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善の洞穴です5


 朝から『善の洞穴』の25層に転移しててきた俺たちは、今日は最短ルートではなく、極力広間の少ないルートを調べていくことにした。


 この『善の洞穴』は、通路にもモンスターが出てくることはあるが、基本的には広間に出現する。一昨日に通った最短ルートでは、26層だけでも広間が7ヶ所あったが、その分1本1本の通路が非常に短かったが、それでも通路にモンスターがあふれていた。何気なく話していた中で、それが、1つ1つの広間の大きさに関係があるのではないかという意見が出ていたので、検証もかねてこのルートを選んだのだ。

 今進んでいるルートでは、地図のとおりに進んでいけば広間は4つですむ。その分、広間と広間の間の通路が複雑で入り組んでいて、曲がり角も多いから死角は多いだろうし、警戒は怠らないようにしないといけない。曲がり角を曲がったら食パンを咥えた女の子、じゃなくてスケルトンとぶつかったなんて笑えないからな。




 両手にそれぞれ龍骨の棍棒を持って警戒しながら進んでいると、26層の最後の広間のモンスタートラップを乗り越えたところで、『気配察知(魔物)』と『罠察知』のレベルがそれぞれ1つずつ上がった。

 これまで、一昨日と比べて1度に出てくる数は多少多かったが、戦闘の回数自体は半分ほどでここまで来ていた。通路での戦闘も半ばあたりででくわしたハイスケルトンドッグ3体のみ。時間としては、警戒しながら長い通路を進む分遅くなるかとも思ったが、やはり戦闘の有無というのは大きいようで、一昨日よりも全然早かった。

 ユウカが言っていた新種のモンスターの影響か、やはり人は今日もあまりおらず、ここまでは別方向からやってきたパーティ1つとしか会っていなかった。そのパーティも何人かが軽いけがをしており、疲労している様子も見れたことからも、彼らのルートも他の冒険者があまりいなかったと想像できた。


 一昨日と違って、別に急ぐ必要もないから、今日は広間の戦闘で回収できるものはすべて回収していた。とは言うものの、今のところ回収できたのはスケルトンエイプの左腕が1本なので、キャラビーに預けていた魔法袋ですんでいた。短剣と薬草、俺が『薬剤調合』で作った毒消しの丸薬以外の物はすべて俺かマナのアイテムボックスか、館のキャラビーの部屋にということにしてあったから、モンスターの素材をまだ70個近く入るはずだし、このペースなら俺のアイテムボックスの出番はまだまだ遠そうだ。





 それから何事もなく進んでいき、昼頃には28層の直前の場所にある、27層の安息所にたどり着いた。一昨日はここまで来ていないから、ここからはさらに気を引き締めないといけないな。

 安息所で知り合った、この先(28層)から戻ってきたソロの冒険者に、アイテムボックスの中にあった串肉1本と交換で情報を聞いてみると、どうもここから先もあまり冒険者はいないとのことだった。彼も見たのは1パーティだけで、何かあった時は助からないなと笑っていた。


 俺たちが昼休憩を終え、先に進む時になったが、彼はもう少し休むとのことだったので、そこで別れて俺たちは28層に向かった。休憩後ということで、マナとヒツギの疲労を考えながら俺たちはハイペースで28層を駆け抜けた。それというのも、さっきの彼との交換条件で、彼が通ってきた道を教えてもらい、そこをできるだけ早く通りたかったからだ。

 このダンジョンの罠は、『貴の山』と違ってトラップモンキーのようなモンスターが仕掛けるのではなく、ダンジョンに自動で生成される。1度発動、もしくは解除されてしまえば、再度生成するには時間がかかる。なので、誰かが通った後をすぐ通って行けば、モンスターはいるかもしれないが、広間によくあるモンスターを呼び寄せる罠も、モンスターを召喚する罠も発動せずに進むことができる。この階層だけとはいえ、戦闘回数を減らすにはかなり有効になるだろう。


 そんなこともあり、28層は過去最速じゃないかと思えるほどの短時間で突破することができた。さすがに終盤の方の罠は再生成されていたが、うまく解除できるタイプが多くて助かった。

 29層からは26層と同じように進むことになったが、普段の晩御飯の時間よりも若干遅いくらいに30層の安息所にたどり着くことができた。途中、30層の転移陣を有効化したりして28層でできた時間の余裕もなくなってしまったが、今日はこれくらいだろう。このペースで来れるなら1度外に出てもいいかなと転移陣を有効化するときに話し合ったが、結局当初の予定通りに進むことにした。





 30層は転移陣のある階層ということも関係あるのか、安息所には他にパーティはいなかった。安息所でモンスターに襲われる心配はないが、もしも他のパーティが入ってきても邪魔にならないような奥の方にハウステントを設置して、交代で休むことになった。




 次の日、ハウステントを片付けて攻略を再開したが、ペースはそれまでよりも一層遅くなった。その理由はいくつかあげられるが、一番の理由はゾンビだった。

 もっと前の階層で1度だけ戦ったゾンビだが、この30層からは普通に出現する。安息所までに出会わなかったのが奇跡なほどだ。

 ゾンビは、スケルトン系と違い、頭を砕く方法では倒し切れない。ヒツギ曰く、武器(棺桶)に魔力をともした上できっちりと頭を砕けば倒せると言っていたが、『鬼の一撃・付与』や『獣の一撃・付与』では無理だった。火や光にも弱いから、俺は『火炎壁』や『ブレス』なんかで燃やして対処しているが、武器が短剣で、魔法を使えないキャラビーには決定打がなく、その分マナの魔力の消費が激しくなってしまったのだ。実際にはそれだけでなく、下手に頭とかをはねてマナの方にその肉片がとんでいったりしないように気をつけて倒しているというのもあるが、やはり厄介だ。上位のゾンビにならないと回収できるものもないし、臭いし。

 しかし、この臭いというのは悪いことだけではなかった。

 猫獣人であるキャラビーは、俺たちよりも鼻がかなりよく、俺たちよりも早くゾンビの存在に気が付く。なので早めに対処ができるのだ。俺が買い取るよりも以前の奴隷時代の経験から悪臭をものともしないのもそれができる要因かもしれない。いいことか悪いことかは別として。


 そんな新たな発見もありながらも、俺たちはダンジョンの中をゆっくりと先に進んでいった。




どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 LvMAX(99)

 狙撃主 LvMAX(70)

 獣人  LvMAX(20)

 狂人  LvMAX(50)

 魔術師 LvMAX(60)

 聖???の勇者Lv15/??

 薬剤師 Lv51/60

 ローグ Lv31/70

 重戦士 Lv39/70

 剣闘士 Lv30/60

 神官  Lv19/50

 龍人  Lv2/20

 精霊使いLv4/40

 舞闘家 Lv4/70

 大鬼人 Lv2/40

 死龍人 Lv1/20

 魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90

 上級獣人Lv1/30

 魔導士 Lv1/90 』

前話で階層がおかしくなっている箇所があり、訂正しました。

25層→25層→26層となっていたのを

25層→26層→27層という変更です。25の次は26だよね…


ではまた次回

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