兵が駆けずり回ってんだ。その辺は察してくれ」


 あぁヘレンさんの言葉で全員が遠い目を……。


「しかもあの野郎気に入った冒険者のことはえらく差別してなんでも思い通りになるようにしようとするからな。それでいて大手ギルドへの媚売りも忘れないときた。話になんねえ」


 愚痴り始めたヘレンさん。周りの人はいつものが始まったといった感じで部屋から出てく。なにそれ、俺たちも出たい。


「だいたい、なんでもかんでも俺のとこもってくるんじゃねえよ。ギルドの中でのいざこざとかお前が対処しろよ……。さすがにギルドの外だったら別だけど中のことまで衛兵に対応させるなよ。それにあいつらも捕まえてたと思ったら連行中にでも領主から釈放しろって連絡がくるし。釈放したらすぐにまた問題起こすし……。問題のことやつらのギルドに伝えたら即脱退だろうに。ほかにも…………」


 それから20分近く愚痴は続いた。苦労してるんだな……。









 その日の夜、俺たちは詰め所の側にあった、『ねこねこ亭』という宿に泊まることにした。


「いらっしゃいませ~」


「ねこねこ亭へようこそにゃ」


 猫耳尻尾の女性が2人でてきた。


「ここは猫獣人の人の経営する宿なんだね。名前の通り」


「そうだにゃ。私たちの家族4人でやってる小さい宿だけどにゃ。ちなみに私は姉のマーニャ」


「妹のミーニャでーす。お姉とは語尾と背丈で判断してね♪」


 ヒツギとマナは普通に接してるが俺はすごい驚いている。獣人なんか初めて見た。

 後から説明してもらった話だけど、この世界には二人が知ってるだけでも多くの人種がいる。人間に獣人、エルフやドワーフ、それから竜人に魚人、ほかにもたくさんいるらしい。

 エルフは基本的に森の中に住み、狩りによって生活している種族だ。魔力が多いものが多く、長寿のものも多く平均寿命は軽く200を超えるらしい。ちなみに人間は60くらいなんだとさ。

 ドワーフは力がとても強い、小柄で毛深い人種。武器や防具などの鍛冶に秀でており、10人いたら9人は確実に鍛冶職に就くような種族だとうわさされている。でもそれはさすがにないだろ。

 竜人や魚人はその血にそれぞれドラゴンと魚類系モンスターの血の混じった人種だ。どちらも数は他の種族に比べると少ないが個体の力は相当強い。竜人には龍人(ドラゴニュート)と言われるエリートもいるらしい。魚人に関して言ってしまうと人間に少し毛が生えた程度の強さしかないらしい。ただし陸上ではという条件が付くが。


