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キャタピラー殲滅です


「さて、足止めか……とりあえず面倒だし殲滅だな」


 足止めをする気などさらさらなく、迫ってくるキャタピラーをにらみつける。まあやることなんか1つだわな。ダークランスでの多数同時攻撃。これが一番いいと思う。ファイアとかバーストショットでいっぺんにどーんとやるのが速さ的には一番だと思うけどそのあとのことを考えると火の魔法は使えない。森中が火事で木がなくなりました。とかアウトだろ。

 そんなことを考えていたら急に俺の頭の上に魔法陣が現れた。


「ヒメ、お前も戦うのか?」


「かう」


 俺の頭の上に現れて、きれいにジャンプして横に降り立った。こいつ……


「戦えるの?」


「かぅう!?」


 心外だとばかりに目を見開くヒメ。


「すまんすまん。じゃあ左端を頼めるか?」


「かう!」


 短い脚をちょこちょこ動かしてキャタピラーに向かっていった。すごい見ていてあげたいけどこっちにも敵はいる。こいつらをみすみす見逃すわけにはいかない。


「ヒメの初戦が見れないだろうが! 『ダークランス』」


 俺は両手を前に突き出し左右に割るように広げる。その手の通った後には凸凹の黒い線ができた。

 正確には黒い球体が何個も並んでいるだけだ。ダークランスの同時展開。それにより多量の黒の槍が飛び出す。それらは迫りくるキャタピラーを次々串刺しにしていく。仲間が死んでいくのを見て少しでも躊躇してくれないかなと期待したけどまったくそんなことはなかった。それまでと変わらないペースで進行してくる。だが、少しだけ余裕ができたのでヒメのほうを見る。

 そこでは……






 ヒメが圧倒していた。

 ファングショットを連続で使ってキャタピラーをあっという間にばらばらにする。あいつ物理的な攻撃力皆無なのにファングショットの威力は申し分ないんだな。

 ヒメは次々に周りのキャタピラーを倒していく。でもあのペースだと……

 ちょうど10体を倒したとき、ヒメの体がふらつきだした。魔力切れだ。

 俺はヒメのところに急いで駆け寄り体を抱える。


「お疲れ様。ただ、考えなしにスキル使いすぎだ。練習しような」


「かぅぅ」


 ヒメは弱弱しい声をあげて一度消えた。


「俺がもう一回相手だ。お前らが止まるまで撃ち続けてやるよ」


 再びダークランスを連続で放つ。今度は木を貫いてそのまま奥にいるやつまで貫いていく。さらに飛び上がってばらばらに放つ。さしずめダークレインといったところだろうか。

 それから先も、途絶えることなく続くキャタピラーの大群にイライラを募らせながらも俺はダークランスを撃ち続けた。





 何体倒したかもわからなくなり、しばらくすぎた。そんなとき、ヒツギが合流した。といっても俺の遠距離攻撃でしとめてしまうのでヒツギはやることがなかった。

 これまでのことで俺がわかったことは3つ。

 1つ目はこいつらは餌を求めてやってきたわけではないということ。それは、周りの木を時々倒してでもこちらにくるこいつらを見ていれば一目瞭然だった。餌を無駄にしてまでリスクの高い人間を襲うのは意味がない。

 2つ目はこいつらの目的が人間でもないこと。途中で一度だけやった実験だが、わざと俺のすぐ近くを通りそうなやつを1体殺さずに近づかせる。もしこいつらが人間が目当てなら糸を吐くなりタックルをかましてくるなりしそうなものだが、そんなことも一切なく俺の横を通り過ぎた。まるで何かにおびえるように。

 3つ目はこいつらの生活圏であった森の奥になにかが起こったこと。こいつらはそこに現れたなにかから逃げているのだ。それが何なのかはわからないけどなんとなくオークなんだろうなと想像くらいはできる。ただそれも確証のない推測の段階だ。そうとは言い切れない。それにこの数ならある程度の数のオークくらい糸でぐるぐる巻きにして食べるくらいしそうだし。想像以上にそのなにかの数が多いか、もしくは上級種がいたか。俺が迷宮で散々相手してきたオーガ種も、普通のオーガとハイオーガ、さらにその上の武装オーガ、そしてオーガキングと強さが桁外れに違っていた。それを思えば上級種モンスターがいると考えれば少数でもおかしくない。


「ねえメイ、『再生』間に合ってる? 魔力大丈夫?」


「ああ大丈夫だ。回復しすぎてさっきレベル上がったよ」


 ヒツギに言ったとおり、俺のスキル『再生』はLv3になっていた。あとダークランスもレベルがあがった。使いこんだ結果だろう。ダークランスは1発1発の槍の数が増え、1発につき20本の槍を撃てるようになった。これのおかげでペースが上がったのは間違いない。再生も新たな能力が付いた。魔力回復量の増加である。体力より若干回復しやすくなったみたいだ。どちらかと言えば傷とか怪我とかの回復のほうを先にあげてほしかった。


