ダンジョン決めです
リビングに戻ると、マナたちはテーブルを囲んで何やら話をしていた。
「長風呂だったね。やっぱり疲れがたまってたのかな?」
「風呂自体はそんなに入ってないよ。ちょっとヒメたちにご飯あげてたら、ヒメと黄龍が喧嘩しちゃってな。それを止めてたんだ」
「お父さんは大変だね」
「誰がお父さんだ。たしかにヒメも黄龍もチビだけどさ。ところで、何の話をしてたんだ?」
「ちょっとした雑談かな。メイが戻ってくるまでの時間つぶし」
「そっか。それは遅くなってすまんな」
「大丈夫大丈夫。それじゃあこれからどうするか話そっか」
「とりあえずダンジョンの第2段階に挑めるようにはなったわけだし、次にどこに挑むかだよな」
「メイはどこに行くべきだと思う?」
「個人的には一通り第1段階のダンジョンを攻略しておきたいんだけどどう思う?」
「メイのことだからとりあえず『死の草原』に挑むとか言うと思ってた」
「それも考えたんだけど、結局コンプリートを目指すとなると、後からまた第一段階に挑みなおすのも面倒だしな」
「完全に攻略するのは決定なんだね……」
「朱雀に用があるからな。どうも朱雀は向こうに戻るための何かを知っているみたいだし」
「でも、ダンジョン全部攻略するとなるとかなり時間がかかりそうだよね……」
「ヒツギの言葉ももっともだが、第1段階は『貴の山』以外はすでに地図が出回ってるし、『生の草原』の難易度を見る限り、モンスターの対処は問題なさそうだし、一から攻略するよりは楽だと思うぞ」
「メイの感覚はおかしいからねー」
「そんなひどくないと思うんだけどな……。ともかく、俺の意見は第1段階のダンジョンを順に攻略していくことだな。みんなはどうなんだ?」
「私はその考えに異論はないよ。第2段階はまだまだ不明な点ばかりだし、もう少し情報を集めてからでもいいと思う。それに、第2段階に挑む前にこれの強化はしておきたいし」
「私も第1段階に挑むのがいいと思う。新しい魔法の練習もしたいし」
「キャラビーはどうだ?」
「私もご主人様の意見に賛成です」
「そっか。なら第1段階の他のダンジョンでいいな。あとの問題はどのダンジョンに挑むかなんだが……多数決できめようか」
「多数決ですか?」
「ああ。残り3か所、『貴の山』『明の森』『善の洞穴』から次にどこに挑むか多数決だ。まずはキャラビーからな」
「私からですか? ご主人様からの方が」
「俺が先に言うと俺と同じって言いそうだしな。というわけで最初だ」
俺の言葉にキャラビーはそっと視線をそらした。図星だったのだろう。何か言おうとしていたが、あきらめたらしく、どこのダンジョンを選ぶか考え出した。
「……私は『貴の山』がいいと思います」
「どうしてだ?」
「ご主人様の力ならば『貴の山』を攻略できるでしょうし、せっかく攻略するのなら攻略者に贈られる品が残っている『貴の山』の方がいいと判断しました」
「なるほどな。マナとヒツギはどうだ?」
「私は『善の洞穴』がいいな。『善の洞穴』はスケルトン系のモンスターが多いって話だし、私の武器なら相性はいいし」
「私は『明の森』かな。『善の洞穴』だと闇魔法は相性悪いからあんまり確認できないし」
「完全に意見が割れたな」
「結局メイの意見次第になっちゃったね。それで、メイは3人の中から誰を選ぶの?」
「なんか質問が変わってないか?」
「ヒツギにする? キャラビーにする? それともわ・た・し?」
「俺は『貴の山』がいいと思う。理由はキャラビーも言ってた通りだな。確認してないから何とも言えんが、いいものが残ってるかもしれないし」
「……」
「明日は……ガンダさんのところにもいった方がいいだろうし休みにしたいんだけどいいか?」
「……」
「え、あ、うん。私はいいけど……」
「キャラビーはどうする? 買い物するならガンダさんのところに寄った後になっちゃうけど付き合うぞ」
「……」
「わ、私もご主人様と一緒にガンダさんのところに行きます」
「了解。それじゃあ明日は休みで、明後日からダンジョンに行くぞ。体調には気をつけてくれよ」
俺はそう言ってアンナにご褒美を上げるために外に向かった。なんか真顔でこっちを見ている人がいる気がするけど気のせいだろう。さーて、アンナは元気かなー。
