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貴の山ボスです1


 『貴の山』のボスに挑む当日の朝、俺は早めに起きて昨日作ってもらった武器の感覚をつかむために素振りをしていた。これらの武器は今日は全く使う気はないが、後々挑むだろう『明の洞窟』で使うことになるだろう。『明の洞窟』はスケルトン系などのモンスターが多いと聞く。絶対に剣よりも棍棒やハンマーの方がいいだろう。まあまずは今日勝たないと意味がないけど。

 ある程度感覚に慣れてきたくらいで鍛錬を切り上げ、風呂で汗を流すために館に戻った。



 館で朝ごはんを食べ、休憩がてら色々と準備を済まし、俺たちは『貴の山』のボスに挑むため、45層に向かった。


 45層からゆっくりと進み始めた俺たちは、20回ほどの戦闘を経て、夕方くらいに49層の終わりまでやってこられた。各種グロウモンキー系の上位種が複数体の群れで襲ってきていたが、目新しい敵はいなかった。さすがに今更新しい敵に出てきてほしくはないが、ボスの取り巻きで出てくる可能性があるのなら戦っておきたかったと思わなくもない。


「ようやく頂上みたいだね」


「転移陣で移動する前に休憩をはさんでおこうか。モンスターは……頂上でも襲ってくるかな?」


「襲ってくるみたいです。『怒涛のティラノス』が挑んだ際にも、転移陣前で休憩中に襲われたとか」


「クエイクで囲んで休む? それとも結界を張っておこうか?」


「結界を張るならあんまり休憩にならないじゃん」


「コルクに頼むわ。昨日も言ったけどコルクは出さないつもりだし」


「心得た」


 俺の隣に魔方陣が浮かび、そこからコルクが出てくる。46層で1組の冒険者が戦っているのを見かけただけだし、誰かがやってくる可能性はあまりないだろうからコルクを見られる心配は少ないだろう。


「じゃあ30分くらい頼むわ。20分くらい休んだら作戦会議するからそのつもりでな」


 俺たちは、武器の最終点検だったり、軽食をとったりと、各々休憩をとることにした。




 それから20分後、転移陣の前に集まりなおした俺たちは、ボスに挑む前に作戦会議を始めた。すでに館にいるアンナ以外全員を呼び出してあり、25層の時のように転移してから呼び出し、指示をしなくて済むようにしておいた。あの戦いの後でやった反省会で出た反省を活かしてな。正直、あそこでゼルセたちを呼び出したら混乱必須だっただろうけど、呼び出して指示を出している間は向こうは自由に動けていたわけだから、相手が包囲する時間を与えていたことになる。まして、今回は前回は参加していなかった黄龍も参加させる予定だから余計にだ。


「さて、まずは情報を確認しなおすか。ボスはドングロウモンキーか、真・ドングロウモンキーとその取り巻きとして大量のグロウモンキー系モンスター。初っ端でどれだけ減らせるかが大きなカギになってくる」


「そこで私の出番ってわけだよね。先手必勝で広範囲にダメージのある強力な魔法を使う。もし1人だったならサモン・フェニックスを使うところだけど、ここはメテオレインにしとくよ。だからいいって言うまで私より前に出ないでね」


「わかった。できるだけ俺の方に注意が向くように工夫してみるけど、そっちにいったらヒツギとカルアで牽制して防いでくれ」


「了解。私の棺桶ならマナの魔法でも砕けないからマナも思いっきりやっていいよ」


「ありがとヒツギ。カルアもお願いね」


「くえー!」


「みぃちゃんとキャラビーと黄龍はメテオレインを耐えるなり避けるなりして左側から回り込んできた個体を襲ってくれ。数の利を活かして包囲しようと動いてくるはずだから少なくない数がそっちに行くと思うけど大丈夫か?」


