明の森ボスです3
50層の森に足を踏み入れると、一気に空気が変わったような感じがした。少なくとも入ってすぐにマナの魔法の反応はないが、ここから先はいつ襲われてもおかしくないと思うと緊張するな。
森に入って5分ほど歩いたところで俺は木の上にとんだ。エルダートレントの位置を探るためだ。
「えっと……あーいたいた。ほんと周りと比べてでかいな」
木の上から見えたエルダートレントは、なぜ広場から見えないのかと言いたくなるほど大きく、まるで隠れられるようなサイズではなかった。ここからエルダートレントの全身は見えないが、25層で見た物よりも大きそうな印象だ。位置は分かったし、俺はマナたちのもとに戻った。
「わかったぞ。ここから見て東の方角だ」
俺はエルダートレントの方角を指差しながらみんなに告げた。みんな無言でうなずき、すぐにその方角に向かって進んでいく。
「止まって」
5分くらい進んだところでマナの魔法に反応があった。ただし、標的はトレント系ではなく、ウッドマンだった。
「俺がやる。『剣閃』」
すぐにその姿を見つけた俺は斬撃を飛ばしてウッドマンの胸から上を即座に切り落とした。完全に崩れ落ちるのをみると、それを回収したりすることはせずにエルダートレントの方に向かう。放っておいてもボスを倒せば消えてくれるし、解体ナイフを使うにしても獣型のモンスターと違って、ここのモンスターで残るのは木材のみ。正直いらないんだよなぁ……。
再びエルダートレントに向かって進み始めて5分、ようやくエルダートレントが視界に入ってきた。そしてそのまままっすぐに進み、エルダートレントの射程範囲ぎりぎりまで来た。
「ここから先はエルダートレントの攻撃が届くことになる。どうする? 当初の予定では一気に突っ込んでマナの魔法と俺の『ブレス』で蹴散らすって話だったけど、ここからもう撃つか?」
「私の魔法は大丈夫だけど、メイの『ブレス』って届くの?」
「『竜化』すればいけるよ。威力も上がるし」
「マナ、周りに反応はない? ここから撃つなら私とキャラビーでそっちを潰さないといけないし」
「うん。今は反応はないよ。やってくるにしてもウッドマンだろうから大丈夫かな?」
「トレント系がいなければ大丈夫。ね、キャラビー」
「はい。ウッドマンなら目視で確認できますから大丈夫だと思います」
「がぅ」
「みぃちゃんも大丈夫そうです!」
「そうか。なら一気に行くか。準備はいいよな?」
「任せて!」
「よし。『竜化』」
俺の体が竜のそれに変化していく。周りの木をなぎ倒す感覚を味わいながら視線が一気に高くなり、そして3mを超えたあたりで変化が止まった。マナたちは大きくなった俺の動きに巻き込まれないようにすでに離れている。『獣化』や『鬼化』と違ってここまで大きくなると使いづらいからな。結局この4か所のダンジョン攻略で使ったのは3回だけだ。
体が大きくなったことでエルダートレントの射程範囲に入ってしまい、目が大きく開かれたが、攻撃させる余裕は与えない。
「ヘルフレイム!」
「『ダークブレス』」
一点に集中させた炎弾の『ダークブレス』とマナの魔法が左右から飛んでいく。エルダートレントも即座に根でガードしようとしてきたが、あっさりと突破して本体に直撃した。
「追加だ。『鬼の一撃・付与』集中型『ブレイクショット』!」
人の体で使う時とはけた違いのサイズの『ブレイクショット』が直線上の木をなぎ倒しながらエルダートレントに直撃した。先の攻撃で弱っていたエルダートレントはその攻撃をまともに受け、張り巡らされた根のせいで吹き飛ぶこともできず、ベキリと半ばあたりで折れてしまった。
ずしんと大地を軽く揺らしながらエルダートレントは倒れ、光の粒子となって消えた。エルダートレントが消えて平らにならされた地面に宝箱が残る。
『職業:薬剤師がLvMAXになりました。
重戦士がLv45になりました。
神官がLv30になりました。
龍人がLv5になりました。
精霊使いがLv10になりました。
大鬼人がLv5になりました』
『職業:上級薬師になりました』
『職業:薬剤師がLvMAXになったので死龍人を有効化しました』
『スキル:薬剤効果上昇確率10% シールドバッシュLv1 ヒール1 精霊魔法水属性Lv1を習得しました。
スキル:ヒール1が消失しました』
『スキル:ブレイクショットLv6を習得しました』
