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ミラの町に帰還です

2周年記念(遅)連続投稿2日目です!

 火龍様の背に乗ってミラの町に向かって移動を始めて少し経った頃、急に火龍様が高度を下げ始めたかと思うと、『気配察知(人)』に誰かが引っ掛かった。

 高度が下がったことで黙視できるようになったものの、雨の中、むこうは雨避けに頭までローブを被っていることもあり、何者かはわからなかった。火龍様とラムダさんが警戒してないことから、敵ではないとは思うが、念のため警戒はしておこう。雨で濡れないように天上院を肩に担いだままのラムダさんと火龍様の体の陰に入ると、その人はローブを軽くずらして話し始めた。


「こんな格好で申し訳ありませんが、お初にお目にかかります、火龍様。私、サラ・ファルシマーと申します」


 よく見てみると、勇者パーティのメンバーの一人だった。始めて聞く名前だなーとか思ったけれど、考えてみれば勇者パーティのメンバーって名前知らない方が多い気がする。念のためにこっそりと『鑑定』で調べてみるも、特に変わったことはなかった。

 火龍様は、すっと腕を彼女の頭上に掲げ、雨に打たれないようにした。ありがとうございますとお礼を言う彼女に対して、火龍様は答えた。


「お前のことは知っている。しかし、なぜここにいる? お前にはセバス経由で町の入り口の防備を固めておくように連絡がいっているはずだが?」


「はい。しかし、古里さんの魔力が急激に乱れ、そして動かなくなったのを感じまして、セバス殿とアーカイブ大司教様と相談した結果、私が回収にくることになった次第です」


「一人でか?」


「はい。私一人なら素早く転移も可能ですので、むしろ一人の方がよいと判断しました。こちらもセバス殿に許可を得ています。この状況下で勝手に飛び出すのは悪手ですから」


「それをわかっているならなぜこれを止めなかったのだ」


「古里さんは町についてすぐに出て行ってしまいまして、離れた町から連続でミラの町まで転移してきたことで、体力的にも魔力的にもかなり厳しくて、アーカイブ大司教様に肩をお借りして休ませてもらっていた私には、古里さんを止めることはできませんでした」


 申し訳なさそうに言う彼女の様子は、嘘を言っているような感じはなく、俺たちに本当に止められなかったんだなと思わせた。火龍様も一度天を仰ぎ見たが、すぐに彼女に視線を向ける。


「そうか。それで、回収と言ったが、先にミラの町に戻るということか?」


「いえ。このままグリムの町に戻りたいと思います」


「どういうことだ?」


「他のメンバーはまだ試験官の依頼の最中ですので、合流はできませんが、その間にお話しをする予定です。今回、その様子を見るに古里さんは足を引っ張っていたのでしょう?」


「……」


 その質問に対して火龍様は何とも言えないような表情になった。俺が目を覚ます前がどうだったのかは知らないが、少なくとも目を覚ましてからあいつがやったことを考えると、たしかに邪魔になっていたと思わざるを得ない。ラムダさんと火龍様が戦ってる横でいきなり俺を魔族よばわりしてきて、完全に俺をロックオンして攻撃。まあ途中でゼルセに殴り飛ばされて失敗してたけど。

 ちらりとラムダさんの方を見てみるも、ラムダさんにも思い当たる節があるのか、軽く視線が泳いでいた。


「無言は肯定ととらえさせてもらいます。古里さんはまだ完成(・・)していないのにここで死んでもらっては困るんですが、正直すぐに油断しますし、常識も足りません。私たち自身がきちんとしているとは言い切れませんが、偉大なる神に仕える者として神の子たちを救うための努力は怠ることはありません」


「そのために先に戻るということか?」


「はい。今の状態の古里さんを町に連れ戻ってもできることはありません。むしろ邪魔になるだけだと思います。意識がある状態ならば力仕事なりなんなりと活躍できるところはあると思いますが、気絶しているとなるとただのお荷物になってしまいます」


「しかし、お前は練度の高い回復魔法の使い手だと聞いている。これの看病にあてる人材を考えてもおつりがくるのではないか?」


「私が町を離れた時点でのけが人は3人。この後、戦闘もないということを考えますと、これ以上は怪我人が出るとも考えにくく、アーカイブ大司教様にお任せして、私は古里さんの看病をした方がいいと言われてしまいまして……」


「アーカイブにか?」


「はい。2日間こちらに滞在して、怪我人や病人の処置、死者たちの供養にあたるそうです。ですので2日後に迎えに来るようにと」


「ふむ……。ん? 待て、死者たち(・・)の供養だと? 俺が水龍と町を発った時点では死者はうちの者しかいなかったはずだ。山から一斉に襲い掛かってきた邪龍たちは1匹も通していない。何が起こった」


「邪龍の長の娘と名乗るドラゴンゾンビが出たそうです。その者の攻撃により、周辺住民の少なくとも30名以上が殺され、風龍様が現在治療中です」


「ダムドレアスの娘だと? まさか龍殺しの力を受け継いでいるというのか!?」


「そのようでした。しかし、駆け付けた冒険者の活躍もあり、なんとかその呪いの解除に成功し、一命はとりとめたそうです」


「龍殺しの力を解除したというのか? 何者だ?」


「そちらの鳴さんのお仲間のマナさんです。私も話が聞こえてきた程度ですので詳しい方法などは知りません」


 いきなり俺とマナの名前が出てきて緊張したが、特に何事もなく話が進む。


「メイよ、お前の仲間も大したものだな。後で時間ができた時にでも火の館に招待するとしよう」


「ありがとうございます」


 何となくその招待というのが俺への問い詰めと同じタイミングになりそうだと感じながらも口には出さないでおこう。きっとお礼を言うだけのはずだ。


「火龍様、そろそろよろしいでしょうか? 転移で跳ぶというのであれば、早くしたほうがよいでしょう。いくら勇者とはいえ、いつまでも体を濡らしたままでは風邪を引いてしまうでしょうし、今でこそ私たち含め火龍様のおかげで雨に打たれることにはなっておりませんが、移動を開始すると雨に打たれることになりますし」


「そうか。……ではファルシマーよ、こいつのことは頼んだぞ。アーカイブにはこちらで話をしておく。水龍のところに泊まってもらえばいいだろう」


「ありがとうございます。それでは失礼します」


 そう言って彼女は天上院を落としそうになりながら脇に抱えて転移していった。しかし、あの様子でどうやって宿とかまで運ぶのだろうか……。


「行ったみたいだな。ではあたしたちも移動しよう。町までそれほど距離もないだろうからもう少し我慢してくれ」


「「はい」」


 俺たちは再び火龍様の背に乗り、町に向かった。


どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 LvMAX(99)

 薬剤師 Lv49/60

 聖???の勇者Lv15/??

 狙撃主 LvMAX(70)

 獣人  LvMAX(20)

 狂人  Lv49/50

 魔術師 LvMAX(60)

 ローグ Lv30/70

 重戦士 Lv37/70

 剣闘士 Lv28/60

 神官  Lv18/50

 魔人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40

 舞闘家 Lv1/70

 大鬼人 Lv1/40 

 死龍人 Lv1/20

 龍人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90

 上級獣人Lv1/30

 魔導士 Lv1/90 』


昨日はアクセス障害とかで大変でした…

かろうじてアクセスできた隙をついて投稿できたんですけどね(^_^)v


ではまた次回

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ユウカさんが言う様に、主人公の人格設定に害ある物に怒かれないって言うのが存在すると読者に不満が溜まる。例えば殺さなかったとしても絶望は植え付けないと、また気色悪い言動で天さんが来る、精…
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