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地下での話し合いです

2周年記念(遅)連続投稿4日目!

 ラムダさんとともに火の館の地下に降りてからしばらく経った。

 地下と言っても、イフリートと戦った場所とはまた違う場所で、俺が火の試練を受けていた時にマナたちが待っていた部屋の規模を小さくしたような感じだ。もちろん試練の部屋のように暑かったりはせず、普通に快適だ。メイドさんが2人、部屋の隅で待機してくれているから飲み物とか軽食は用意してもらえるし。聞いてみたら、どうも土龍様のところから派遣されてきたらしい。


 水を1杯頼んで、それが来るのとほぼ同じくして、火龍様が人化した状態でやってきた。最初に見た時とは違って真っ赤な上着を羽織っている。前は相変わらずさらしだけだけど。

 火龍様がメイド2人にご苦労と礼を述べ、上に戻るように告げた。メイドさんたちは、失礼します、と頭を下げて出ていった。これで部屋に残されたのは俺とラムダさんと火龍様の3人だけだ。

 火龍様は、入ってきた、この部屋唯一の扉に鍵をかけると、俺に向かい合うように座った。


「さて、あたしは正直どんな話があったのか知らないんだが、ラムダ、1から説明してくれるな?」


「はい。ですが、その前に一つだけ質問があります。メイさん、あなたは」


 ラムダさんはこちらを真剣に見て、軽く一呼吸おいてから続きを告げた。


「あなたは……人類の敵ですか?」


「へ?」


 「魔族ですか?」とか、「何者ですか?」とか、そういった質問が来るとふんでいた俺は、思いもよらぬ質問でつい変な声が漏れてしまった。


「それはどういう意味ですか?」


「言葉通りです。あなたは人類の敵なのかどうか、それを聞かせてください」


「俺は人類の敵になったつもりはありません」


 俺もラムダさん同様真剣に答えた。しかし、人類の敵ってアバウト過ぎないか?


「そうですか。ありがとうございました。では、私があの場にやってきてからの出来事を話します」


「待てラムダ。今の質問には、意味があったのか? あたしにはどんな意図があったのかまった理解できないんだが……」


「すいません。これから説明する上でどうしてもしておかなくてはいけない質問でしたので」


「それはつまり、メイが人類の敵である可能性があったということか?」


「はい。もしもこの質問でつまったりするようでしたら、首に剣を突きつけた状態で話に入るつもりでした。そうでもしないと逃げられてしまうかもしれませんし」


 さらりとすげぇこと言ったよこの人。


「説明を始めてもよかったですか?」


「あ、ああ」


「では。私があの場についたのは、天上院さんと例の魔族3人に少し遅れてのことでした。離れたところからメイさんの戦いの行方を見ていたのですが、少し離れすぎたようです」


「見てたんですか?」


「ええ。ダムドレアスの頭を吹き飛ばしたりしている様は圧巻でしたよ」


 まさか『暴食の王』とか『ベルゼブブ』も見られていたのか? それだとかなり面倒なんだが……。


「まあ私が見始めた時にはすでにダムドレアスは2体(・・)になっていたのでびっくりしましたよ」


 2体になってからってことは大丈夫……なのかな。


「話を戻しますが、私が彼らを見かけたのは、天上院さんがメイさんに剣を突きつけようとしている姿でした。なんとか間に合ったのですが、上から突き下ろされる剣を剣で受け止めるのは結構きつかったです」


「ラムダさん、助けていただいたみたいで、ありがとうございました」


「いえ、間に合って本当によかったです。ですが、そこからが重要なところです。私はあなたを解析しました」


「解析……だと? それがどうしたというのだ?」


「解析の結果は……こちらでした」


 ラムダさんがアイテムボックスから1枚の紙を取り出した。おそらく俺が目を離したすきにでも書いておいたのだろう。


『刈谷鳴(人種)

 備考:気絶

 職業:薬剤師、狂人、ローグ、重戦士、剣闘士、神官、魔人、精霊使い、舞闘家、大鬼人』


「なんだこれは? これを信じろと言うのか?」


「はい。今はまた違う結果になるんですが」


 ラムダさんが言っているのはおそらく魔人が龍人に変わっている点だろう。というか今解析されてたのか。


「メイさん、あなたは魔族なんですか?」


「俺は人族であってますよ」


「しかし、この職業の欄にある魔人(・・)はどう説明するのですか? 私はこれまでそんな職業を見たことがない。火龍様はどうですか?」


「あたしもないね。それ以前にこれだけの数の職業を持つ人間をみたことがないけどね」


「……火龍様、ご自分で言ったことを覚えていますか?」


「あたしか? ……そうか、お前も召喚者だという話か」


「はい。正直に言いまして、俺は天上院がここに呼ばれた前日に召喚の儀でこの世界に呼ばれた日本人です」


 俺は正直に告げた。2人ともこれまでのことでわかってはいただろうけど、実際に俺本人の口からそうきかされるのではまた別の話だろう。このまますべて真実を話すというわけではないが、俺は無言のままこちらを見る2人に話を続けた。


