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明の森です5

後半は視点が変わります。

ご注意ください。

 エルダートレントの情報を話しながら進むこと10分。俺たちは広場が見えるところまでやって来ていた。

 前のパーティが来たのが30分前というのは間違いではなかったようで、広場には誰もいなかった。


「情報通り、エルダートレントはまだいないみたいだね。広場の外から先制攻撃は出来ないや」


「マナそんなこと考えてたの?」


「メイが戦ったリッチキングの件もあったし、情報とは違って先に姿を見せてる可能性もあるって思ってた。思い過ごしだったみたいだけどね」


「この場合はその方がよかったと言えるがな。変異種か上位種か知らないけど、そんなのとばかり戦いたくない」


「メイしか戦ってないけどね」


「そこ、うるさい。さて、じゃあ広場に入ったら作戦通りにいくぞ。来い、みぃちゃん、コルク、ゼルセ」


 俺は3体を呼び出してそれぞれ3人につくように指示を出した。キャラビーはいつも通りにみぃちゃんにまたがって、マナたちはそれぞれ横につく形だ。


 エルダートレントは、そこらの木とは比べ物にならないくらい大きな木のモンスターだ。高さは3倍、太さはざっと10倍にもなるかもしれない。その巨体を支えるためか、根がしっかりとはっており、トレントと違って移動することができない。現れた場所にドンと居座るだけだ。

 いざ戦闘になれば、太い枝を振るってきたり、トレント系の独自の魔法で葉っぱを飛ばしてきたりするが、あの巨体だし、魔法の的になるんじゃないかとも考えたが、さすがにボスだけあって対策があった。根を操って直接後衛を狙うこともあるらしい。俺たちの場合は、どこから現れるかわからない根に対応するための従魔たちだ。

 しかし、木のモンスターというだけあって弱点は明白だ。当然、耐性はあるんだろうけど、火が付きやすく、一度ついてしまうとなかなか消えないらしい。今回俺たちもそれを狙うつもりだが、マナのは火魔法の上位の魔法だし、耐え切れずにただの炭になりそうな気がする。


 そんなことを考えながら広場に続く道の端まで来た。はっきりと線が引いてあるわけじゃないけど、なんとなくあと1歩で広場という感覚だ。それぞれが武器を構え、すぐにでも動ける状態なのを確認すると、俺たちは広場に足を踏み入れた。




 俺たちが広場に入ると、広場の奥の方に『気配察知(魔物)』の反応があった。一見何もないように見えたが、すぐに変化が現れた。地面からにょきにょきと木が生えてきたのだ。

 木はあっという間に1m、2m、3mと大きくなっていき、10mほどで成長を止めた。そして、すぐに木の表面に裂け目が入って、それが開くと中から目と口が見えた。


「いくよ、ヘルフレイム!」


「『火炎壁』」


 姿を見せ始めた時から準備をしていたマナの獄炎魔法がエルダートレントに向かって飛んでいく。エルダートレントもすぐにはっぱを飛ばして防ごうとしてきたが、炎はまったく衰えなかった。しかし、エルダートレントが飛ばしてきた葉は、かなり広範囲に飛ばしてきており、いくつかがこちらに向かってきていたので、俺が炎の壁で焼き尽くした。


「がぁう!」


「来ます!」


 エルダートレントにヘルフレイムが直撃した直後、みぃちゃんとキャラビーが声を上げた。その声で俺たちはすぐに横に跳んだ。俺たちを狙って、さっきまで立っていた地面から4本の根が飛び出したが、『一閃』でまとめて切り落とした。


 ヘルフレイムの真っ黒い炎に包まれて苦しそうに枝を地面にたたきつけ、周囲に葉をまき散らすエルダートレントだが、枝はとてもこちらに届くような長さはないし、飛ばされる葉も俺の『火炎壁』に焼き尽くされてこちらには届かない。ヘルフレイムへの対処で手一杯なのか、さっき俺が切り落としてからは根も使ってこない。


