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姉さんです

「なんであんたがここにいるんだよ……――――――――姉さん」


 目の前で眠っている人物は俺の姉さんだった。実際には姉さんと容姿がそっくりな別人かもしれないが俺にはその人物が姉さんにしか思えなかった。

 俺の姉さん、刈谷柩はとにかく面白いことが好きな人だった。行方不明になった次の日、机から『おもしろいことをしてくる』と書置きが見つかったくらいだ。なにか面白そうなことを見つけると俺と真那を引き連れて見に行き、巻き込んでいた。別に俺はそれが嫌いではなかったし、姉さんのことも好きだったら問題はなかった。問題が起こってもあっさりと姉さんが解決してたし。だからこそ姉さんが行方不明になってからは二人とも面白いことが減った。ただそのかわりなのか俺が何かやる横で真那もやるということが増えた。

 俺は思い出にある姉さんを思い浮かべながら目の前の人物を見る。ない胸が上下しているし、ただ寝てるだけなのはわかる。その動きに合わせて腰くらいまである黒のロングへアもともに動く。身長は高くなく、160くらいしかないせいで棺桶はだいぶスペースが余っていた。


「とりあえず起きてもらうか」


 俺はその人物の肩に手を当てて前後に揺らす。頭ががくがくなってるけどなかなか起きる気配はない。面倒だな……。中指の先を親指にかけて、そいつの額から少し離したところに構える。なにがやりたいのかって? それはもちろん


「起きろこら」


「いふぁ!?」


 デコピンです。筋力が強化されまくってたことを忘れて力をこめたので相当な威力だったらしいけどようやく起きてくれた。


「も~せっかくいい夢見てたのに誰よ」


「あんたに一つ聞きたいことがある。お前は何者だ?」


「何者って……どれくらい寝てたかよくわかんないけど眠り姫?」


 イラッ。

 再び指を構える。今ならもっと強くいける気がする。


「ストップストップ! 冗談だってば。私はヒツギよ」


 俺はその名を聞いて涙が出る。ヒツギを抱きしめた。


「ちょっなんで泣いてるの!? だ、だめだって! 私には心に決めた弟が」


「なんでこんなとこにいんだよ……姉さん……。心配させんなよ……」


「え? 姉さん? もしかして鳴? え? ほんとに鳴!?」


「ああ。俺だよ。柩姉さん」


「ほんとに鳴だ!! 懐かしい! わ、動いた!」




 それからしばらく俺たちは再会を喜び合った。




「で、結局なんで姉さんはここにいるわけ?」


「私は『召喚の儀』で呼ばれてねー、魔王もいないらしいしダンジョンを捜し歩いてたら気づいたら寝ちゃってたんだ」


「姉さんも『召喚の儀』で? なら姉さんも力はあるよな?」


「私はこれだよ」


 そういって姉さんは後ろにある棺桶を指さす。


「この二つが私の武器。私からレベルとかの概念がなくなる代わりにこの2つにはレベルがついて能力を得ていく棺桶なの。さっき確認したらレベル1になっちゃってたけどね。それと、鳴も刈谷鳴って名乗るのはもうだめだよ。ここでは私はヒツギ。鳴はメイ。そして私とメイは姉弟ではない」


「なんでだ? 別に名前くらい」


「私たちみたいな名前の人はこの世界にはいないの。だからすぐに召喚されたってばれる。そうなっちゃだめ」


「まああの王国に連れ戻されたら次こそ殺されるからな。それと、なんで姉弟じゃないわけ? そっちはいいじゃん」


「それじゃ私がメイと結婚できないでしょ! 私がこの禁じられた恋にどれだけ苦しんだことか……」


「いや俺ヒツギと結婚するわけじゃ――」


「この後既成事実作るから大丈夫」


「何一つ大丈夫な要素が見当たんねぇ!?」


「それは後にして、これからどうするの?」


「とりあえずあの奥の扉に入る。なにかあったらそん時はそん時だ」


 俺は奥の扉を指さしながら答える。


「あそこかー敵はいないっぽいけどね」


「なんでわかるんだよ」


「勘」


「いやいや、なんじゃそりゃ」


 俺はあきれてヒツギを見る。すると目が合った。


「どうしたの?」


「い、いや、なんでもない。それよりとりあえず入ってみるぞ」


 俺たちは扉の前まで移動すると一応警戒しながら扉を開ける。

 中には床一面に広がる魔法陣があった。この魔法陣がいったいどういう魔法のものなのかわからないけどたぶん転移だろうと推測する。だって他に出口なかったもの。部屋に踏み入ってはいないため魔法陣は怪しく光るだけだが、踏み入った途端岩の中に転移とかそんな悪質なものでないことを祈ろう。


「んーで、どうする?」


「どうするって……俺が決めんの?」


「そりゃリーダーだし」


「俺が?」


「メイが」


 いつの間にかリーダーになっていたらしい。

 だがどうする……?


