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邪龍襲来です10

 俺の背後に三度目のダムドレアスが現れた。コピーも一緒にいる。今回も周りの死体を吸収しているようで、今のダムドレアスコンビの周りからは死体が消えていた。

 前回と違い、今回は前のダムドレアスコンビの死体も残っているが、その死体に異変が起き始めた。その死体がドロリと溶けたのだ。まるで超高温で熱せられた鉄のようにどろどろに溶け、雨も混ざって、まるで泥のようになっている。

 一方で新たなダムドレアスコンビは、周りに魔法を展開し、大量に外しながら俺に向かって撃ってきた。おそらくまた体を慣らしているのだろう。


「もしかして、死ぬ間際に死体を使って過去の自分を召喚する力とかじゃねえよな?」


 独り言をつぶやいてみるも、返事は当然なく、だんだんと精度の上がってきた魔法だけが飛んでいた。

 喰らってもいいのだが、ちょっと試したいこともあったし、『アクア』や『ダークネスシールド』などで魔法を迎撃する。すると、さっきまでのダムドレアスと同様に岩を投げ始めた。実験は成功かな?


 俺が確認したかったのは、このダムドレアスが先ほど倒したダムドレアスの記憶を保持しているかどうかだった。

 さっきのダムドレアスは、俺が魔法を喰らって(吸収して)いるのを見ていたから岩を投げつけていた。今のダムドレアスとは若干状況が違うのだ。別に魔法が魔法で迎撃されているだけならば、威力を上げたり、数を増やしたり、軌道を変えたりといろいろな方法がある。今まで使ってないが、さすがに紫炎球と紫炎槍しか魔法を使えないってわけではないだろうし、違う魔法を使ったりする方法だってある。

 別に、岩を投げてくるのがおかしいというわけではない。俺だって、魔法を当てるために棍棒の残骸を投げつけたりすることもある。しかし、ダムドレアスのそれは逆で、わざわざ魔法の影に入るように岩を投げていたり、魔法をかわしたところに直撃するように投げてきたりと、岩をぶつけるために魔法を放っている感じがした。あくまで感じがしたというだけではあるが、こうした間隔は大事にしないといけない。まあほぼ100%記憶は残っているとみていいな。


 そうなってくると、ますますあの()が怪しくなってきた。

 これまで、2度復活して、合計3体のダムドレアスを見てきたが、その再生した肉体を構成している物が邪龍の死体だということを考えると、共通しているのは角だけということになる。

 1回目の時も2回目の時も、俺は倒した瞬間を確認していない。

 1回目はダムドレアスが大きな口を開けて噛みつきに来ていたせいで口の中しか見ることができなかったし、2回目の時は俺が地面に倒れ伏している間に魔法が発動し、爆発によって倒したからまったく見えていない。角がどういう風にして次のダムドレアスに移ったかを知らないのだ。

 2回目はなんとなくではあるが、爆発によって飛ばされたんじゃないかと思う。結構な規模の爆発だったし、勢いで角が吹き飛んでいてもおかしくはない。しかし、そうなってくると謎なのは1度目だ。あの時点で少なくともダムドレアスに自分で右目に刺さった角を引っこ抜いて、『暴食の王』の範囲外にある邪龍たちの死体のところまで投げ飛ばしている余裕があったようには見えなかった。しかし、角は移動している。確認する必要性はかなり高いな。


 『再生』で完全に回復しきるまで岩と魔法をよけ続けながら、今後の指針を決めた。角をなんとかして回収する。そしてその状態でダムドレアスを倒し、結果を確認するのだ。

 俺は飛んでくる岩などをかわしながら再び接近を試みた。


 近づくにつれて激しさを増してくる攻撃だが、回復待ちの間にダムドレアスが周りの岩を投げ切っていたこともあり、結構近づきやすかった。慣れてきたというのもあるかもしれないな。

