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土龍の思惑です

2周年記念(遅)連続投稿3日目です!


 天上院を引き渡してから2分くらい空を飛んでいると、ようやく町が見えてきた。ほんとにすぐだったな。門のところで人々が慌てる様子を感じる。火龍様の背中越しではあるが、『鷹の目』でよく見てみると、敵だと思っているのか、一部の冒険者が弓を構えていた。あ、周りに止められてる。


 そして、スキルを使わなくても普通に目視できるほどの距離まで来ると、門前に集まってる人々は全員敵ではなく火龍様だとわかったからか、何も言わず火龍様を見上げていた。火龍様もその場でとどまり、大きく息を吸いこんだ。


「皆の者! 襲い来る邪龍の群れは全て撃退した!」


 全員に聞こえるように大声で叫ぶ火龍様の言葉に、人々は歓喜した。その火龍様の大声に勝るとも劣らないほどの大声で盛り上がる人々の様子を見ながら、火龍様は本陣と思われる簡易的なテントのような建物の近くに降り立った。すると、中からはセバスさんと人化した水龍様が出てきた。


「火龍様、お帰りなさいませ。先ほどの言葉は誠でございますか?」


「ああ。邪龍の長も討ち取ったのを確認した。ただ、その後のことで少し内密に話をしたい。先に2人を火の館の地下に案内しておいてくれ」


「かしこまりました。すぐに案内します」


「そういうことだ。二人は先に行っておいてくれ」


 言外に、きちんと説明してもらうぞと言わんばかりにこちらを見たが、すぐに水龍様との話に入ってしまった。さて、何から聞かれることやら。


 俺たちはセバスさんに連れられて火の館に向かった。



-------------------------------------------


「……」


 時は少しさかのぼり、火龍と水龍がメイたちの援軍に行くために町を発ったころ、土の館の地下深く、結界を制御する4つの魔道具のうちの1つの前に土龍は一人座り込んでいた。格好自体はいつもと変わらずパジャマ姿にアイマスク、抱き枕のままなのだが、雰囲気は真剣そのものだった。


 土龍が地下に潜った理由は結界に魔力を注ぎ込むためだった。

 この町を覆う結界は、4つの館の地下にそれぞれおいてある魔道具によって成り立っていた。4つの魔道具は、1つだけだと何の効果もないただのガラクタだが、4つをリンクさせることでこめられた魔力を4つの魔道具で共有し、共鳴し合うようにその4つを全て囲うような半円状の結界を発生させるという効果だ。

 土龍がやっていたのはその結界の強化だ。結界は、込められた魔力の量に応じて範囲や強度が決められている。普段から定期的に4体の龍が魔力を込めることで一定の強度を維持しているのだが、それはとてもではないが成龍クラスの攻撃を耐えられるような強度はない。せいぜいが強めのドラゴンのブレスを抑えられる程度だ。


 その一方で土の館を襲った邪龍たちは全員が()だった。実力的におそらく幼龍ではあったため、土龍もあっさりと撃退できたが、邪龍たちからすると、幼龍とはいえ、龍を3体先兵として送りこむだけの余裕があるということに他ならなかった。

 土龍は他の館にどれだけの戦力が送られていたのかは知らない。しかし、火龍の様子を見る限り、すべての館が襲撃を受けたということは疑いようがなかった。だからこそ、自分の部下を町中に散らせ、腹心ともいえる執事長を戦力の少ない火の館に送ったのだ。火龍が数人の冒険者に足止めに行かせたと言っていたが、町は町で守りを固めるだろうし、結界の強度を上げるのは絶対に必要なことだ。




「……見つけた」


 土龍が地下にいたのにはもう一つ理由があった。それは裏切者(・ ・ ・)のあぶりだしだ。


 土龍は文字通り土の属性龍だ。土、そして大地のことに特化している。その特性をフルに利用して、土龍は町中の探知を行っていた。地下の入り口を執事長以外に入れないようにしたのもそれが理由だ。非常に広範囲の探知を行うということもあり、誰かが入ってきて集中が途切れてしまったら意味がない。

