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明の森ボス後です2



 ユウカと話していると、すぐに俺の順番になった。『明の森』を基準にしてるとすごい早く感じるな。


「それじゃあ頑張っての」


「ああ。ゼルセ、コルク、カルア」


 俺の背後にゼルセとコルク、そしてゼルセの頭の上にカルアが召喚された。後ろの方で並んでいた人たちから「ひっ」と短い悲鳴が聞こえたが無視だ。


「コルク、カルア、取り巻きの相手を頼む。ゼルセ、俺が影の対処をするから本体やっていいぞ」


「ゲヒッ」


「くわー?」


「主よ、カルアが食べていいかと聞いているぞ」


「あー……ゼルセが倒したらその場で消えちゃうからゼルセがボスを倒すより先に取り巻き全滅できたらいいぞ」


「くわー!」


「やる気満々だな。行くぞ」


 俺はボスエリアに足を踏み入れた。

 次々と現れるモンスターたちを『鑑定』して調べる。ボスは今回はレオウルフキング。取り巻きはレオウルフが8体、トライホーンウルフが4体、他にも『生の草原』で出る種類のウルフが5体いる。影が出る前にゼルセが仕留めてしまうんじゃないか?


「ガルゥゥウウアア!」


 その心配は不要だった。レオウルフキングは初手で影分身を使ってきた。前にも見たように影が地面からはがれてレオウルフキングの形となる。まずは引きはがすか。


「ガァアア!」


 すでに取り巻きの殲滅に動き出していた2体とは別にゼルセがレオウルフキングに突っ込んで行った。レオウルフキングと影が左右に分かれて駆け出した。俺は『小規模ワープ』で影の方に行き、『鬼の一撃・付与』で威力を上げて本体から剥がすように蹴り飛ばす。脚が胴にめり込む感触があるが、影だからか骨を折るような感覚はない。蹴られた影も対してダメージが無いようであっさりと着地していた。


「『ダークチェーン』」


 ゼルセがレオウルフキングに殴り掛かるのを背後で感じながら影の体を縛り付ける。動こうとしても動けない影は頭だけを動かして何度も鎖を噛むが俺の『ダークチェーン』はその程度でちぎれるような強度じゃない。そのまま鎖を引き寄せてもよかったのだが、ゼルセがレオウルフキングをジャイアントスイングばりに振り回し始めたので避難もかねて俺の方から向かって行く。ゼルセよ、尻尾は取っ手じゃないんだぞ?


「『スピードエンチャント』『獣拳』」


 『空蹴り』で影に近づき、腕を影の胴に突き出した。そして手をその胴に突っ込んだところで『火炎壁』を使う。影だから声が出ないが、内側から炎で焼かれ、悲鳴をあげるように口を開く。その上から『黒槍の雨』で槍を降らした。体を貫いて地面に落ちる槍によって影は形を保てずに地面に溶けて消えた。

 周りを見渡すと、カルアとコルクがそれぞれレオウルフを仕留めていた。それぞれ闇魔法と風魔法で種類は違うが、首をはねて仕留めるのは変わらないようだ。一方でゼルセは散々振り回していたレオウルフキングの体を足で抑えて頭をつかんでいた。まさか。


「ガァ!」


 ゼルセが掛け声とともにその頭を横に向けた。ボキッと音が響いてレオウルフキングの動きが止まる。力なくだらりと垂れる4本の足が倒したことを証明していた。


「くわー!」


 レオウルフキングの死体が消えるのに合わせて取り巻きの死体も消え、最後に仕留めたレオウルフにかぶりつこうとしていたカルアから非難の声が上がった。コルクも何も言っていないがどこか悲しそうだ。


「ゲヒ?」


「くわー! くわくわー!」


「あーお前ら喧嘩するな。お肉なら後でやるから。ゼルセとカルアは順番待ちの時でいいが……コルクは悪いが帰ってからな。種族とかは変異種とか言ってなんとかごまかせるかもしれないがしゃべれるところはあんまり知られない方がいい気がする」


