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道中の襲撃者です1

 俺たちがグリムの町を出てから10日、ヒメのご飯からお肉の量が減ってから3日が経った。道中は順調そのもので、昼頃になって、しばらく続いていた森を抜けて、平原にさしかかっていた。御者席に座っているため風を真正面に受けて心地いい。


「そろそろ休憩にしようよ。平原(ここ)なら見晴らしもいいし、天気もいいから外で食べよ?」


「賛成! お昼は昨日の夜警の時に作っておいたから大丈夫」


「そうか? ありがとな、マナ」


「ご主人様、休憩でしたら少し進んだところに木が生えているみたいなのでそこでしてはどうでしょうか? 馬をつないでおくのにもちょうどいいですし」


「そうしようか。よっと!」


 俺は馬をすぐそこに見えていた木のそばまで走らせた。




「かうー」


 休憩を始めて30分くらいが経った。昼食はすでに食べ終え、今は、出された野菜を全て食べきることでお肉の増量を勝ち取って、満足そうに寝ているヒメを撫でながら木陰でのんびりとしていた。御者席で風にあたっている俺はともかくとして、食べてすぐに馬車で揺られるのは嫌だろうし、それで吐かれたりしたら嫌だ。3人ともあまり乗り物には酔わない体質らしいから大丈夫かもしれないけど念のためだ。馬も出された野菜(ご飯)を食べ終え、今はのんきに自分たちの届く範囲の草を食べていた。


「ここで昼寝でもすれば気持ちよさそうだな……」


 葉の間から漏れてくる心地よい日差しを見ながらそう呟いた、その時だった。


「かう」


 気持ちよさそうに寝ていたヒメが突如起き上がった。いつものような、寝惚けてフラフラな感じではない。明らかに何かを感じ取ったことで目を覚ました感じだ。


「マナ、ヒツギ、キャラビー! 警戒しろ! ヒメが何かを感じ取った」


 離れていたのでワンテンポ遅れたカルアが馬の背に降り立った。2頭の馬は急に雰囲気の変わった俺たちに、どうしたらよいのかわからず、あたりをうろうろと見まわし始めた。何か見つけても今はまだ木につながれているから動けないのだが、暴れられても困るし先に一旦避難させるべきか?

 アイテムボックスからステュラと剣閃龍の直剣を取り出したところに、3人が俺のところに集まってきて、マナを中心にして俺とヒツギとキャラビーで3方向を見れるように陣を組む。


「強度重視にしとくよ。その分範囲は少し狭めだから」


 俺たちと、その周囲5mくらいを囲むような結界が張られた。たしかにいつもよりは少し狭めだが十分だ。マナのことだから、俺の『全方位結界』とは違って物理と魔法の両方の結界を張ってくれているはずだし、たとえ襲撃犯が攻撃してきても1発なら耐えてくれると信じたい。


「ぐるぅうううう」


 ヒメがこれから進もうとしていた方角を向いて唸る。しかし、平地で見晴らしもいい状態であるのにも関わらず、俺の視界には敵らしき姿は欠片もなかった。それまでと変わらないのどかな風景だ。『気配察知(魔物)』も、『気配察知(人)』も何の反応もなかった。


「かあう!」


「上か!」


 ヒメの顔が上を向くのと同時に俺たちも上を向いた。その視線の先には、ラムダさんたちが言っていた片角の龍人(ドラゴニュート)の姿があった。ローブ姿ではなく、紫色の和服を着ていて、顔は真っ白い仮面に隠れているためわからないが、頭上に刀を振り上げ、背中に生えた翼を羽ばたかせてこちらに向かってくる。あれはやばい感じがする!