 そして地下に潜り始めてからしばらく経って、ようやくその裏切者がしっぽを見せたのだ。

 そもそも、各館が邪龍に襲われたこと自体が少しおかしかった。邪龍たちは土の館に突然現れたのだ。門から入ってきたとか、地面の下を通ってきたとか、結界に穴をあけて入ってきたとかではなく、いきなり土の館の目の前に現れたのだ。土龍はなんなく撃退したが、倒した時点ですでに裏切者がいることを前提に動き始めていたのだ。

 だから、賭けではあったが土龍は()を用意していた。それに見事に喰いついたのだ。


「土蛇」


 土龍はその裏切者を捕えるため、愛用の抱き枕を置いて土の中に消えていった。




 所変わって、場所は人々の集まる門から離れた北東の結界の近く。そこに、大人が一人入るくらいの大きさの袋を抱えた4人組が集まっていた。冒険者のような姿の男2人と、執事服、メイド服の男女が1人ずつ。4人とも土、あるいは風の館で働いていた人物だった。


「おい、本当にここであってるのか?」


「間違いない。以前風龍様がこのあたりだと話していたのを聞いたからな」


「門が使えない状況になった場合の緊急避難通路だろ? しかし、ここにはいたって普通の民家しかないぜ?」


「避難通路はたしかこのあたりの壁のどこかにスイッチがあって、入り口が開くはずだ」


「で、そのスイッチってどこよ? あたしにはそんなものがあるようには見えないけど」


「隠してあるんだろうよ。すぐに探すからちょっと待って」


 冒険者風の3人のうち、1人の男が近くの民家の壁に手を当てて調べ始める。


「……おかしい。全然見つからない」


「なにが?」


「スイッチだよ! お前も探すのを手伝」


 しゃべりながら振り向いた男がかたまった。その顔色はどんどん青くなっていく。

 振り向いた先にいたのは土龍だ。土蛇を使って素早く今いるここの地下にやってきて、離れていた男を除いた3人を、魔法で死なないように頭だけ出した状態で地面に埋めて気絶させ、気づかれないように残る男に近づいたのだ。3人が抱えていた袋はきちんと回収して少し離れたところに避難させた上で。

 土龍は頭だけが出てる3人を指さしながら男に告げた。


「もうお前だけ。全部話してもらう」


「ど、ど、土龍」


「風龍の娘、渡さない」


「く、くそ、魔王さ」


 男は最後まで言うことなく意識を飛ばされた。土龍は意識の無くなった男を、他の仲間と同じように頭だけ出して埋めると、遠くに避難させておいた袋のもとまで行き、その袋を開けて、中身(・・)の無事を確認した。


「起きる」


 袋の中から出てきたのはすやすやと眠る1人の少女だった。土龍は、気持ちよさそうに眠るその少女の頬をペチペチと叩いて起こそうとした。


「……ん……」


 頬を叩かれたことで軽く意識が覚醒したのか、少女は体を少しよじって再び眠りにつく。


「起きる」


 今度は少し強めに叩いた。ペチペチがパシパシになったくらいだ。すると、今度は少女も目を覚ました。ごしごしと目をこすり、寝惚け眼で土龍の顔を見上げた。


「うーん……あれ、どりゅーおばちゃみゅっ!」


 土龍が少女の言葉に素早く反応して頬をつかんだ。


「お姉ちゃん」


「ほりゅーほねえひゃん」


「よし」


 土龍は少女の言葉に満足したのかその手を頬から離す。


「帰るよ」


「はーい。ってあれー? ここお外?」


「後で教える」


 土龍は少女の手をとって土の館に戻って行った。

 そして館につくと、すぐに指示を出して4人の回収に行かせたのだった。




どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 LvMAX(99)

 薬剤師 Lv49/60

 聖???の勇者Lv15/??

 狙撃主 LvMAX(70)

 獣人  LvMAX(20)

 狂人  Lv49/50

 魔術師 LvMAX(60)

 ローグ Lv30/70

 重戦士 Lv37/70

 剣闘士 Lv28/60

 神官  Lv18/50

 魔人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40

 舞闘家 Lv1/70

 大鬼人 Lv1/40 

 死龍人 Lv1/20

 龍人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90

 上級獣人Lv1/30

 魔導士 Lv1/90 』


昨日もアクセス障害が…

twitterで投稿できてないとかいろいろ呟いてたんですができてました。予約投稿にしといてよかったです!

今日も予約投稿で上げてるので大丈夫だとは思いますが、できてなかったらごめんなさい。


ではまた次回

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