「たぶん大丈夫だと思います。ただ、囲まれるほど多く来られてしまうと厳しいと思います」


「われがいるからだいじょうぶなのだ!」


 いつの間にかみぃちゃんの頭の上にちょこんと座っていた黄龍が元気よく答えた。……不安だ。


「お願いしますね」


「まかせるのだ!」


 キャラビーの言葉になぜか荒ぶる鷹のポーズで答える黄龍。足場が不安定だからふらふらしてるじゃんか、あ、こけた。


「……右側はゼルセとヒメ。ヒメは対多数にはそんなに向いてないからゼルセがフォローしてやってくれ」


「かう!」


 俺の頭の上(いつもの場所)で右前脚をあげるヒメ。いい返事だが、お前はフォローされる側だぞ。そのフォローする側であるゼルセは、少し離れて、休憩中に呼び出したときにたまたま襲ってきたヘルモンキーにかぶりついていた。大丈夫かなぁ……。


「それで、メイは一旦敵を引き付けて、その後転移でボスを直接狙うんだよね。レオウルフキング単体より強いみたいだけど大丈夫?」


「レオウルフキングとは違って分身したりしてこないなら大丈夫だよ。『不動明王』で抑えきれないほどの力があるなら別だけど、そこまでではないみたいだし、取り巻きを殲滅し終えるまで耐えれば俺たちの勝ちだ。それなら『ダークネスチェーン』で動きを封じるなり、『アイスロック』で止めるなりして時間を稼ぐから。頼りにしてるぞ」


「そう言われたら断れないけど、危ないと判断したら作戦無視してでもヒツギに援護に行ってもらうからね。私も別に接近戦ができないわけじゃないし」


「そうならないように何とかするわ。あとはなにかあるか?」


「ご主人様、取り巻きの中にトラップモンキーがいた場合はどうしますか? 自由にさせていたら気づかないうちに罠だらけにされてしまうかもしれません」


「その可能性もあるか……。罠を仕掛けられるとキャラビーは声が出せなくなるし、厳しいよな」


「……申し訳ありません」


「いや、攻めてるわけじゃないから。そうだな……トラップモンキー自体の戦闘能力はさほど高くないし、見かけたら優先的に狙うくらいしか思いつかないかな」


「私が狙おうか? 最初に見つけられたらメテオレインの密度をそこだけあげて確実に仕留めにいくのも手だよ?」


「最初に見つけられたらそれで頼む。途中で見つけたら……ヒメ、速攻で頼む」


「かうかう?」


「ヒメはゆうせんで? って聞いてるぞ!」


 黄龍がヒメの言ってることを翻訳してくれた。ほんとならヒメの言葉を俺に伝えるのはアンナの役目なんだがな。「ヒメ様はー」とか言って。まあ今はアンナがいないし、スムーズに進むからありがたいけど。


「ああ。一時的にならゼルセから離れても構わない」


「かーう!」


 今度は翻訳がなくてもわかるな。俺がヒメの言葉をわかるようになればいいんだけど、そうそううまくはいかないもんだな。上級獣人のレベルを上げていけばいずれわかるようになるかな? 獣人ではだめだったけど、上級ならばなんかこう、動物と心を通わせるとかなんとかでヒメの言葉がわかるようになったり……しないよなぁ……。



 こうして、作戦会議を終えた俺たちは、それぞれの武器をしっかりと握りしめ、ボスのいる空間へとつながる転移陣の上に移動した。



どうもコクトーです。



『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 LvMAX(99)

 薬剤師 Lv49/60

 聖???の勇者Lv15/??

 狙撃主 LvMAX(70)

 獣人  LvMAX(20)

 狂人  Lv49/50

 魔術師 LvMAX(60)

 ローグ Lv30/70

 重戦士 Lv37/70

 剣闘士 Lv28/60

 神官  Lv18/50

 龍人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40

 舞闘家 Lv1/70

 大鬼人 Lv1/40 

 死龍人 Lv1/20

 魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90

 上級獣人Lv1/30

 魔導士 Lv1/90 』


昨日は私用で疲れ果ててしまいまして、遅くなりすいません。


いよいよ次回はボス戦です!

果たして、メイたちは無事『貴の山』を攻略することができるのか!?


ではまた次回

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