「選択肢としては2つかな。1つは今すぐにでもこの部屋に入ってどこかに転移すること。といってもこの魔法陣が転移魔法陣だと決まったわけじゃないけどな。もう1つはここでスキルとか確認してから部屋に入ること。さっき白虎を喰った時にいくつかスキル手に入れてたから確かめておきたいのもあるけど、これやってるとヒツギが暇になる」


「別に私もこれが今どれだけ弱体化してるか確認しなくちゃだし2つ目でいいと思うけど?」


「ただ、そうなるとヒツギの飯がない。俺は再生もあるし瞳がたくさん喰らってたからか腹がへってない。ほんとこの眼どうなってんだか」


「ちなみに確認ってどれくらいかかるかな?」


「スキルの内容によるな。特に試しときたいのは眷属召喚とコンボ2、それからファングショットとブレイクショット。あとは小規模ワープもかな」


 眷属召喚は(白虎)ってついてるし白虎を召喚できるんだろうがあんなバカでかいの呼んだらまずいし、何体呼べんのかもわからない。鑑定である程度のことは理解できても実際にやってみなければ使えない。ワープも小規模っていうくらいだから少ししか移動できないとは思うけどどれだけの距離を移動できるか測りたい。逃げるのに有効かどうかもな。


「結構あるね。私のは2分もあれば終わるから……30分で終わる?」


「短いな……でも1こ1こを短くすればいけると思う」


「なら決まりだね。『鑑定』」


 そう言ってヒツギは鎖でつながれた2つの棺桶を鑑定し始める。ちなみに俺が鑑定しようとしたら『UNKNOWN』とでた。こんなこともあるんだな。

 俺はヒツギに影響が行かないようにヒツギに背を向けてスキルを試す。鑑定で大雑把にわかったやつからやっていこう。

『ブレイクショット』……鬼の一撃の強化技。鬼人のレベルが上がったこともあり武器に力を付与することも可能で、また、離れた敵にも攻撃が届くようになった。散弾タイプと一転集中タイプに分けられるみたいだ。半透明な鬼瓦みたいなのが飛んでいく。ぶっちゃけ怖い。

『ファングショット』……噛みつき攻撃を飛ばす。制限はあるものの、任意の場所にガラスの牙みたいなのが生まれ噛みつく。これは牙があれば普通に口でかんでもいいがなぜか腕でわにの顎みたいな感じにやってもできることが発覚した。これでも変わらない効果を発揮する。

『コンボ2』……スキルによる攻撃後に2度まで即座にスキルによる攻撃を放つことができ、2撃目は威力が上がる。

『小規模ワープ』……さすが小規模と言えるくらいしかワープできない。目測にして2m。これはレベルが2だから2mなのだろう。連続でのワープは一応可能だけど連続だと消費魔力が(回数×2)倍になるので使いにくい。


 結論から言えば一部を除いて使いやすく応用のきくものばかりだ。ここに魔法とかも組み合わせることを考えるとなんだかワクワクしてきた。


「メイー終わった?」


「後眷属召喚だけだ。待ってくれ」


 気づけば30分以上過ぎていたようでヒツギは棺桶に座ってユラユラしてた。

 それを見ながら俺は最後に『眷属召喚』を発動した。


どうもコクトーです


『刈谷鳴』

 職業

『冒険者 Lv40

 格闘家 Lv40

 狙撃手 Lv32

 盗賊  Lv30

 剣士  Lv28

 武闘家 Lv23

 戦士  Lv23

 魔法使いLv28

 薬剤師 Lv30

 鬼人  Lv5

 ????の勇者Lv7

 狙撃主 Lv1

 獣人  Lv1 』


昨日は忙しすぎて投稿できませんでした

ストックが切れそうなので毎日投稿できるかわかりません

とりあえず明日はします


ではまた次回

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