邪龍の後始末です
2周年記念(遅)連続投稿5日目!
それほど長く話し合っていたつもりはなかったのだが、外に出てみると、雲はまだ暗く分厚いものの、雨はすでに上がっていた。
「これからどうされますか? 私はすぐにグリムの町に向かう馬車を手配しようと思いますが」
「マナたちと合流するか、邪龍たちの死体を処理しに行こうと思います。まだまだたくさん残ってましたし、血の匂いに誘われてモンスターが集まってきてないとも限りませんし、せっかくいい素材なんですから有効活用しないと」
「死体の処理は明日にでもギルドに依頼として出す予定だったのだが」
「ある程度回収して、残りは燃やし尽くすつもりなんですけど、やめた方がいいですか?」
「いや、本来あれらの死体はあの場で足止め戦に参加していた6人とあたし、そして水龍のものだ。あたしと水龍は欲しい素材はないし、お前たちがいいのなら燃やし尽くしてもいいだろう。……あ、でもやっぱりあたしと水龍の分ということで2体ずつほど龍の死体が欲しい。今日参加していた冒険者たちへの礼金で相当な額がかかるからな」
「わかりました。なら死体ごと回収してきます」
「そんなことができるのか? あたしですら1体運ぶのが限界だぞ?」
「かなり魔力は使うことになりますけど、転移で持ってきます。それで、どこか置く場所を用意してくれませんか? そこに直接持ってきますから」
「ならば火の試練の間がいいだろう。あそこなら十分に2体おけるスペースがある」
「わかりました。もう一度中に入っていいですか? 転移する場所を確認しておかないと転移できないので」
「わかった。あたしが案内しよう。ラムダ、今回は本当に世話になったな」
「いえ、それよりも町を守れてよかったです」
「また後日来てほしい。水龍も話があるだろうしな」
「わかりました。また時間を見つけて来たいと思います」
「そうしてくれ」
「メイさん、できればなんですが、私の分ということで成龍の牙と爪を1本ずつくらい確保しておいてもらえませんか? 武器を新調する際に素材に使いたいと思いまして」
「わかりました。どの龍がいいとかありますか? 残ってるかはわかりませんけど」
「そうですね……空龍か炎龍、それか旋風龍でお願いします」
「わかりました。探してみます」
「お願いします。それではメイさん、先にグリムの町でお待ちしていますね。マナさんとヒツギさんにもよろしく言っておいてください」
そう言ってラムダさんは駆けていった。そして、それを見送った俺と火龍様は火の館の地下に戻って行った。
火の試練の間を『テレポート』のポイントに指定して、俺は一旦門から少し離れたところに来ていた。あたりには何もなく、町からも見えるか見えないかぐらいの場所だ。まあ直接そこに転移してもいいんだが、魔力をめちゃくちゃ使うから疲れるとか火龍様に言っちゃったし、ここまで転移して、数分くらいここで休憩していたほうがいいと考えた結果だな。この町に来るのにちょうどいいくらいっていうのもあるけど。
ポイントに指定したら、すぐにダムドレアスと戦っていた時に指定したポイントに跳んだ。しかし、ダムドレアス戦から『テレポート』を使いまくってるわけだが、1つの違和感を感じた。これ、転移できる距離が伸びてないか?
そもそも、グリムの町にある館で試したときはレベル×100m。つまり1kmが最長距離だったはずだ。しかし、さっきのポイントからここまでは普通に10km以上ある。それを1発で転移できるのはおかしい気がする。そう思い、『テレポート』のスキルを『鑑定』してみた。
『テレポートLvMAX
転移ができ、レベル分の人数を同時に転移できる。
指定したポイントにのみ転移できる。指定できるのはレベルと同数』
おかしい。距離に関する記述が消えてる。何が起こってんの?