「私はこのまま出番なさそうだね。マナ、どうなってるのかわかる?」


「ヘルフレイムが衰えてる感覚がまるでないんだよね。メイの炎の壁で全然見えないけど、たぶんもうじき焼き尽くせると思うよ」


「相変わらずえぐい火力だよね。あ、エルダートレントが」


 俺たちの視線の先で、『火炎壁』越しに見えていたエルダートレントの姿が消えた。一応マナの方を見て、マナがうなずいたのを確認すると、俺も壁を消した。

 炎が消えた後、エルダートレントがいた場所には宝箱が1つ残っていた。『火炎壁』があったところの地面が熱くなっているかと思ったがそんなこともなく、俺たちは宝箱のもとに向かった。


「キャラビー、罠は?」


「大丈夫です。」


「ありがと。マナは倒すほうで頑張ったし、私が開けるね」


 ヒツギがマナの返答を待たずに宝箱のふたを開けた。その中に入っていたのは1本の杖だった。木でできた1mほどのその杖をマナが取り出した。


「へーなかなかよさそうな杖だね。私は使うつもりはないけど、売ったらかなり高くなると思うよ」


「そうなのか? 『鑑定』」


『賢樹の杖:エルダートレントの枝を使った杖。魔法の使用に際して、使用魔力が若干下がる』


「たしかにいいものだな。エルダートレントの素材を使ってるらしいぞ」


「25層でこんなにいいものが出ると50層がちょっと怖いね。まあ私は何もしてないけど」


「そう落ち込むなって。俺も終始『火炎壁』を維持してただけだからな。こんなに早く終わるとは思わなかったよ」


「木に火が相性良すぎたからね。ほら、先に向かおう。今は4時前くらいだし、今から帰れば5時には館に戻れるでしょ」


「5時ならばまだ完全には暗くなっていませんから、解体作業などもできそうですね」


「そうだな。明日はどうせダンジョン探索は休みだし、売るのは明日だな」


 そうして、俺たちは賢樹の杖をマナのアイテムボックスにしまい、広場の先の転移陣で外に出て行った。



-------------

 メイたちが広場を後にしたころ、その広場を森の中からじっと見つめていた1羽のフクロウが主の待つ手前の広場に飛び去っていた。


「クルークー」


 そのフクロウが降り立ったのは手前の広場でメイが話を聞いた一人の男の腕だった。丁寧に二重三重にまかれた布の部分につかまり、男に差し出された干し肉にかぶりつく。


「戻ってきたか。よし、撤退だ。帰るぞ」


「「はい」」


 男の合図で回りにいた数人が立ち上がってあたりの片づけを始めた。手際よくさっと周りの道具をしまうと、1人、また1人と転移陣で外に戻っていく。


「クールークー」


「そんなに心配しなくても大丈夫だって。あんな化け物みたいな連中に喧嘩を売るような真似したくないし、団長もそんな気はサラサラないだろうからな」


「クルルー?」


「そんな声だして、お前が心配してるのは飯のことだけだろ? 俺は騙されないぞ」


「クルー」


「これ以上は帰ってからな。全員帰還したな。じゃ、俺らも帰るか」


「クールークー」


 そしてフクロウを腕に乗せたままのその男も転移陣でダンジョンから出て行った。


 男が去った後には、1枚の黒い羽根が残されているだけだった。



どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 LvMAX(99)

 狙撃主 LvMAX(70)

 獣人  LvMAX(20)

 狂人  LvMAX(50)

 魔術師 LvMAX(60)

 聖???の勇者Lv15/??

 薬剤師 Lv57/60

 ローグ Lv42/70

 重戦士 Lv44/70

 剣闘士 Lv41/60

 神官  Lv28/50

 龍人  Lv4/20

 精霊使いLv7/40

 舞闘家 Lv12/70

 大鬼人 Lv4/40

 死龍人 Lv1/20

 魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90

 上級獣人Lv3/30

 魔導士 Lv1/90 』

ほんの少しまにあいませんでした。ご、誤差ってやつってことで許してつかーさい。

次は間に合うように……ガンバリマス。


ではまた次回

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