「3人なんだけど泊まれる?」


「大丈夫にゃ。部屋割りはどうするにゃ?」


「そりゃ2人と1人にきまって「3人部屋で」……マナ?」


「3人部屋でお願いします。ベッドは1つでも2つでもいいです。むしろ1つがいいです」


 マナとヒツギがまくしたてる。マーニャさん困ってんぞ。


「いや二人とも何言って――」


「わかりました~。それではお部屋はこちらになります~」


 困っていたマ-ニャさんに代わりミーニャさんが対応しだす。


「お、おい」


「さーて、しっかり聞かせてもらうからねメイ」


「今夜はネカサナイゾ♪」


「いやヒツギがそれやると、なんか……」






 そして気づいたら俺は部屋で寝ていた。


「あれ? ここは?」


「あ、起きたねメイ。さ、話を聞かせてもらうよ。ヒツギに会ってからのことはもう聞いたからその前のことね」


「私もそこは知らないからね。それ聞いたらマナにこの世界のことでマナが知ってること教えてもらうから」


「なあ、俺なんでここで寝てたんだ?」


「ナニモナカッタヨ?」


「ソウソウ。ナニモナカッタ」


 二人は俺の目を見ないで話す。何かあったのは確かだな。でもなぜだろうか、聞こうとすると頭の中の何かが全力で拒否し始める……。


「まあいいや。俺としては先にこの世界のこと聞きたいんだけど」


「先にメイのこと聞いておかないと後が困るじゃん」


「後って?」


「そりゃあ……ね、ヒツギ」


「そうだよね、マナ」


 俺の知らない間に何かの約束でもしていたらしい。


「まあいいけど特に面白いこともないぞ?」


「それでもメイの話は聞いておかなきゃダメなの。ヒツギから聞いたけどかなりランク高いモンスターも倒してたんでしょ?」


「あープラチナコングのことか? 魔法撃ったらあんま効かなかったから近づいて『鬼の一撃』くらわせたら倒せた」


「なにそれ。そんな簡単に倒せたの?」


「いや、けっこう苦戦したよ。危なかったもの」


「そうはいってもなんかあっさりしてるよね」


「そりゃそのあとで白虎とやってるからな。プラチナコングなんか軽く感じたよ」


 白虎戦では何度も死にかけたからな。ほんと長いこと白虎が何も食べてなかったおかげだったな。


「そういえばなんで谷に落ちたはずなのにダンジョンにいたの? まさか誰かがそこに運んだとか?」


「いや、あんとき騎士のおっさんに突き落とされた後、スライムと悪魔を喰ってな。それから谷底を歩いてたら」


「ごめんメイ、何か聞き捨てならないことがあったんだけど……」


「ん? 悪魔喰ったってことか? いろいろ能力手に入ったし今思えばラッキーだったぞ。あの時の痛みは忘れようもないけど……」


「いや、それより前。突き落とされたって言ってなかった?」


「言ったけど?」


「誰に?」


「あんとき俺のすぐそばにいた騎士のおっさん。あの野郎かろうじて片手だけ橋をつかめたのにそれを解いたんだよ。国のためには俺はいらないんだとさ」


「……今すぐ王都燃やし尽くそう……」


「私も手伝うよマナ。証拠の隠滅は任せて」


「二人とも落ち着け。なに物騒なこと言ってんだ」


「でも!」


「その件でたぶん騎士たちは俺が死んだと思ってる。その辺どうだマナ?」


「……うん。たしかにそうだよ。勇者は2人とか言ってたもん」


「間違いなく俺はそこにいないな。俺は自由になったわけだ」


「私は知らないんだけど、3人呼ばれてるんだよね? マナはもう一人といなくていいの? 王様とかがなんか言ってきそうだけど」


「言われたけどすぐに勝手に出たから」


「それってばれてるよな?」


「たぶんね。でも追手とか来てないし今のところは大丈夫だと思う」


「そんなもんか?」


「まあたとえ来たとしても逃げちゃおうよ。来るとしたらたぶんもう一人の奴とそのパーティだと思うし」


「パーティってことはあいつ誰かと一緒に行動してんのか?」


「王様が王都の中でも選りすぐりのメンバーみたいなこと言ってたからね。それなりには強い人だと思うけどたぶん今のメイほどじゃない」


「それなら逃げられるか。かなり疲れるけど小規模ワープを連続で使いまくるのも一つの手かな。それなら逃げきれると思う」


「戦うって選択肢はないの? 私としてはありなんだけど」


「倒してもし指名手配とかになったらたまらないからな。俺の話はこれくらいにしてマナ、この世界のこととマナがこれまでどうしてたか教えてくれよ」


「うーん、まだ聞き足りないけどいいかな……」


 そして話は俺からマナに移った。



どうもコクトーです


『刈谷鳴』

 職業

『冒険者 Lv40

 格闘家 Lv40

 狙撃手 Lv32

 盗賊  Lv30

 剣士  Lv28

 武闘家 Lv23

 戦士  Lv23

 魔法使いLv28

 薬剤師 Lv30

 鬼人  Lv5

 ????の勇者Lv7

 狙撃主 Lv1

 獣人  Lv1 』


今回こそは誤字ないはず!!!


だといいな…



ではまた次回

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 国が腐ってるから向かってくる奴ら殺して、まともな王族を即位させちゃわないと、こう言ったのは思い切りが大事よ
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