今あるスキルを一覧にしてみても、距離が伸びたことを説明できるようなスキルは見当たらない。気絶している間に増えたスキルを全部調べてもそれらしきものは見つからなかった。しかし、これは一度全部のスキルを見直してみたほうがいいだろう。もしかしたらそれでこの理由を説明できるスキルが見つかるかもしれないしな。休憩の時にでも見てみるか。
俺はスキルのことを頭の片隅においやり、邪龍たちをアイテムボックスにしまい始めた。
ようやくだいたい半分をしまい終えて、少し飽きてきた俺は、さっさと終わらせるためにゼルセを呼んで、遠くにあるのを持ってきてもらうことにした。死体は、円を描くようにぐるっと落ちているため、あちこちに散らばってしまっているよりは格段にましだが、それでも1周はめちゃくちゃ長い。アイテムボックスには、まだまだ余裕があるし、触れればすぐに入れれるのだが、触ってまわるだけでも面倒なものは面倒なのだ。火龍様とラムダさんに頼まれた分はすでに用意してあるから別に残りは全部燃やしても構わないのだが、なんかもったいないじゃん?
ゼルセを呼んだことで、思わぬ形でペースが急激に上がった。
というのも、最初のうちは、持ってくるもの全てにつまみ食いの跡があり、何やってんだかと思っていたのだが、次第にその跡が少なくなっていた。調べてみたら、その跡があるのは全て龍だったのだ。そこで、後で食べていいから食べたい奴だけもってきてくれと頼んでみたら、大量にある邪龍の死体の中からピンポイントで龍を持ってくるようになった。それを見て、すでにアイテムボックスには従魔全員が数十年単位で食べていけそうなくらいの量があるし、素材的な意味合いでいえば龍の素材だけでいいと考え、俺も竜の全てとドラゴンのほとんどをあとで燃やすために1か所にまとめることにしたのだ。
ゼルセを呼んでから20分くらいが経ち、ようやく最後の龍である砲龍をしまい終えた。結局龍だけでも300体以上回収できた。ほんとこれだけ入るアイテムボックスが不思議でしょうがないな。
ゼルセは今、アイテムボックスから取り出した電龍を食べるのに夢中になっていた。味が気に入ったのか、ガツガツ食べ進めている。電龍はどうも死んでも微弱な電気をまとっているらしく、俺が触ると静電気がバチっとなって地味な痛さがあるのだが、ゼルセは気にならないみたいだ。
「マナにヘルフレイム撃ってもらえば早かったのかな……。『火炎壁』」
一方で、俺は積み重なった邪龍たちの死体を『火炎壁』で焼くのに苦戦していた。はじめは『龍殺しのブレス』を使っていたのだが、さすがに焦げ跡も何もないと不自然かなと思って切り替えたのだ。『龍殺しのブレス』は皮や肉はおろか、骨まで残さず溶かしてしまうしな。多少は焼け残ったのがあったほうがいいだろうし、切り替えて正解かな。
ゼルセも食べ終わったみたいだし戻しておこう。さて、どれくらいで終わるかなー。
結局、邪龍たちを焼き尽くすのに30分くらいかかった。『火炎壁』のレベルも上がらなかったしちょっと損した気分だ。俺は火龍様に渡す分の龍を2体だして、休憩ポイントに跳んだ。
どうもコクトーです
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX(10)
格闘家 LvMAX(50)
狙撃手 LvMAX(50)
盗賊 LvMAX(50)
剣士 LvMAX(50)
戦士 LvMAX(50)
魔法使いLvMAX(50)
鬼人 LvMAX(20)
武闘家 LvMAX(60)
冒険者 LvMAX(99)
薬剤師 Lv49/60
聖???の勇者Lv15/??
狙撃主 LvMAX(70)
獣人 LvMAX(20)
狂人 Lv49/50
魔術師 LvMAX(60)
ローグ Lv30/70
重戦士 Lv37/70
剣闘士 Lv28/60
神官 Lv18/50
魔人 Lv1/20
精霊使いLv1/40
舞闘家 Lv1/70
大鬼人 Lv1/40
死龍人 Lv1/20
龍人 Lv1/20
探究者 Lv1/99
狙撃王 Lv1/90
上級獣人Lv1/30
魔導士 Lv1/90 』
5日目まできました!
連続投稿はやっぱりきついですね…。考えてあったネタが次々消えていく…
明日はメイ視点ではありませんのでご注意ください。
ではまた次回