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善の洞穴ボスです2

 黄龍で遊ぶこと20分。ようやく前のパーティの挑戦が終わったようで、扉に入れる状態になった。

 俺はヒメ、コルク、ゼルセを召喚し、扉の中に入った。


 扉の中は、つい先ほど見た時と変わらず、中央に墓石があるだけ……ではなかった。


「主よ、壁際になにかいるぞ」


 取り巻きはすべてヒメたちに任すつもりだったこともあり、『気配察知(魔物)』を切っていた俺には気づけなかったが、コルクの言葉を聞いて慌てて視線をそちらに向けた。


「……前のパーティか」


 鎧を纏った二人の戦士、革系の軽い装備のみの罠師、重々しい真っ黒のローブを纏った魔法使い、一転して真っ白なローブの神官、大きなハンマーを持ったドワーフ、その全員が体のところどころを噛みちぎられた跡があり、取り巻きのゾンビを対処しきれずに負けたのだろうと想像できた。


「『あーうーあー」


「魔法を使えるのかよ! 『バーストショット』」


 折れた杖を持って詠唱を始めた神官と魔法使いに向けて『バーストショット』を放つ。まだ墓石上空にリッチが出現していないのにこれとは面倒だな。


「「『あーあーうあ』」」


 重い動きで前に出た二人の戦士が盾を構えて『バーストショット』を軽々と防いだ。生前のレベルがそこそこ高かったのだろうが、俺としては悪夢でしかない。


「『カカカカカカカカカカ』カカカカ」


 出来ればリッチが出る前にゾンビパーティを仕留めたかったが、それは叶わなかった。さらに、今度のリッチは先ほどと違い、現れてすぐに氷の塊を放つのではなく、周囲にアンデッドを召喚していた魔法を使ってきた。

 12本もの光線が地面に放たれ、そこからその倍から数倍にもなる数のアンデッドたちが現れた。


『リッチキング(アンデッド種)』


 さっきのエルダーリッチに比べて若干小綺麗な王冠を被っていたから嫌な予感はしていたが、『鑑定』によって表示された名前はエルダーリッチよりもさらに上位の名前だった。


「ゼルセ、黄龍、ヒメは取り巻きを潰せ! コルクはゾンビパーティだ!」


 俺の声に、待ってましたとばかりにゼルセが飛び出し、コルクがゾンビパーティに向かっていった。ヒメはゼルセのフォローに徹するようで、ゴースト系は黄龍がブレスで攻撃していた。


「『カカ、カカカ、カカ』カカカカ、カカ!」


 リッチキングは、ありがたいことに標的を指示を出した俺に定めたらしく、氷の塊を周囲に浮かべて発射してきた。一つ一つがさっきよりも大きく、『フレイム』を連発して相殺するのも数がいった。


「『竜化』『サンダーブレス』」


 その辺にステュラを突き刺し、『竜化』で威力を上げた状態で『サンダーブレス』を放った。リッチキングはその雷の光線に向けて杖をかざすと、冷気を纏った光線を放って対抗してきたが、こちらの威力の方が上らしく、少しずつ押し始めた。


「『カカカカカ、カカカ、カカ』カカカ!」


 お互いに同じ事を考えていたらしく、俺がブレスを吐きながら展開した『エアロ』が発射されてすぐに奴の放った氷の塊に防がれた。魔力を多めに込めた攻撃だったからよかったものの、危うく『エアロ』が押し負けるところだった。


「『カカカ、カカ』カ!」


 あと少しというところまで押していた『サンダーブレス』から逃れるためか、リッチキングは光線を止めてダークシールドを盾に上空に逃げた。マントの端を軽く焦がしたものの、ダメージは無さそうだ。


「『ロックオン』『龍殺しのブレス』」


 今度は逃さないようにきっちりの『ロックオン』で狙いを定めてブレスを放つ。龍殺しの力を持った紫色の炎球を、縦横無尽に動き回ってかわそうとするリッチキングだが、『ロックオン』からは逃げられない。


「『カカカ、カカカ』カカ!」


 逃げ回りながらもこちらに攻撃してくるあたりはさすがボスと言いたいところだが、その冷気を纏った光線も、右手を盾にして受け止めた。


『スキル:アイスレーザーLv1を習得しました。』


 あわよくば耐性も、とか思ったが、そこまではいかず、軽く凍ってしまった右手はグッと握って再び手を開いたら元通りだった。


「カカカカカカカカカカ」


 俺が魔法を受け止めたことで再び詠唱を始めるも、周りに目を向けるとすでに従魔たちが皆戦いを終わらせていたこともあり、『バーストショット』で追い打ちをかける。


「カ!」


 無理に『バーストショット』およけようと体を進路を変えた結果、なんとかかわしたようだったが、そのせいで『龍殺しのブレス』が背中に直撃した。マントでは衝撃を抑えきれずに骨まで届き、全身の骨に亀裂が走る。中には完全に折れてしまってパラパラと落ちてくる骨まである始末だ。