「しゃべらなければよいだけと言えばそこまでな気もするが、ユウカ殿が言い出さないとも限らないのですね?」


「ユウカはお前がしゃべれることを知ってるからな。暴れたりなかったら明日の朝訓練で思い切りやればいいだろ」


「了解した」


「くわー」


 一旦3体とも帰還させ、現れた宝箱の中身を『鑑定』した。


『無限鰹節:魔力を込めることで10時間かけて削った分が再生する鰹節』


 以前手に入れた無限豚骨と同じような物か。もしかして『明の森』と『貴の山』だと他の無限なんとかがあったりするのかな? 出汁つながりで無限昆布とか。


 無限鰹節をアイテムボックスにしまい、ダンジョンコアのある部屋に向かうと、すぐに転移陣で50層の入口に転移した。前回のように直接ボスエリアから出ようかとも思ったが、みんなそうはしていないし俺もそれに倣った形だ。

 戻って来た時、ボスエリアではユウカが挑んでいた。ボスと影の連携攻撃をかわしながら取り巻きのウルフたちを仕留めて回っている。ユウカなら取り巻きを無視してさっさとボスを仕留めることもできそうだけど、わざわざそれをしてないってことは何らかの条件を自分に課しているのかもしれないな。


 列に並びながらゼルセとカルアを召喚した。またも軽く悲鳴が上がるが、気にせずに2体の前に皿を置いてアースドラゴンの肉を出す。毎日のように使う肉ではあるが、まだまだ余裕がある。従魔たちも結構気に入っているようで、ハニーベアの肉ほどではないが、食いつきがいい。

 体の大きさに合わせて量を出してあるが、お肉大好きな2体だということもあり、カルアは3回、ゼルセは5回追加する羽目になった。ボス戦を終えたユウカが戻ってきてその様子を見て笑っていたが、こっちとしては笑い事じゃないんだよなぁ……。


 カルアを帰還させた後も肉を食べ続け、ゼルセが食べ終わったのは俺の1つ前のパーティがボスエリアに入って行くのと同時だった。あと2回とも暴れさせてやる予定だったけど、暴れ終えたことでまた肉を要求されても困るし、次の戦闘で取り巻き食べ放題ってことにして最後の1回は俺だけでやろう。


 ゼルセが食べていた皿を片付け、ゼルセに次の戦闘で取り巻き食べ放題を伝えたところ、自分の大剣を取り出して今か今かとボスエリアで戦闘中のパーティを見つめていた。俺もステュラを取り出して、様子を見ながら軽く体を動かして待つことにしたが、どうにも戦闘中のパーティの動きがよろしくない。ツインホーンウルフのような比較的下位種のモンスターの攻撃を受けてしまったり、前衛の戦士の剣の振りが遅いようにも見える。後衛の魔法使いの使う魔法もスピードや威力が物足りない。俺より後ろに並ぶ他の冒険者たちも若干ざわつく声が聞こえてくる。それでもボスエリアで戦闘が行われている以上、俺たちにできることは何もなかった。



 結局、後衛の魔法使いと弓使いの2人が大怪我を負ったようだが、死人は出ずに戦闘を終えていた。他の動けるメンバーが2人を担いでこちらまでやってきて、居合わせたパーティの神官が回復させたからなんとかなったものの、危ないところだったな。挑む前に他の人たちとともに話を聞いたら、彼らは無理をして2戦目に挑んだらしい。無理はするなと言われていたそうだが、自分たちの疲労度合いを測り損ねたとのこと。猛省しているようだし彼らはもう同じミスはしないと思う。


 彼らが外に転移していくのを見て、俺はゼルセとボスエリアに足を踏み入れた。

 

どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50) 盗賊(50) 剣士(50) 戦士(50) 魔法使い(50) 鬼人(20) 武闘家(60) 冒険者(99) 狙撃主(70) 獣人(20) 狂人(50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 有効職業

 聖???の勇者Lv15/?? ローグ Lv42/70 重戦士Lv45/70 剣闘士Lv41/60 神官Lv30/50 龍人Lv5/20 精霊使いLv10/40  舞闘家Lv12/70 大鬼人Lv5/40 上級獣人Lv3/30 魔導士Lv1/90

 非有効職業

 死龍人 Lv1/20 魔人Lv1/20 探究者Lv1/99 狙撃王Lv1/90 上級薬師Lv1/80 』

日付ぎりぎりでした…

職業表記ですが、今度は改行とかせずにスペース1つ分だけ開けて書き連ねてみました。

個人的にはこれは見にくい感じなので前回のがいいかなーと思ってます。


ではまた次回

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