「ねえメイ、あとどれくらいいるのかな?」


「もうそんなに多くはいないと思うぞ。感覚だけど数が減ってきてる気がする。少なくともこんだけ話す余裕ができるくらいには」


「なら死体の処理始めた方がいいかな? 始めてかないと終わらなさそうだし……」


 ヒツギが周りの死体の山を見ながら言った。何度もキャタピラーたちに踏まれ続けた最初の頃に死んだやつはすでにペチャンコになったりしてる。ヒメの攻撃でばらばらになってるのもいるし燃やしちゃえば楽なんだろうけど森の中だから危ないし死体なら瞳で喰らうか棺桶に吸収させたほうがいい。でも人が来てしまったらヒツギの棺桶ならともかく俺の瞳での処理はリスクが高い。パッと見モンスターを取り込んでるように見えるから「お前がこいつらを連れてきたんだ!」とか言われても厄介だ。


「とりあえず人がくるまで少しずつ喰らうことにするよ」


「人が来たら棺桶に吸収していけばいい?」


「いや、やっぱ10体だけ貰うわ。ヒメが倒した分だ。あとの処理は頼んだ」


「それだけでいいの?」


「ああ。キャタピラーから得られるのって防御上昇(小)なんだよ。だったらヒツギが強くなるのに使ったほうがいいと思う」


「わかった。じゃあもらうね。今日は宿でのお楽しみに備えて体力を上げたいしね!」


 狂ったこと言ってるけど無視無視。真那を見つけられてないのにそんなことできるかっての。

 話してる最中にも死体の山を越えてくるキャタピラーがいたのでダークランスで串ざしにする。ピクピクと2,3度痙攣した後息絶える。ヒツギは死体のところに行って棺桶の能力を使って死体を光の粒にかえてどんどん吸収していく。


「あ、ポイントゲット。今回はこっちあげて……」


 ヒツギがなにやらブツブツとつぶやいている。どうやら棺桶の能力を上げられたらしい。どういう風になっているんだろうか……。


「メイ、これで私も遠距離攻撃できるようになったから参加するね」


「棺桶なのに?」


「今たまたまポイントゲットしたから上げてみたの。レベルアップの分とは別だから上げる予定だった目標には問題ないし」


「それどういうシステムなんだよ……」


「レベルが上がるごとに能力はランダムでアップ。あとポイントが手に入るからそれで特殊能力をあげられるの。あとはモンスターを吸収したときにかなり低確率でポイントがゲットできるからそれで強くしてくんだよ。今あげたのは遠距離攻撃のLv1。だからこうやって」


 ヒツギが棺桶を構えた。すると棺桶のふたが開き、そこから数十本の針が飛び出す。それは放射状に放たれたので多くは外れたが何本かがキャタピラーを貫いた。外れたものも細い枝を折る程度には威力があった。さっきLv1って言ってなかったか?


 それからは交代しながらやったのでさらに楽になった。ヒメの練習をどうしようか考える程度には。だが、結局ヒツギの魔力が切れて近距離しかできなくなったので死体回収に専念し、俺がダークランスで殲滅することになった。

 そうなってすぐ、死体の山が消えた先に見えたのはキャタピラーがあと10体くらいいるだけの状態だった。あいつらさえ倒し切れば終わるとわかり、俺はオーバーキルになるとわかっていてもダークランスを5発撃った。それらはキャタピラー1体につき数本単位で全て突き刺さり、ヒツギが回収した。これで勝利だ。


「鳴……」


 そんなとき、後ろから声をかけられた。街から応援に来た冒険者だと気づき、後ろを振り返る。しかし、そこにいたのはよく知った顔だった。


「真那!?」


 俺が落ちた谷のところで別れたっきりの俺の探し人、高坂真那がそこにいた。



どうもコクトーです


『刈谷鳴』

 職業

『冒険者 Lv40

 格闘家 Lv40

 狙撃手 Lv32

 盗賊  Lv30

 剣士  Lv28

 武闘家 Lv23

 戦士  Lv23

 魔法使いLv28

 薬剤師 Lv30

 鬼人  Lv5

 ????の勇者Lv7

 狙撃主 Lv1

 獣人  Lv1 』


ようやく100000文字到達!


あと日間の連載中のところですが300位以内にランクインできました♪

ありがとうございました!!


これからペース落ちます

できれば2,3日に1回のペースで書ければいいなーとか思ってます

書けるかはわかりませんが……



ではまた次回

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