「終わらせるぞ『サンダーブレス』」


 『龍殺しのブレス』のダメージですでに虫の息のリッチキングに止めのブレスを放った。さっきまでのように飛ぶだけの力が残っていないらしく、ふらふらと落下してくるリッチキングは杖を投げて抵抗しようとしたが、そんなものでブレスが止まるわけもなく、投げられた杖ごと、雷がリッチキングを貫いた。


「カカカカ、カ、カ」


 リッチキングはその場で崩れ落ちた。纏っていたマントと王冠が消え、その本体である骨も亀裂を中心にばらばらになってしまった。


「ふぅ、終わった……わけじゃないのかよ」


 リッチキングの死体が消えないことに疑問を感じて墓石の方を見ると、案の定宝箱は表れておらず、それどころか、このボス部屋に入ってきたときのように墓石から紫色の煙が立ち込めていた。


「カカカカ」


 煙が同じように上空で塊へと変わり、そこからリッチが姿を現した。マントこそ纏っている者の、エルダーリッチと比べても尚貧相に見えるその姿は、あまりにも圧を感じなかった。


「『サンダーブレス』」


 リッチキングやエルダーリッチと違い、余裕ぶっているのか詠唱を始めず、杖を軽く振ってこちらを見ていたリッチに先手必勝とブレスを放った。おそらくダークシールドかアイスレーザーかはわからないけどそれで防いでくるだろうから、それを見越して周囲に『エアロ』を浮かべる。どう避ける?


「カカ!?」


「へ?」


 俺の予想に反し、雷は何の抵抗もなくリッチに直撃し、そのままフラフラと地面に落ちたリッチはそのまま動かなくなり、ふっと消えて宝箱が2つ現れた。


『職業:薬剤師がLv57になりました。

 ローグがLv42になりました。

 重戦士がLv44になりました。

 剣闘士がLv41になりました。

 神官がLv28になりました。

 龍人がLv4になりました。

 精霊使いがLv7になりました。

 舞闘家がLv12になりました。

 大鬼人がLv4になりました。

 上級獣人がLv3になりました。 』

『スキル:雑草鑑定 気配遮断Lv1 自重増加Lv1 盾術Lv1 ヒール1 魔除けLv1 精霊魔法火属性Lv1

 獣進化(狼)Lv1を習得しました。

 スキル:罠察知Lv6 身体強化(剣)Lv2 竜化Lv2 近接格闘威力上昇Lv4 空蹴りLv8 強鬼化Lv2を習得しました。

 スキル:雑草鑑定が鑑定に吸収されました。

 ヒール1 魔除けが消滅しました。

 スキル:獣進化(狼)が変化しました。獣進化(虎)を習得しました。 』


 いろいろと突っ込みたいところだらけなのだが、久しぶりにレベルが上がってくれた。またあとでスキルを確認しておかないとな。


「ようやくだな」


「ちちさまどうしたのー?」


 ヒメと一緒になって俺の頭の上にちょこんと乗った黄龍から声がかかった。お前ら重いんだけど。


「最近レベルが上がってなくてな。久しぶりに上がってくれたからなんだかうれしかったんだよ」


「あーそれなら」


「かうかう! かうかうかーう!」


「あっ!」


 気になるセリフを言った黄龍と、それを遮ろうとしたヒメの首根っこをつかんで俺の顔の前に持ってくる。ヒメも黄龍も両()で口をおさえ、何も言いません! とアピールしていた。


「……ヒメ、黄龍、俺は残念だ」


「かう!?」


「ええ!?」


 なぜか(・ ・ ・)怯えた表情でこちらを見る2体をよそに、俺は事情を聞くべく、我関せずとばかりにそっぽを向いていたゼルセとコルクに視線を向けた。






どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 LvMAX(99)

 狙撃主 LvMAX(70)

 獣人  LvMAX(20)

 狂人  LvMAX(50)

 魔術師 LvMAX(60)

 聖???の勇者Lv15/??

 薬剤師 Lv57/60

 ローグ Lv42/70

 重戦士 Lv44/70

 剣闘士 Lv41/60

 神官  Lv28/50

 龍人  Lv4/20

 精霊使いLv7/40

 舞闘家 Lv12/70

 大鬼人 Lv4/40

 死龍人 Lv1/20

 魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90

 上級獣人Lv3/30

 魔導士 Lv1/90 』

レベル更新しました!(投稿翌日です)

バイトに間に合わなくなるかと思ったから仕方ないのです…


ではまた次回

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