転生者との戦いです3
お待たせいたしました。
更新再開です!
そして、2周年記念(遅)連続投稿開始です!
俺がツンツン頭の話を聞き流していると、上から火龍様が降りてきた。
「メイよ、よく捕まえてくれた。それに、無事だったのが何よりうれしいぞ」
顔をこれまでかと言うくらい近づけて話す火龍様だが、近すぎて息が熱い。その様子に割とすぐに気が付いたようで、顔を離して続きを話し始めた。
「しかし、不死結界に似た力を持つ人間か。過去の召喚者にもいなかった能力だな」
どうやらこいつの言葉は火龍様にも聞こえていたらしい。必死になりすぎてそれなりに大きな声でしゃべってたからなぁ……。一応警戒していたけれど、俺に呼びかけるばかりでまったく攻撃してくる気配もなかったしな。まあ剣もすぐそばになくて、体は鎖でぐるぐる巻きにされてるのに攻撃できるとも思えないけどな。
「火龍様はこいつら以外にも知ってるのですか?」
「直接会ったことはないが、様々な伝承が残っている。風龍であれば会ったこともあるかもしれんがな。それに、お前もそうなのだろう?」
火龍様の言葉を受けて自分の心臓の動きが速くなるのがはっきりとわかった。ごまかすのは確実に無理だろう。俺が気絶している間にラムダさんから魔人のことを聞いていてもおかしくはない。
「安心しろ。あたしは別にお前にどういう事情があるか詮索したりはしない。ただ、ラムダが聞きたいことがあるそうだからな。それについてはあたしは中立の立場で聞かせてもらう」
ラムダさんは魔人のことをまだ話していないのか? 戦闘中で話せなかったのか。
俺が火龍様と話していると、少し遅れてラムダさんも合流した。
「それで、こいつどうするんですか?」
「ひっ!」
俺の問いかけを受けて火龍様とラムダさんに同時ににらまれたツンツン頭から悲鳴が漏れる。
「できるのであれば魔族の情報を聞き出したしたいところだな。日に7度も死ねるのであればかなりきつくしてもかまうまい」
「私が切った後の復活の様子を見ている限りだと、どれだけダメージを与えても完全に回復するようですし、荒々しく問いただしても大丈夫みたいですね。時間と死んだ回数だけしっかりと管理しておけば、使い方次第では新人の対人訓練なんかにも使えそうです」
ラムダさんが物騒なことを言っているが、魔族=敵、な世界だしおかしくはないのかな?
ツンツン頭も俺と同じような感覚だったのか、体を芋虫のように動かして逃げようとし始めた。しかし、すぐにラムダさんに腰のあたりを踏みつけられて動けなくなっていた。
「一旦このまま火の館の地下に運び込む。あそこであればだれにも邪魔されないだろうしな。それに、回数がリセットされて復活できるようになったとしても、あそこは完全に閉じられた部屋だ。逃げることはできん」
「熱さで死んでしまわないように気をつけないといけませんけどね」
ツンツン頭は嫌だ嫌だと言わんばかりに頭を振っている。涙やら鼻水やらで顔がぐちゃぐちゃだ。
「ラムダ、それは私が連れて行く。お前は勇者を運んでやれ」
「わかりました」
「メイは悪いがあたしの背でこいつが落ちないようにしておいてほしい」
「了解です」
俺はラムダさんがどいて、その瞬間に逃げようとしていたツンツン頭を縛っている『ダークチェーン』の端をつかんで引き寄せた。
「離せ! 離してくれよ!」
抑えるのが俺に変わった途端に騒ぎ出したのだが、それを放置しつつ、いざ火龍様の背に乗せようかというときになって、その様子がおかしくなった。
さっきの話を聞いていたことで必死になるというのはわかる。なんたって、7度まで復活できるから厳しくしても大丈夫みたいなことを言われてるんだからな。しかし、その顔色は真っ青と言うよりは紫色に近く、よく見ると顔の表面に小さなぶつぶつが生まれている。
「い、いやだ。なんだこれ、なんだこれ、なんだこれぇ!」
「何が起こっている!? メイ、鎖を外せ」
火龍様の言う通りに『ダークチェーン』を解除する。ツンツン頭は自由になった両手で顔をかきむしる。爪が肉をえぐって血が噴き出るがお構いなしだ。
「何があったのですか?」
天上院を肩に担いだラムダさんが走ってやってきた。すでに剣を抜いており、臨戦態勢だ。
「急にこいつの顔にぶつぶつができて苦しみだしたんです」
