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貴の山です4

 『貴の山』の25層のボスは、必ずグロウモンキーの上位種が1体と、その取り巻きとなるモンスターが1~50体だと決まっているらしい。25層までに出現するモンスターの中からランダムに選ばれるため、過去には20体ものグロウモンキーソルジャーが取り巻きとして出現したなんてこともあったらしい。その時は挑んでいたパーティが仲間を6人失いながらもなんとか倒したらしい。余談だが、その生き残りはこの町を離れ、宿屋を始めて大成功を果たしたらしい。


「来い! ゼルセ、カルア、ヒメ!」


 俺は転移してきた瞬間に予定通り3体を呼び出した。今目の前に広がる光景を思うに、あらかじめ決めておいて正解だっただろう。


「「「うきゃきゃ、うきゃきゃ」」」


「「「うきー、うききき」」」


「「「うっきゃーきゃきゃ」」」


「この場合ボスはどいつになるんだ?」


「どれになるんだろうね?」


「これもしかして上位種の最多記録なんじゃない?」


「みぃちゃん、お願いしますね」


「がう」


 『鑑定』を使って目の前のモンスターたち(・・)を調べていく。


『グロウモンキーソルジャー』

『グロウモンキーレンジャー』

『グロウモンキーケンジャー』

『グロウモンキーニンジャー』

『手長魔大猿』

『グロウモンキーマジシャン』

『グロウモンキーアーチャー』

『グロウモンキーランサー』

『ヘルモンキー』

『ヘルグロウモンキー』


 これらの上位種のモンキーがそれぞれ3体ずつ、それから普通のモンキーとグロウモンキーが合わせて20体。この中の1体がボスだと考えれば取り巻きの数は49体で最多には1体足りないのだが、取り巻きの中に上位種は29体。記録更新だ。


「上位種が多いのは想定外だけど予定通りな。ゼルセは周りを巻き込まない程度に自由、カルアはマナの補助、ヒメは俺と遊撃な」


「「「がぁあ! (くえ!)(かう!)」」」


 呼び出した3体に指示を出して俺もステュラを手に駆けだした。予め決めていた予定では、俺とキャラビーが遊撃で魔法を使ってくるタイプのモンスターを担当し、マナとヒツギが迎撃しながら周りを倒すまで耐えるという予定だった。マナの魔法を考えればその前に殲滅しそうだけど。

 そうして戦闘が始まった。




 戦闘が始まってすぐ、モンキーたちは俺たちのように前衛、後衛、遊撃に分かれ始めた。足の速いグロウモンキーニンジャーやグロウモンキーレンジャーが遊撃、グロウモンキーマジシャンやグロウモンキーアーチャーなどが後衛で、残りは前衛と、かなり偏った編成だが、前衛の数を活かして俺たちを包囲しようと動いていた。まあさせないけどね。

 右側から俺とヒメ、左側からみぃちゃんに乗ったキャラビーが包囲される前に囲いの外に抜けた。同時にマナたちの正面に位置するモンスターにゼルセが大剣を振り下ろしていた。その一撃で避け損ねたモンキー2体が真っ二つになる。


「ヒメ、攻めるから防御は任せた」


「かうあう!」


 包囲をあきらめて俺の方に向かってくる数体のモンキーたちをヒメに任せて俺はこちらに矢を向けているグロウモンキーアーチャーたちに『ダークランス』を放つ。グロウモンキーアーチャーたちは弓を降ろして回避しようと動くも、それを囲むような軌道で数本を向かわせていたため、それらをまともにくらうことになった。


「うきゃきゃ、うきゃきゃきゃ、うきゃー!」


 すぐそばに構えていたグロウモンキーケンジャーが詠唱とともに杖を掲げると、『ダークランス』が刺さったグロウモンキーアーチャーたちの体が光で包まれた。しかし、すでにこと切れているグロウモンキーアーチャーには何も効果がなく、ピクリとも動かなかった。

 効果がないことに焦ったのか、すぐに次の詠唱を始めたグロウモンキーケンジャーだが、その額に俺の放った『ニードル』が突き刺さる。そのまま後ろ向きに倒れこむグロウモンキーケンジャーを心配するように近くにいたモンキーが駆け寄るが、そのモンキーの首を半透明な牙が嚙み切った。ヒメがやったのだろう。