次の日、俺とキャラビーは昼頃になってガンダさんの店に来ていた。3週間くらい来てなかったからな。キャラビーは俺が来れない間もきちんと来ていたみたいだから少し差が開いてしまったかな? キャラビーは猫獣人ということもあり、非常に手先が器用だ。キャラビーの場合はそれだけじゃあなくてファントムの血とやらが関係しているっぽいけどな。しかし、その分力が弱く、重いものを扱うときは俺かガンダさんがサポートに回らないといけない。
しかし、俺はその真逆で、力は強いけど手先が不器用だ。喰らったモンスターがかなりパワー型に偏っているから仕方ないよね……。
久しぶりに会ったガンダさんは、いつも通り元気だった。
「お久しぶりです。しばらくこれなくてすいません」
「久しぶりだな。その様子じゃ無事試験は受かったみたいだな」
「ええ。おかげさまで」
「何がおかげさまで、だ。そんなこと思ってないくせに。お前さんが来てない間にキャラビーはかなり先に行ってるぞ? もう刻印を任せられるくらいにな」
「刻印がなんのことかわからないですけど、俺も鼻が高いですよ」
俺はキャラビーの頭を撫でながら話す。しっぽが揺れているし喜んでる証拠だな。
「今日はどんな用事で来たんだ? 俺と世間話をしに来たわけでもねえだろ?」
「実は龍の素材を入手しまして、武器を作ってもらえないかなと」
「ほう、龍の素材か。なかなか扱えるもんじゃねえからな。どんな武器にするかと、実際にその素材を見てみないことには何とも言えんな。どの龍のものかでも大きく変わるし、武器にするってなると、牙か爪か骨か、はたまた角か。それも大きな判断材料だな」
「ちょっと事情があっていろんな龍の素材があるんですよ。爪も骨も牙も角も」
「どんな武器を作ってほしいんだ? と言っても、今ここにある設備じゃあどうしようのないものもあるが……」
「たくさんあります」
「んー、ならメモしながら話すか。奥に来い」
俺たちはガンダさんに連れられて奥の部屋に入って行った。
奥の部屋に入ると、ガンダさんがペンを片手に、丸机で俺に向き合うように座った。時間がかかりそうだったからキャラビーにはガンダさんの奥さんと時間をつぶしてもらうようにしといた。奥さんの方も大歓迎してくれたし悪いけどお願いしよう。
「さて、準備もできたし、どんどん言ってくれ」
「それじゃあ遠慮なく。まずは剣をお願いします。短剣と片手剣、大剣を何本かずつ。それから、棍棒とピッケルみたいな打撃系の武器もほしいです。今使っているものが少し心もとないので、頑丈なものがいいですね。あとは槍も何本か。投げるための槍と、普通に使うための2種類。他には……」
俺は考える限りの武器をガンダさんに伝えていった。幸い、それぞれに適した龍はアイテムボックスに入っていたのだが、道具的な問題だったり、他の材料の問題だったり、技術的な問題だったりといくつかは作れないという結論になってしまった。残りも、1つ1つを作るのに時間がかかるし、ガンダさんは俺の専属ってわけでもないから、全部作ってもらうってことにはならなかったが、ありがたいことに3種類の剣を2本ずつと、ハンマーと棍棒を2種類ずつ作ってもらうことになった。肝心な素材は俺が出すとしてもかなりの値段になるが、俺の分の手持ちで足りたしよしとしよう。
アイテムボックスからガンダさんの魔法袋に必要な素材を移してガンダさんのところを去ることになった。お代はできたものを渡すときでいいらしい。時間はかかるみたいだけど、いい品になることは間違いないだろう。
キャラビーと二人、屋台で買った団子を食べながら、俺たちは館に戻った。
どうもコクトーです。
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX(10)
格闘家 LvMAX(50)
狙撃手 LvMAX(50)
盗賊 LvMAX(50)
剣士 LvMAX(50)
戦士 LvMAX(50)
魔法使いLvMAX(50)
鬼人 LvMAX(20)
武闘家 LvMAX(60)
冒険者 LvMAX(99)
薬剤師 Lv49/60
聖???の勇者Lv15/??
狙撃主 LvMAX(70)
獣人 LvMAX(20)
狂人 Lv49/50
魔術師 LvMAX(60)
ローグ Lv30/70
重戦士 Lv37/70
剣闘士 Lv28/60
神官 Lv18/50
龍人 Lv1/20
精霊使いLv1/40
舞闘家 Lv1/70
大鬼人 Lv1/40
死龍人 Lv1/20
魔人 Lv1/20
探究者 Lv1/99
狙撃王 Lv1/90
上級獣人Lv1/30
魔導士 Lv1/90 』
今回もお話メインでした。
次回からはダンジョン攻略メインになると思います。
ではまた次回