こうしている今も、ツンツン頭は全身をよじって体中をかきむしっている。しかし、ぶつぶつの突起はどんどん増えて、大きくなっていく。そして、それに合わせるようにしてツンツン頭の体は少しずつ痩せこけていく。
「これは……パラサイトビーの幼虫ですね。生物の体内で卵から孵り、少しずつ宿主の魔力を吸って成長する恐ろしいモンスターです。卵のままならばなんでもいいので体に魔力さえ流れれば過剰摂取のためか、全て死滅してくれるのですが、一度卵から孵ってしまうと、今の私たちでは全身を焼くくらいしか対処法がありません。それも、彼にそれほどダメージを与えない程度の威力で」
「そうは言うが、ここまで成長してしまっては、ある程度の火力がなければ殺すことができん。しかし、それではこいつは死んでしまう」
火龍様が歯ぎしりをしながら答えた。すでにいくつかの突起からは小さな芋虫の様なものが顔を覗かしている。窮屈なのか、体をくねくねと動かすが、そのたびに血が垂れてむごたらしい。ツンツン頭が爪を立ててかきむしるため、何匹かの芋虫がちぎれて地面に落ちるが、余計に痛々しく見える。
その様子を見るに堪えたのか、火龍様のブレスが大量のパラサイトビーごとツンツン頭を焼き尽くした。そのまま完全に炭と化したそれは、雨風にさらされ、ぼろぼろと崩れていった。本日8度目の死だ。これで魔族の情報を得るのは不可能になってしまったな……。
「魔族側が一枚上手であったな。どう判断しているのかはわからんが、生きたままとらえられてしまった場合に備えてまさかパラサイトビーの卵を植え付けておくとは想像もしていなかった」
「ですね。しかし、彼が復活する際にも卵が残っていたのは少し気になりますね。あれは再生とはまた違った回復の仕方でしたし、仮に、周辺の魔力を使って体を再構築しているのだとしたら卵は残らないはずですし、他の再生方法だったとしても卵が残るのはおかしいですよね?」
「たしかにそうだが、現実として起こっていることだ。お前が7度目に殺してからこいつに卵を植え付けるような時間はなかった。あらかじめとしか考えられん」
「火龍様は今違和感はないですか?」
「……なさそうだ。念のために全員に魔法を使っておく」
火龍様はそう言うと全員に魔法をかける。ほのかに体が温かくなったかな?
『スキル:ファイアエンチャントLv3を習得しました』
軽く使った魔法のはずなのにレベルがいきなり3だというのは、さすが火龍様といったところか。
「これでたとえ卵を植え付けられていたとしても死滅したはずだ。」
「ありがとうございます。万が一があってはだめですし」
「そうだな、では戻るとするか。そういえば、たしかキメラは死体が残っていたな。もう一人のは無理だから燃やすとして、一応持って帰ることにしよう。もし生き返られたりでもしたら困るからな。」
火龍様の指示で、俺たちは少し離れたところにあった、唯一死体が形として残っているキメラを持って火龍様の背中に乗り、ミラの町に向かって飛び立った。
どうもコクトーです
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX(10)
格闘家 LvMAX(50)
狙撃手 LvMAX(50)
盗賊 LvMAX(50)
剣士 LvMAX(50)
戦士 LvMAX(50)
魔法使いLvMAX(50)
鬼人 LvMAX(20)
武闘家 LvMAX(60)
冒険者 LvMAX(99)
薬剤師 Lv49/60
聖???の勇者Lv15/??
狙撃主 LvMAX(70)
獣人 LvMAX(20)
狂人 Lv49/50
魔術師 LvMAX(60)
ローグ Lv30/70
重戦士 Lv37/70
剣闘士 Lv28/60
神官 Lv18/50
魔人 Lv1/20
精霊使いLv1/40
舞闘家 Lv1/70
大鬼人 Lv1/40
死龍人 Lv1/20
龍人 Lv1/20
探究者 Lv1/99
狙撃王 Lv1/90
上級獣人Lv1/30
魔導士 Lv1/90 』
長らくお待たせいたしました。
8月は本当に忙しかったです…
前書でも書きましたが、今日から更新を再開します。
そして、以前に活動報告で言っていた通り、2周年記念(遅)連続投稿をやります!
だいたい1週間~10日くらいを考えていますが多少前後するかも。
早いもので、本作も3年目に突入しました。
今年も投稿に感想返しに頑張ってまいりますので、暖かく見守ってください。
ではまた次回