俺は『竜化』を解除して元の姿に戻る。死龍人はもうちょっと休んでおいてもらおう。おめーの出番はまだ先だ。代わりに有効化するのは魔導士にしておく。魔法使いのレベル上昇で得られたスキルとかを考えれば、既存の魔法の底上げや威力の上昇、あるいは新しい魔法スキルと、どれがきてもうれしいし。
宝箱のもとに向かうと、同じく3人もそこに集まった。
「メイのそれってあんなに威力高かったっけ? ドラゴンになった影響?」
「純粋に大きさの関係じゃないか? 多分このまま撃ってたらあのサイズにはならなかっただろうし、同じような感じなら折れずに貫通するか、一部をえぐり取って終わりだったと思うぞ」
「そうだったらエルダートレントが燃え尽きるまで攻撃をよけ続ける必要があっただろうね。お疲れ様」
「別に疲れてはないんだよなぁ……。これならドン・グロウモンキーと戦った時の方がよっぽど疲れた」
「今回は運よくトレントたちが周りにいなかっただけで、普通はもう少し周りにいて、苦戦するんだと思うよ」
「そのことなんだけど、私が動いてた方角。ちょっと行ったくらいのところにうじゃうじゃ反応があったの。この辺りにいなかったのはほんとに運がよかっただけみたい」
「うへぇ。それってもういないよな?」
「うん。エルダートレントが倒れた瞬間にその反応も消えたから大丈夫」
「よかったです。あ、ご主人様、罠はありません」
「ありがとな、キャラビー。よっし、箱の中身は……苗木か?」
「どれどれ……鑑定! えっと、アップルチェリーの苗木だって」
「アップルチェリー……キャラビー、わかるか?」
「はい。あまり珍しい果実でもありませんよ? この町では見ていませんが、王都の市場なんかでは普通に売られているものです」
「へえ。これもアンナに育ててもらうか。珍しい種とか手に入れたらほしいって言ってたしちょうどいいや」
「せっかく植木鉢に入ってるし、この土も使えるかもね」
「苗木がドロップすることはあまりないそうですが、その際に一緒にでた土は植物を育てるのに最適な土なのだそうです」
「それはいいな。このまましまっとこう。さて、とりあえず攻略した証をとってギルドに行こうぜ」
「今日はもう一戦しないの?」
「ギルドに寄った後で『生の草原』に行ってくるわ。向こうならゼルセたちが暴れられるから」
「私たちも行こうか?」
「いや、一人で行ってくるわ。混み具合にもよるけど、何戦かしてくる予定だから」
「そう? なら私たちだけでもう少し探索してる? 私とキャラビーは今日ほとんど何もしてないし」
「どうせなら私たちも『生の草原』に行って、49層で探索しない? どうせ今からだとそんなに長くはいられないし、どうせなら強い相手とってことで」
「そうしよっか。あんまり48層の方までいかなければすぐに帰れるし」
「罠の確認は任せてください!」
「期待してるよキャラビー」
俺たちは森の奥にある転移陣に向かって歩き出した。そしてダンジョンコアのある部屋で証をゲットし、俺たちはダンジョンの外に出た。
どうもコクトーです。
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX(10)
格闘家 LvMAX(50)
狙撃手 LvMAX(50)
盗賊 LvMAX(50)
剣士 LvMAX(50)
戦士 LvMAX(50)
魔法使いLvMAX(50)
鬼人 LvMAX(20)
武闘家 LvMAX(60)
冒険者 LvMAX(99)
狙撃主 LvMAX(70)
獣人 LvMAX(20)
狂人 LvMAX(50)
魔術師 LvMAX(60)
薬剤師 LvMAX(60)
聖???の勇者Lv15/??
ローグ Lv42/70
重戦士 Lv45/70
剣闘士 Lv41/60
神官 Lv30/50
龍人 Lv5/20
精霊使いLv10/40
舞闘家 Lv12/70
大鬼人 Lv5/40
上級獣人Lv3/30
魔導士 Lv1/90
死龍人 Lv1/20
魔人 Lv1/20
探究者 Lv1/99
狙撃王 Lv1/90
上級薬師Lv1/80 』
遅くなってすいません。風邪ひいてました…
久しぶりのレベルアップですね。たぶん間違いはないはず。また一行伸びてしまったのはシカタナーイネ。
色々アイデアをいただいているので次の話からちょっと試すつもりです。これだ!ってやつがあればその形式で今後も書きます。何種類かあるのでちょっとごちゃごちゃするかもしれませんのでご了承を。
ではまた次回