 ダムドレアスの腕の射程に入ると、早速ダムドレアスは右腕を振り下ろしてくる。


「『鬼化』『不動明王』」


 俺はそれを右手で受け止めた。その両手にはステュラはなく、『ダークナックル・纏』によって強化されていた。

 ダムドレアスにさっきの攻防の記憶があるとなると、剣を使ったスキルはすでにみられているし、何かしらの対策をしてくる可能性がある。『一刀両断』と『剣閃』では始動が全然違うし、『剣閃』は勢いさえついていなければダメージはほとんどないこともはっきりとしている。『一刀両断』は確実に警戒されるし、使おうとしてもう使わせてもらえない可能性もある。今回は『不動明王』で攻撃を止めると決めていたし、それならばいっそのことこの方法でいこうと決めていたのだ。


 自分の攻撃を受け止められたことに驚愕の色を隠せていないダムドレアスに対し、俺はその手を『破壊の一撃』で弾き壊し、噛みつきに来たコピーの牙をつかんで受け止めた。


「ぬぅうう!」


 コピーが力づくで押し込もうとしてくるが、『不動明王』の力の方が上らしくびくともしない。ただ、コピーの龍殺しの力が消えるわけではなく、『ダークナックル・纏』にあてている魔力を少しでも下げたら手がただれて使い物にならなくなるだろう。

 ダムドレアスの右手は『破壊の一撃』によって一部が壊れているが、それでもかなりの大きさをほこっている。一度はじかれたものの、ダムドレアスは再び腕を振り下ろしてきた。そこですっと腕の力を引き、『小規模ワープ』でその手よりも上に跳んだ。力を込めていたところに急に支えの無くなったコピーは勢い余ってそのまま手の下に入りこみ、ダムドレアスの手が直撃した。

 コピーの防御力よりもダムドレアスの攻撃力の方が上だったため、そのままコピーの頭はダムドレアスによって砕かれた。龍殺しの力を持っているとはいえ、ダムドレアスとコピーも結局は龍であることにかわりはない。コピーの頭を潰した際にダムドレアスの右手も完全にいかれたようで、手首から先がなくなった。


「しまっ」


「『鬼の一撃・付与』『破壊の一撃』!」


 『空蹴り』で限界である4度宙を蹴って、ダムドレアスの下顎を完璧にとらえた。おそらく数千~数万kgはあるだろうダムドレアスが若干ではあるが宙に浮く。『不死殺し』などのスキルの影響か、顎の肉が軽くえぐれ、血を浴びてしまって、体に痛みが走るが、ここのチャンスを逃すわけにはいかない。

 俺は『小規模ワープ』で角のところに跳んで左手で角をつかんだ。その瞬間に角を伝って、恐怖というか、悲しみというか、何ともいえない感情が流れ込んでくる。感情的に角を手放そうになってしまうが、手放さないように無理矢理『ダークチェーン』で左腕を固定する。


「『鬼の一撃・付与』『獣の一撃・付与』一点集中……『ブレイクショット』!」


 力のすべてを右手に集め、ダムドレアスの右目に叩き込んだ。

 眼球を潰した感覚と同時に、左手につかんでいた角が支えを失ったのがわかった。


 角が抜け出た、半分砕けた眼球から勢いよく魔力がふきだす。

 それは物理的な力となって俺を吹き飛ばした。『ダークチェーン』があったから左手を離さずに済んだが、使ってなかったら手放していただろう。


「あ”ぁあああああ!!!」


 ダムドレアスからこれまでにないほどの絶叫がほとばしった。



どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 Lv98/99

 薬剤師 Lv42/60

 聖???の勇者Lv13/??

 狙撃主 Lv54/70

 獣人  Lv19/20

 狂人  Lv33/50

 魔術師 Lv52/60

 ローグ Lv22/70

 重戦士 Lv23/70

 剣闘士 Lv10/60

 神官  Lv9/50

 魔人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40

 舞闘家 Lv1/70

  大鬼人 Lv1/40 

  死龍人 Lv1/20

  龍人  Lv1/20 』

3度目のダムドレアスコンビ戦でした。


次回は違う視点になります。

たぶん。

ではまた次回

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