ソルミアのギルドです
久しぶりのメイ視点です。
ソルミアの町についてから4日が経った。
ソルミアの町の周辺にはダンジョンがなく、離れたところにある森からごくまれにレッサーウルフなどの低ランクのモンスターが出てくるだけなので、とにかく依頼がない。冒険者ギルドも小さな一軒家くらいの大きさだったし、依頼掲示板にある依頼もたったの3枚だけだった。しかも全部薬草採取。アハトさんが来てないか確認するために日に一度はギルドに行っていたが、依頼は受けずに露店を見て回ったり、部屋でのんびりと過ごしていた。研究中でも食べれるようにってことかはわからないけど、サンドイッチの種類が豊富だったからつい買いすぎてしまったけど、まあ食料が増えるのはいいことだよね。
そして、今日も俺たちはギルドにやって来た。
「こんにちは。今日もいつもの用件か?」
ギルドに入ってすぐ、ここ3日で顔馴染みになった中年の職員さんに呆れたような顔で迎えられた。
「直接渡さないといけないので仕方ないんですよ」
「あの方のことだから、すっぽかしたりはしないけども、あんたらも大変だねぇ。まぁ残念ながら来てないんだけどね。どうせ来たならおっさんの話し相手にでもなっていくかい?」
「初日で懲りてるので」
「ナチュラルにセクハラしてきたからねー」
「その節はすまなかったってば。ここは見ての通り暇だから人に飢えてたんだよ」
「次やったら毛根ごと燃やしますからね」
「それだけは勘弁してくれ! 娘にハゲなんて言われたら私は耐えられない!」
既に彼の頭に肌色が目立ちはじめている点には触れず、今日も来てないことを確認して俺たちはギルドをあとにした。
しかし、宿に戻るために大通りを歩いていると、後ろから「おーい」と手を振りながら職員さんが走ってきた。
「はぁ。はぁ。ちょ、ちょっとまって、げほっ! がほっ。……ふぅ、おか、しいな、息苦しい……」
「『慈愛の光がその身を癒す』ヒール」
肩で息をする職員さんの様子を見かねて、マナが弱めの回復魔法を使った。職員さんはお礼を言いながらもういいと手でマナを制し、用件を話し出した。
「君たちが帰ってすぐにギルドマスターが来たんだ。今はギルドで待っているから来てくれないかな?」
「わかりました。すぐに行きましょう」
「え、休憩は」
何か言い出そうとしていた職員さんを無視し、俺たちはギルドへ向かって、来た道を引き返した。
ギルドに入ると、アハトさんが一つしかない受付に座り、書類を読んで待っていた。
「お、来たな。ドムドム、ご苦労だった。今日はギルドマスター権限でギルドを閉める。お前も仕事が残ってなければ今日は家に帰って構わんぞ」
「はっ。それでは、本日は失礼します」
職員さんは、背筋をピンと伸ばして答えると、さっきまでぜぇぜぇ言っていたのが嘘のように、軽い足取りでスキップしながらギルドから出ていった。
「入り口を閉めてくるから、先に奥で待っていてくれ」
俺たちはアハトさんの言葉に従い、受付の横の通路を通って奥の部屋に向かった。ここのギルドは部屋が入り口とこの奥の部屋の2つしかないからか、中に入ってみると棚には書類や冊子がびっしりとつまっており、入りきらない分が壁際に山積みになっていた。家具も作業用と思われる机と、来客用のソファが3つ。それ以外には何もない。まあ他の物を置いたら足の踏み場がなくなりかねない気もするけど。
それから、すぐにアハトさんも入ってきた。手元には魔法袋と、さっき見てたものらしき書類の束を抱えている。その書類には、他の書類にはない極秘って文字が見えた気がするんだが気のせいということにしておこう。下手に藪をつついて蛇が出たら嫌だ。
「さあ座ってくれ。さっそく依頼完了手続きをしよう。道中に何か問題はあったか?」
「襲撃がありました」
「すべて話してくれ」
「襲ってきたのは例の片角の龍人。ローブで姿を隠してるという話でしたが、盗賊を狩った際に汚れたからと、紫の和服に白い仮面をしていました。向こうの事情が変わったらしく、戦闘の途中で転移魔法を使う女がやってきて、転移でどこかに行ってしまいましたが、正直助かったというのが本音ですね」
