善の洞穴です7
俺がリビングに降りていくと、キャラビーとマナがすでにおり、あとはヒツギを待つだけになった。そして、そう時間もおかずにヒツギも降りてきて、作戦会議が始まった。
「じゃあまずは情報の再確認だが、ボスはリッチ、もしくは、その上位種であるエルダーリッチのどちらか。闇魔法を主として使ってくる上に、死霊魔法によって周囲に50層までに現れるモンスターをランダムに召喚してくる。しかも、モンスターの倒し方によっては復活させてくる。間違いはないよな?」
「資料にはそうありました。頭を確実に潰しておかないといけないというのは私には厳しいですね」
「たしかにそうだよね。キャラビーも打撃用の武器を使ってみる? メイの使ってた片手用のハンマーとか小槌なら使えそうじゃない?」
「仮に使うにしてもボス戦では使わせないぞ。んな危ないことさせられるか」
「だよねー。でも、そうなるとキャラビーは後ろの方で待機かな?」
「私が魔法を使えればご主人様のお役に立てるのですが……」
「魔法はマナに任せればいいから。キャラビーはできることをやってもらうぞ。今回で言えばゾンビたちの位置と数の指示だな」
「指示ですか?」
「ああ。普段ならともかく、ボスとの戦闘中に何体どちらから行くぞなんて指示を出すのはきついと思うから、それを今回はキャラビーにやってもらおうと思う。倒したと思ったのが倒し切れてなくて後ろに回られるようなことがないように、そういうやつがいたらすぐに指示を出してくれ」
「それってわかるの? 後ろに下がって広範囲を見えるとしても、多少はまし程度じゃない?」
「そこは上から見てもらうから」
「上、ですか?」
「ああ。ボス部屋に入ったらすぐに壁際にこれで足場を作って、そこから指示を出してもらう」
俺はアイテムボックスから魔導書を取り出して机に置いた。『生の草原』で手に入れたクエイクの魔導書だ。
「それ使うくらいなら私が魔法でやった方がよくない? 魔導書は魔力の消費も普通より多いし、発動には時間もかかるよ?」
「今回のボス戦の要はマナだから、俺としては初手でボスに魔法を叩き込んでほしいんだよ。俺のメインである闇魔法や暗黒魔法は有効的ではないし」
「私も攻撃はできるけどあんまり効かなそうだしね」
「そういうことだ。なんなら仕留めちゃってもいいぞ?」
「まだ超級魔法は無詠唱で撃てないから無理かな」
「獄炎魔法で仕留められそうな魔法はないの?」
「リッチって魔法への抵抗も高いらしいし、厳しいと思う。大ダメージを与えるのならたぶんなんとかなるけどね」
「それでも十分だって。キャラビー、それで大丈夫そうか?」
「私も魔力は成長していますので大丈夫だと思います」
「護衛にみぃちゃんと黄龍をつけるけど、油断はするなよ。できるだけ俺が注意を引き付けるつもりだけど、狙いがそっちに行く可能性は十分にあるからな」
「はい。がんばります」
「メイも無理はしないでよね。リッチは魔法しか使ってこないみたいだけど、何があるかわからないんだから」
「ああ、そこはわかってるよ。ヒツギは取り巻きの相手とマナの護衛と大変だけど大丈夫か?」
「初めは取り巻きがいないし、マナが召喚する前に何とかしてくれたら楽なんだけどね」
「まあ頑張ってみるね。メイもあんまり近づきすぎないようにしてね。あんまり近いと巻き込んじゃうかもしれないから」
「了解。射線もしっかり開けとくからためらわずに撃ってくれ」
「そのつもり。しっかりよけてね」
「そういえば、結局挑むのは明日にするの? 一旦戻ってきちゃったから、別に休みにして明後日でもいいけど」
「みんなは疲労はないか? 俺は大丈夫だけどボスに挑むのに疲労が残ってる状態にはしたくないからな」
「私は大丈夫。キャラビーは?」
「大丈夫です。ご主人様、みぃちゃんは大丈夫でしょうか? ダンジョンにいた間ずっと私を乗せて動いていましたが」
「ヒメや黄龍と違って休む時はしっかりと休んでいたみたいだから大丈夫みたいだぞ。もし心配なら攻略した後にでもしっかりとブラッシングしてやってくれ」
「はい!」
「問題ないなら明日だね。じゃあ私は先に休ませてもらうから」
「ヒツギ、疲れてるのか?」
「ううん。さっき10分くらい仮眠をとってたんだけど、中途半端に寝たせいか眠くなっちゃって」
「そっか。そう聞いてたらなんか眠くなってきた……俺も寝ようかな」
「え? 一緒に?」
「一人で」
「川の字で?」
「1の字で」
「ご主人様の腕枕……」
「しません」
「と言いつつ?」
「しません」
その後、それぞれの部屋に戻って今日は休んだ。夜遅くになって帰ってきたユウカが俺の部屋に来て俺がいたことを驚いて起こされるというトラブルはあったが、ボス戦を前に1回帰ってきたと言ったら納得していた。なんで夜更けに俺の部屋に来たのかはあえて聞かないことにした。
そして次の日、朝少し早く起きてヒメと黄龍に疲労が残ってないか確認した後、黄龍はキャラビーの護衛、ヒメはヒツギがマナの護衛に回った時の遊撃と、それぞれの役割をしっかりと伝え、10時ごろに俺たちは『善の洞穴』に向かった。
さすがにピークも過ぎた時間で、入り口ではスムーズに転移陣を利用することができ、俺たちは50層のボス部屋の前の転移陣に転移した。俺たち以外にも挑戦者がいるみたいで、入り口の扉は閉まっていたが、10分も経たないうちに中での戦闘が終わり、俺たちの番になった。
「前の人たちは勝ったみたいだね」
「俺たちも勝てるようにがんばらないとな」
俺たちはボス部屋に入って行った。
どうもコクトーです。
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX(10)
格闘家 LvMAX(50)
狙撃手 LvMAX(50)
盗賊 LvMAX(50)
剣士 LvMAX(50)
戦士 LvMAX(50)
魔法使いLvMAX(50)
鬼人 LvMAX(20)
武闘家 LvMAX(60)
冒険者 LvMAX(99)
狙撃主 LvMAX(70)
獣人 LvMAX(20)
狂人 LvMAX(50)
魔術師 LvMAX(60)
聖???の勇者Lv15/??
薬剤師 Lv51/60
ローグ Lv31/70
重戦士 Lv39/70
剣闘士 Lv30/60
神官 Lv19/50
龍人 Lv2/20
精霊使いLv4/40
舞闘家 Lv4/70
大鬼人 Lv2/40
死龍人 Lv1/20
魔人 Lv1/20
探究者 Lv1/99
狙撃王 Lv1/90
上級獣人Lv1/30
魔導士 Lv1/90 』
遅くなってすいません。
とりあえず試験も無事(?)終わり、結果待ちの状態になったので執筆再開です。
まあまだ他の試験はあるし、結果次第では執筆どころじゃなくなるかもです…本命なんだよぉ…
次回はボス戦です!
ではまた次回




