パーティ前です2
風呂から上がり、リビングに戻ってくると、ちょうどマナたちが帰ってきたらしく、ヒツギがリビングに入ってきた。
「ただいま。あ、ユウカもう戻ってきてたんだね」
「お帰りなのじゃ。わしも帰ってきてまだそれほどではないがの。今は台所におる2人の紹介をしたいのじゃが、マナたちは一緒ではないのかの?」
「そのことなんだけど、ユウカに用事があるって人が外に来てて、私たちもその人にギルドでちょっとお世話になったからお茶でもって思ってるんだけど、いいかな?」
「ギルドで何かあったのか?」
「ちょっと絡まれてね。でも、その人に助けてもらったから大丈夫だよ」
「やっぱ俺も行くべきだったかな……」
「メイってば、大切に想ってくれるのはうれしいけど、私たちだって子供じゃないんだから」
「うっ」
「言い返せないじゃろうな。それはそうと、わしに用事と言っておったが何か聞いておるか?」
「指名依頼を伝えにきたそうだよ。今ギルドも忙しいみたいで、彼女が遣いとしてお願いされたみたい」
「彼女ってことは女性冒険者なのじゃな。名前は聞いておるか?」
「うん。モモさんって言ってた」
「モモさん? モモさんって、ピンクのワンピースをきたでかい人か?」
「そうだけど、なんでメイがモモさんのこと知ってるの?」
「昨日忠告してくれたのがそのモモさんだったんだよ。ユウカ、モモさんって有名なのか?」
「むしろなんで知らんのじゃ? 昨日知らないことに対してどうこう言ってくるやつを優先してたから話さなかった、Sランク冒険者の1人じゃ」
「Sランク? なんでそんな人が伝言を伝えるためなんて雑用やってるんだ?」
「わしに聞かれても知らんのじゃ。何か依頼のような形で引き受けたのじゃろうな」
「とりあえず中に案内してもいい? 今は許可をもらってくるってことで待ってもらってるから」
「ああ。ユウカの知り合いみたいだし、問題ないよ。俺は飲み物の準備をしてくるよ」
「お願いね。じゃあ呼んでくるねー」
ヒツギが玄関に向かうのを見て、俺も台所に向かった。
台所に着くと、ちょうどアレフさんとシーラさんが食材の下準備を終えたところだったらしく、休憩しているようだった。
「おや、メイ様、どうなさいました?」
「マナたちがお客さんを連れてきたので、飲み物を用意しようと思ってきたんですが、お邪魔ですか?」
「いえいえ。すぐに用意いたしましょう。何人分ご用意すればよろしいでしょうか?」
「いや、俺が自分でやりますよ。調理で忙しいでしょうし」
「せっかく私どもプロがいるわけですから、ここは私に花を持たせてくださいな。調理もありますから、ご一緒するわけにはいきませんが」
「……ではおねがいします。人数は6人分で」
「かしこまりました。お茶菓子は必要ですか?」
「それは俺のアイテムボックスにいろいろあるので大丈夫です」
「了解しました」
シーラさんが慣れた手つきで渡した紅茶を入れる。この手の人が淹れているのを見るだけで、以前に町で買ってあっただけのものがなんだか高級なものに見えてくるから不思議だ。
すぐに6人分の紅茶ができあがり、俺はお礼を言い、お盆に乗せてリビングに戻った。
リビングに戻ってくると、みんなでソファを囲んで話をしているところだった。
「こんにちは、モモさん。マナたちがお世話になったそうで。ありがとうございました」
「あらぁ、メイちゃんじゃないのぉ。昨日も会って今日も会うなんて、これってウ・ン・メ・イ?」
「いえ、偶然の産物ですよ。これ紅茶です。どうぞ」
「あらぁ、ありがと」
「それにしてもびっくりしましたよ。メイとモモさんが知り合いだなんて」
「知り合いと言っても昨日ちょっと話した程度よぉ。あの時は合格だしいい男だから食べちゃおうかと思ったけど、今はそんなことは思っていないわぁ」
「モモが合格と言い切った男をあきらめるなど珍しいのう。ジョーが聞いたら羨ましがりそうじゃ」
「うふっ。せっかくあのユウカに春が訪れたのだから、それを奪うなんてしないわよ」
「かっかっか。ありがたいことじゃの。だそうじゃが、そこのところどうなのかの、メイ?」
「ノーコメント」
「つれないのう。まあマナやヒツギにもいまだに手を出しておらんへたれじゃからな」
「へ、へたれじゃねーし」
「大変そうねぇ。あ、そうそう。ユウカへの依頼を預かってきたんだったわぁ。うーん……彼らにも見せちゃってもいいのかしら? 一応ユウカ個人への依頼なのだけど……」
「わしは別にかまわんよ。内容次第ではここを離れることになりかねんし、そうなればどうせ話さねばならんからの」
「そういう依頼ではないわぁ。なんたって、この町の領主様からの依頼だからねぇ」
「グリム氏からの依頼となると、ダンジョン関係かの?」
「えぇ、そうよぉ。このあたりの高ランクで、ダンジョンを多く攻略しているパーティに声をかけてるみたいだわぁ。あくまで余裕をもって攻略しているような人たちだけみたいだけど」
「攻略しているパーティじゃと? ふむ……大方ボスを見てこいと言ったところじゃろうか?」