「『召喚の儀』は、俺も詳しくは知らないんですけど、違う世界から強制的に人をこの世界に呼びつけて、特殊な『力』を与えるという儀式なんだそうです。俺もそれで『力』を与えられました」


「『力』と言うのはあの3人組の様なものですか? キメラの『混合多獣魔人』とローブの男の不思議な魔法、それに日に7度死ねるという不思議な能力」


「そうです。あ、あの能力は『七転び八起き』という名前だそうですよ。不思議な魔法も名づけるなら誤変換魔法といったところだと思います。ひまほうは非魔法で攻撃を無効化し、ひかりまほうは火狩魔法で火を狩る魔法みたいな感じで」


「たしかにあたしは火龍だからな。火の龍なら火を狩る魔法は効果的か」


 火龍様は苦々しい表情で言った。まあ自分を狩るための魔法ともいえるようなものの存在は認めたくはないだろうけど。


「俺が得た力は結構わかりにくい力なんですが、俺は『敵喰らい』って呼んでます」


「『敵喰らい』か。モンスターを喰らうということか? 別にモンスターを喰らうのはおかしくあるまい」


「たしかに、この町でもワイバーンの肉を出す店がありますしね」


「そういうことではなくて、敵を倒したときにその敵の一部を取り込むって能力なんです」


「倒した敵の一部を取り込む?」


「はい。取り込むものは一定ではないんですが、スキル、ステータス、それから職業の時もあります」


「つまり、魔人や大鬼人のような職業を得る敵を倒したことがあるということか?」


「はい。大鬼人はオーガを倒したときに得た鬼人が成長した結果。魔人は以前魔族を倒したときに得た職業です」


「すでに魔族と戦ったことがあったのか!」


「はい。ガルアと名乗る、自身の何倍もある大剣を使う狼獣人の男でした。死にかけましたけど、なんとか倒すことができまして、その時にこの職業を得ました」


「そうですか……。ですが、今は魔人の職業がありませんよね? それはどうしてですか?」


「『力』の影響で職業がありすぎまして……。職業のオンオフを切り替えられるんです」


「職業のオンオフですか?」


「はい。オンにできるのは最大で10個でして、オフになっているものはレベルが上がらないんです。できるだけ魔人はオフにしているんですが、ダムドレアスを倒したときにいくつかレベルが最大になった職業があったみたいで、いつの間にかオンになっていたんです」


「それで龍人をオンにしたんですか?」


「はい。足止め戦の時に倒したやつの1体から手に入れたらしいです」


「たしかに魔人よりも龍人の方がいいですね」


「うむ。魔人という職業は場合によっては今回のようにトラブルに発展しかねない。できれば常にオフにしておく方がいいだろう」


「そのつもりです。それが原因で命を狙われるとか勘弁ですから」


「そういえば、天上院さんはあなたのことを知ってるんですか?」


「知ってますよ。『力』は知らないと思いますけど、あいつが召喚されてすぐに会ってますからね。その後すぐに俺はいろいろあって王都をでてしまいましたけど」


「そのあたりについては何も聞くつもりはない。何があったのかはなんとなくわかる気もするしな」


「助かります」


 火龍様が何を考えているのかわからないけれど、あんまりラムダさんに聞かれたくない話だから都合がいい。おそらくラムダさんは今後も天上院たちと会うことがあるだろう。なんたって王都専属冒険者と王国の勇者だからな。もし教えてしまったら、その時に何がおこるかわからないし。


「では、天上院さんに魔人のことを説明してもいいですか? しばらくはグリムの町にとどまっているでしょうし、メイさんが向こうに戻ったら魔族認定されていたなんて嫌でしょうし」


「それは絶対嫌ですね。お願いします」


 今グリムの町にはキャラビーがいるし、俺が魔族認定されたりすれば間違いなくそちらにも手がいく。今はユウカが味方でいてくれるが、いつ敵に回るかわからない。スキルを自由に使える状態なら負けはしないだろうけど、キャラビーが危ない。


「火龍様、私からはもう結構です。ありがとうございました」


「あたしも興味深い話を聞けたからな。少し調べておきたいこともできた」


 ぐいっとコップに入った水を飲み干すと、火龍様の表情が若干曇った。どうしたんだろうか。

 少しその様子が気になりつつも、俺たちは部屋を出て地上に戻って行った。



どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 LvMAX(99)

 薬剤師 Lv49/60

 聖???の勇者Lv15/??

 狙撃主 LvMAX(70)

 獣人  LvMAX(20)

 狂人  Lv49/50

 魔術師 LvMAX(60)

 ローグ Lv30/70

 重戦士 Lv37/70

 剣闘士 Lv28/60

 神官  Lv18/50

 魔人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40

 舞闘家 Lv1/70

 大鬼人 Lv1/40 

 死龍人 Lv1/20

 龍人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90

 上級獣人Lv1/30

 魔導士 Lv1/90 』


なろうにアクセスできることがうれしいという不思議。


連続投稿も4日目になりました!なんかわたわたしてますけどね。

たぶん1週間で限界になりそうです。


ではまた次回

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