「うきゃぁああああ!」


 「隙ありぃいいい!」とでも言いたげなグロウモンキーニンジャーが俺の右後ろから下段で切り上げてくる。俺は『小規模ワープ』で少し上に下を向いて跳び、『空蹴り』で勢いをつけて『獣の一撃』でグロウモンキーニンジャーの頭を文字通り地に沈めた。拳に頭蓋骨が割れるばきっという感触があって少し気持ち悪いな。


 拳に残る感触を意識しないように周囲に意識を向けてみると、すでに周りに動いているモンスターはいなかった。今倒したグロウモンキーニンジャーが最後の1体だったようだ。すぐに倒したモンスターたちが消えて中央あたりに宝箱が現れた。レベルは何も上がらなかったか……。

 俺たちは宝箱の周囲に集まった。




「みんなお疲れ様」


「特に問題はなかったね」


「ゼルセとヒツギが敵を近づけさせなかったから私も楽だったよ」


「私もまだ余裕がありました。あとご主人様、宝箱には特に罠は仕掛けられていないようです」


「そっか、ありがとな。みんな怪我とかなさそうで何よりだ。しかし驚いたな。あれだけ上位種がいるとは思わなかったし」


「完全にランダムみたいだからね。いつぞやの『アントホーム』の時みたいに誰かさんが手出ししていない限り」


「かうかう!? かーうかうかうかーう!」


 俺たちの視線に気づいたヒメが、器用に後ろ足で立ち上がって前足を左右に振って否定する。まあさすがに今回は介入する必要はないよな。今度やったら1か月断肉生活をしてもらおう。


「かうぅ」


 俺の考えていることを察したのかはわからないが、ヒメは弱々しく鳴いて俺にすがる。


「今回はやってないんだろ? ならいいよ。お前らもお疲れ様」


 アイテムボックスから飛竜の肉を取り出して、ヒメの足元に落とし、それからカルアとゼルセに投げ渡す。ゼルセは体が大きいからヒメ達よりかなり大きめの肉だが、おやつにはちょうどいいだろう。ヒメも弱々しい様子から一転して元気に肉にかぶりついている。しかしカルアもそうだが、あの小さな体のどこに同サイズの肉が消えていくんだろうな……。


「それじゃあ宝箱開けるか。今回は何が入ってるかな……」


 罠もないと言っていたのでぱっと宝箱を開いた。そして中に入っていた物を『鑑定』で調べた。


『炎の珠:魔力を込めると一定の大きさの火の玉を発射する』


「魔道具みたいだな」


「なかなか便利そうじゃない?」


「私とメイはフレアの魔法を使えるしヒツギかキャラビーが持っておくべきかな?」


「私よりも魔力の多いヒツギ様が持つべきだと思います」


「そう? なら私がもらっていい?」


 全員が納得し、結局そのままヒツギが持っておくことにした。遠距離攻撃をする手段が棺桶から棘を飛ばすしかないことを気にしてたし、今回の宝箱はかなり当たりだったと思う。


 俺たちは、やってきたところに再び現れていた転移陣で25層に戻り、それから外に戻って行った。




どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 LvMAX(99)

 薬剤師 Lv49/60

 聖???の勇者Lv15/??

 狙撃主 LvMAX(70)

 獣人  LvMAX(20)

 狂人  Lv49/50

 魔術師 LvMAX(60)

 ローグ Lv30/70

 重戦士 Lv37/70

 剣闘士 Lv28/60

 神官  Lv18/50

 龍人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40

 舞闘家 Lv1/70

 大鬼人 Lv1/40 

 死龍人 Lv1/20

 魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90

 上級獣人Lv1/30

 魔導士 Lv1/90 』


日付変わってしまってますが更新です。

変わる前に描き終わらなかったんや…


ではまた次回

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 今更ながら、普段アイテムボックスにしまわれいるギルドカードについて。 外界と遮断されているのにどうして討伐カウンターが反映されるのか。
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