「察しがいいわねぇ。『『善の洞穴』にて、ボスの上位種が確認された。他の3つのダンジョンにおいても同様のことがないとは限らない。3か月以内に他3か所のボスを複数回攻略してほしい。そして、何かボスの動き、あるいは出現パターンに違和感を覚える場面があれば即ギルドまで報告を入れてほしい。報酬は要相談。そのため、依頼を受ける受けないの回答も含めて、一度領主の館まで顔を出してほしい』だそうよぉ」
「なるほどのう。わしとしては受けない理由も特にない依頼じゃな。どちらにせよボスは何度も挑む予定じゃし」
「ボスと連戦だなんて相変わらずなことをやっているのねぇ。私はこのダンジョンは1層も行ったことがないからあまりわからないのだけど、ユウカちゃんは第二段階のダンジョンには挑まないのかしらぁ?」
「まだという感じじゃな。理由は言えんが」
ユウカがちらりと俺の方に視線を向ける。モモさんもそれに気が付いたようだが、あえて追及はしないでくれた。
「依頼の話は以上よぉ。依頼にもあったけど、近いうちに領主の館に行っておきなさいよぉ」
「わかっておるよ。明日にでも行ってこようかの」
「それがいいわぁ。さて、私はそろそろ帰ろうかしらぁ」
「何か用事でもあるんですか?」
「そういうわけじゃないけどねぇ。あんまり長いこといると迷惑でしょぉ? キャラビーちゃんも、ご主人様の前では頑張って耐えてるみたいだけど、かなりきついんじゃないかしらぁ?」
「はひっ!?」
ここまで終始無言でじっとしていたキャラビーが、モモさんに話しかけられてかわいらしい声を上げた。珍しいな。
「マナちゃんやヒツギちゃんと違って、私の魅了に抵抗できてないじゃない。今も我慢してるんでしょぉ?」
「えっと、すいません」
「精神結界。キャラビー、これでどう?」
「あ、大丈夫です。マナ様、ありがとうございます」
「何をしたのぉ?」
「精神に直接作用するような攻撃への耐性をつけるための結界を張ったんです。キャラビー1人になら魔力消費もこっちの方が少ないですし」
「助かるわぁ。私だと対象の魅了状態を解除することはできても、これは抑えられないのよねぇ」
「どういうことだ?」
「モモはサキュバスの中でも特異体と呼ばれるような存在でな。常に強力な魅了の力を発しておるのじゃ。わしもそうじゃが、実力者には効かんのじゃ」
「それは……大変ですね」
「そうなのよぉ。抑えられるような魔道具に心当りないかしらぁ?」
「残念ながらないですね」
「何か心当りができたらぜひ教えてねぇ。その時はサービスしてあ・げ・る」
「その時があれば」
「ユウカ様、少々よろしいでしょうか?」
帰ろうとモモさんが席を立った時にタイミング悪くシーラさんがリビングにやってきた。
「あらぁ! シーラのおじ様じゃなぁい。久しぶりねぇ」
「おや、これはこれは。お客様というのはモモ様のことでしたか。お久しぶりでございます」
「おじ様がどうしてここに?」
「私たちがダンジョンを攻略した記念に、ユウカが料理人の方を呼んでくれて、パーティをやるんですよ」
「ユウカちゃんの料理人? それってアレフちゃんのことかしらぁ?」
「ええ。ユウカ様がお世話になっている皆様のお祝いにぜひアレフの手料理をとユウカ様がおっしゃられまして」
「アレフちゃんの手料理! ねぇ、私もパーティに参加しちゃだめかしらぁ?」
「え? モモさんがですか?」
「アレフちゃんの料理を食べられる機会なんてめったにないし、せっかくのお祝いだしねぇ」
「俺は別にいいですけど、マナとヒツギは?」
「私はいいよ。悪い人じゃないしね」
「私もいいよ。キャラビーにはエンチャントを定期的にかけないといけないね」
「マナ様、ありがとうございます」
「決まりねぇん! そうと決まればお祝いの品を考えないといけないわねぇ。いいものはあったかしらぁ……」
こうして、急遽モモさんの参加も決まったが、ようやく俺たちの『善の洞穴』攻略記念パーティが始まった。
どうもコクトーです。
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX(10)
格闘家 LvMAX(50)
狙撃手 LvMAX(50)
盗賊 LvMAX(50)
剣士 LvMAX(50)
戦士 LvMAX(50)
魔法使いLvMAX(50)
鬼人 LvMAX(20)
武闘家 LvMAX(60)
冒険者 LvMAX(99)
狙撃主 LvMAX(70)
獣人 LvMAX(20)
狂人 LvMAX(50)
魔術師 LvMAX(60)
聖???の勇者Lv15/??
薬剤師 Lv57/60
ローグ Lv42/70
重戦士 Lv44/70
剣闘士 Lv41/60
神官 Lv28/50
龍人 Lv4/20
精霊使いLv7/40
舞闘家 Lv12/70
大鬼人 Lv4/40
死龍人 Lv1/20
魔人 Lv1/20
探究者 Lv1/99
狙撃王 Lv1/90
上級獣人Lv3/30
魔導士 Lv1/90 』
前回が短かった分今回は長めです。
嘘です。パーティ前まで書こうと思ったら長くなっただけです、ハイ。
そういえば、応募していたHJネット小説大賞の1次選考を通過していました!
ありがとうございます!
ではまた次回