「離れろ! 『強鬼化』『不動明王』」


 3人は俺の言葉を聞いて即座に俺から離れた。俺は剣閃龍の直剣を地面に突き刺してステュラを両手持ちに切り替えて頭上に掲げた。『強鬼化』の状態ならステュラの刃の方をつかんでも手を切り落とされることはないだろう。


 マナの張った結界を紙でも裂くように切り裂き、そのままの勢いで俺めがけて刀を振り下ろしてくる。それをステュラで受けるが、かなり重い。『不動明王』のおかげで押されるようなことはないが、若干手に刃が食い込んでいる。これは『鬼化』のままだったらやばかったかもしれない。


「っらあ!」


 『鬼の一撃・付与』でステュラを強化し、『剣閃』で勢いをつけて刀を押し返した。龍人(ドラゴニュート)は反動を活かして俺から距離をとり、翼を羽ばたかせてゆっくりと地面に降り立った。


「お前が例の襲撃犯だな。ローブを羽織っているって聞いてたんだが、姿を隠さないでいいのか?」


「つい先ほど己の分をわきまえぬ盗人どもの返り血で汚れてしまってな。やむを得ず仮面をつけておるというわけだ」


 龍人(ドラゴニュート)はやれやれとでも言うように頭を軽く振りながら俺の質問に答えた。こう話している限りだと敵意をまるで感じないが、その立ち姿には微塵も隙が無い。


「しかし、私の気配に気が付いたのは純粋にほめておく。これまでの連中で気が付いたのはお前たちが初めてだ。あいつほどではないが私もそれなりに気配を消すのには長けているのだぞ。ふむ、気づいたのは……そこのホワイトタイガー、いや、白虎(・・)の幼体か?」


「ヒメ、戻れ(ハウス)


 やつの視線がヒメに向いた瞬間に俺はヒメを戻した。ヒメにも当然マナの『隠蔽する力』は使ってあるし、ホワイトタイガーとしか表示されないのに、やつは白虎の幼体だと言った。それはつまり、白虎の存在を知っているということだ。嫌な予感がする。


「なぜ俺たちを襲った? 憤怒(ラース)さんよ」


「ほう、私のことを聞いていたか。これはあたりを引いたようだ」


 やつの仮面の下から上がった口角の端が見えた。笑っているようだな。


「答えるとは思っていないが一応聞いておこう。お前たちの中に当たり(・・・)を持っているものがいるか?」


「当たりってのがなんのことなのかはわからないが、空の箱なら持ってるぜ?」


「そうか。アイテムボックスから取り出すのは面倒なのだがやるしかないか。殺しはしない。少し動けなくなってもらうだけだ。安心するといい」


「少しも安心できない話だ。なぜお前らはダンジョンコアを狙う?」


「それを話したらおとなしく渡してくれるのか?」


「あいにくと魔王に手を貸すようなまねはできないな。魔族や悪魔にはいい思い出がないんでね」


「そうか。別に話す分にはかまわんが、私から言えることは、あれは我らの王が管理するべき物だということだけだ」


 やつの気配が変わった。刀を構えてこそないが、わずかに刀を持つ手が上がっていた。


「あんたにはいろいろと聞かなきゃならないことがある。俺も初めから全力でいかせてもらうぞ」


「まずはお前を倒さねば後ろの3人には話は聞けそうにないな。これでも昔よりは力を増している。以前あの男と斬り合った時よりは強いぞ?」


「その基準がいまいちわからんから何とも言えないが、やられるつもりはない」


「はっはっは。おもしろい。魔王様直轄の魔将が1人、憤怒(ラース)参る!」


 そして俺たちとその龍人(ドラゴニュート)憤怒(ラース)の戦いが始まった。



どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 LvMAX(99)

 狙撃主 LvMAX(70)

 獣人  LvMAX(20)

 狂人  LvMAX(50)

 魔術師 LvMAX(60)

 聖???の勇者Lv15/??

 薬剤師 Lv51/60

 ローグ Lv31/70

 重戦士 Lv39/70

 剣闘士 Lv30/60

 神官  Lv19/50

 龍人  Lv2/20

 精霊使いLv4/40

 舞闘家 Lv4/70

 大鬼人 Lv2/40

 死龍人 Lv1/20

 魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90

 上級獣人Lv1/30

 魔導士 Lv1/90 』

少し間に合いませんでした。

次回は土、日とパソコン使えないので少し遅れます。


ではまた次回

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