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石碑の話です2


 部屋の奥に飾られているというよりは、地面に突き刺さっていると言ったほうが似合いそうな状態でその石碑はあった。高さは俺とあまり変わらないくらいだが、横は3mくらいはあり、真っ黒い黒曜石の様な岩の一面だけ切り取られていて、周りはまるで整えられてないこともあってかなり重厚感を感じる。


「こちらが一枚目の石碑になります。私は離れていますので、読み終わりましたらお呼びください」


 ロクはそう告げて部屋の入口の方まで戻り、こちらに背を向けて耳栓をした。よく見えないけど目隠しもしてるのかな。


「あいつには内容は聞こえないようにしてもらっている。念のためだがな。もし足りないというのであればサイレンスの結界を張っても構わんが、俺は使えないぞ?」


「そうですね。マナ、頼めるか?」


「うん、任せて」


 マナが石碑と俺たちをちょうど囲めるくらいの範囲で結界を張った。よく見ると2重に張っているのがわかるが、ぱっと見一枚に見えるように張られていた。前より結界が精密になってる気がするな。


 結界を確認した俺は深呼吸をして石碑の内容に目を通した。


『この石碑をお読みになっている皆様方、日ごろは益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

 この石碑が人目に触れているということは、私はすでに亡くなっていると思います。今は私が亡くなってからいったい何年が経過しているのでしょうか? まあ正直細かいところは気にしていませんが、予想としては726年くらいなのではないでしょうか?


 あ、今違うと思いました? 思いましたよね? 細かいところは気にしないとか書いておきながら1年単位で細かく聞いてきてるとか細かいとか思いました? 思ったよね?

 そんな風に思ったそこのあなた、あなたにはあなた自身が思っているよりもつっこみという職業には適性がございません。万が一、つっこみという異世界の職業に思いをはせているのでしたら、すぐにあきらめて他の職業を目指すべきです。

 めちゃくちゃ細かく指定してんじゃねーか、うわーお! と跳びあがり、大きく口を開けて驚き慌てふためいた方。あなたにはもしかしたらつっこみという職業には才能があるのかもしれませんが、人間としては終わりに終わっています。一度教会に行ってすべての罪を吐き出し、人生をやり直すことをお勧めします。もしくは最寄りのダンジョンに赴き、魔物に餌をあげることをお勧めします。


 あ、今イラッとした? イラッとした? 私は今あなたが怒りの表情を浮かべているのだと考えると、すごく楽しいです』


「……」


 一段落読み終えたところで周りを見ると、マナとアハトさん、それからキャラビーまでもが顔をしかめる中、無言でヒツギが背負っていた棺桶を降ろし、鎖に手をかけた。


「早まっちゃダメだってヒツギ! 壊したらダメ!」


「離してマナ! 石碑(こいつ)壊せない!」


「壊しちゃダメなんだって!」


 マナが後ろから羽交い絞めにして止めるが、ヒツギの苛立ちは収まらないようだ。キャラビーもアハトさんもおろおろとしている。俺も一緒になって宥めて、5分くらいかけてなんとか落ち着かせることに成功した。その際、棺桶は一旦地面に置かせたが、次に取ろうとしたら棺桶を結界から出しておくことも考えないといけないかもしれない。


 俺たちは、ヒツギが落ち着いたところで再び視線を石碑に戻した。


『私が楽しんだところで、ひとまず本題に入ろうか。私にはもう限られた時しか残されていない。

 私の名前はセン・グーテン。元はデルフィナの騎士団の団長を務めていた男だ。王の名はバーナ・マ・カシュマ様。調べてもらえばすぐにわかる名前だと思う。魔王がいない時代に召喚の儀を行った愚かな王だと。あるいは、先見の明があった賢王だと。


 まず、この石碑についてだが、できることなら王族以外の者には読まないでいただきたい。私の一族か、王族の子孫たちによってきちんと管理されていることを望むが、万が一適切に管理されずに野ざらしになっているのであればこの石碑は壊してもらってかまわない。どうせ読むことができるのはこの1枚だけだろうから。

 この石碑は、我が友の力を借り、地中数十mまで沈めてあり、等間隔に9枚に分けて設置してある。極めて頑丈にできているが、一度綻びが生まれてしまえば非常に脆い。移動は考えないでほしい。他の8枚はこの石碑に刻む予定の忠告を受け入れてもらえていない限り読めないように刻んでおく。そこには、私が友と旅をして、そこで学んだことを記す。


 忠告とはただ1つ。異世界から人間を呼んだならば、その人間を絶対に蔑ろにしてはならない。国をあげて保護し、場合によっては複数の国と協力関係を結んででも大切にしなければならない。この旅を通じて、私はそのことを心の底から思い知らされた。

 もしその人間がニホンゴと呼ばれる言語を読み解ける方であれば、この石碑の2枚目以降の文章を読むことができる。ニホン人に充てた私の願いも最後に記しているからぜひ読ませてやってほしい。ただ、4枚目以降の文章は誰にも伝えず、自身の心のうちにしまっておいてほしい。絶対というわけではないけれど、心からお願い申し上げます。』


 石碑の文章はそこで終わっていた。少なくとも今代の王はこの忠告を無視したということだろうな。いや、天上院はきちんと保護していると考えれば完全に無視したわけではないのか。読んでいたのかはわからないけどな。


「次の石碑を読みに行きたいんだけど、先に行ってもいいですか?」


「いや、もう全員読み終わっただろう。ロクを呼んでくるから少し待ってほしい」


「わかりました」


 ヒツギが落ち着いた様子でアハトさんに尋ねた。自分は日本語が読めると宣言しているようなものなのだが、アハトさんもすでに承知の上だろうし、すぐにロクのもとへ向かった。アハトさんが結界から出るのを待って、ヒツギが呆れたように視線を石碑から俺に移した。


「そんなじっと見ないでも、もう壊そうとは思ってないって。そんなに信じられない?」


「さっきの様子を見てるとな。さすがに壊したら俺たち大罪人だぞ?」


「さっきはちょっとカッとなっちゃったけど、もう大丈夫だから。あいつがこういう面倒な男だってことを再確認したわよ」


「人をからかうってことか?」


「それもあるけど、他にも思い出しちゃってね」


「そっか」


「2人もこっち来たからサイレンスを解くよ。気をつけてね」


 マナがそう言って結界を解除した。続きはまた後だな。


「では次の部屋に行こう。ロク」


「かしこまりました。こちらへどうぞ」


 俺たちはロクのあとについて次の部屋に向かった。



どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 LvMAX(99)

 狙撃主 LvMAX(70)

 獣人  LvMAX(20)

 狂人  LvMAX(50)

 魔術師 LvMAX(60)

 聖???の勇者Lv15/??

 薬剤師 Lv51/60

 ローグ Lv31/70

 重戦士 Lv39/70

 剣闘士 Lv30/60

 神官  Lv19/50

 龍人  Lv2/20

 精霊使いLv4/40

 舞闘家 Lv4/70

 大鬼人 Lv2/40

 死龍人 Lv1/20

 魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90

 上級獣人Lv1/30

 魔導士 Lv1/90 』

今回は少し短めになっています。(コクトー比)

ニホンゴ、ニホン人、つっこみ、は誤字ではありません。


ではまた次回

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[一言] 某オンラインゲームのスタッフが面白半分でやった"埼◯県、月◯事件"でしょうか? お兄ちゃん退いて、そいつ殺せない!
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