「事情が変わったとはどういうことだ?」
「詳しくはわかりませんよ。地獄耳でもないですし、いつ戦闘が再開されるかわからなかったのでそんな細かい内容まで覚えてられません」
「致し方ないか。ならばその女の特徴は覚えていないか? どんな些細なことでも構わない」
「龍人の男からはラストと呼ばれていました。転移魔法といってもかなり独特で、空中に出現させた渦をどこか別の場所につなげる魔法のように見えました。転移魔法はあまり見たことがないんですけど、少なくとも初めて見る魔法でした」
『アントホーム』でヒメが砕いたコアのことだとか、ヒツギとラースの関係など、一部話せないことはあるけど、それ以外のことは一通り話した。初めて見たっていうのは嘘だけど。
「昔の資料に同じような魔法の存在がないか確認させよう。幸いこの町はその手の資料には事欠かん。転移魔法の研究は大昔からなされているから、そのような独特なものならおそらく何らかの手掛かりがあるはずだ。その対処法の研究もされているかもしれないし、何かあれば連絡を入れよう。この後はグリムに戻るのか?」
「その前に例の石碑の件を忘れてませんよね?」
「もちろんだ。ダンジョンコアを渡してもらうのも忘れてないからな」
「直接ここに出していいんですか?」
「ああ。すぐに魔法袋にしまうから大丈夫だ。この袋は特別製でな。中に入れたものを数時間だが封印することができる。かなり魔力を使わないといけないし、一回ごとに大量の希少な触媒が必要になるからあまり使えないが、ここから研究室に運ぶだけなら問題はない」
「じゃあこの箱です」
俺はアイテムボックスからダンジョンコアの入った箱を取り出してアハトさんに渡す。アハトさんは、箱のふたを開け、中身を確認すると、すぐに蓋をして魔法袋にしまった。もう少しきちんと調べるかとも思ったが、ほんとに見ただけだった。解析もしてないみたいだけど、それでいいのか?
「君たちのことは信じているし、あの箱は蓋が開けられたらわかる仕組みになっているから大丈夫だ」
顔に出ていたかな?
「すまないが、すぐにこれを研究室に運ばなければならないから失礼する。ギルドも閉めてしまうから出てもらえるか?」
「はい」
「この後はグリムに戻るのか? それならば、さっき言っていた連絡はカラスを通して行うが」
「石碑の件忘れてませんか?」
「忘れてなどいない。私は約束は守る男だ。明日か明後日、どちらでも構わないからギルドに来てくれ。おそらく私は奥にいるだろうから、ドムドムに伝えてもらえればすぐにでてくる」
「わかりました。なら明日でお願いします」
そう約束して、俺たちは宿に戻った。
そして次の日、俺たちは朝からギルドに向かった。
どうもコクトーです。
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX(10)
格闘家 LvMAX(50)
狙撃手 LvMAX(50)
盗賊 LvMAX(50)
剣士 LvMAX(50)
戦士 LvMAX(50)
魔法使いLvMAX(50)
鬼人 LvMAX(20)
武闘家 LvMAX(60)
冒険者 LvMAX(99)
狙撃主 LvMAX(70)
獣人 LvMAX(20)
狂人 LvMAX(50)
魔術師 LvMAX(60)
聖???の勇者Lv15/??
薬剤師 Lv51/60
ローグ Lv31/70
重戦士 Lv39/70
剣闘士 Lv30/60
神官 Lv19/50
龍人 Lv2/20
精霊使いLv4/40
舞闘家 Lv4/70
大鬼人 Lv2/40
死龍人 Lv1/20
魔人 Lv1/20
探究者 Lv1/99
狙撃王 Lv1/90
上級獣人Lv1/30
魔導士 Lv1/90 』
久しぶりのメイ視点です!
前は279話だったので7話ぶりですね。
ではまた次回