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邪龍襲来です6

 まず、俺とコルクはスピードをあわせてダムドレアスに向かって駆け出した。

 今の俺とダムドレアスとの距離はおよそ800mくらい。ここから、最低でも700mは近づかなければならない。その距離でとんでも威力の魔法を放ってくる時点でかなり厄介なのだが、それ以上にその魔法に俺は興味があった。


 先程習得した『紫炎槍』は、見た目的には紫色の炎に包まれた太い闇の槍なのだが、『闇魔法』にそんな魔法は存在しなかった。しかし、その知識のおかげでどんな魔法なのかはわかった。火と闇の混合魔法だ。

 ベースは中級の闇魔法のランスオブダークで、その周囲の炎はいまいちわからないが、おそらく中級の魔法なのだろう。一応それなりのレベルの『火耐性』を持ってるにもかかわらず普通に火傷したし。

 先ほどダムドレアスが放ってきた紫炎槍は槍というよりはむしろ柱じゃねえの? と言いたくなるような大きさだったが、それはダムドレアスが込めた魔力の量とその体のサイズに合った大きさになったのだろう。実際、俺から見たら柱に感じる物でも、ダムドレアスからしたら槍と感じるのかもしれないし。


 ダムドレアスに向けて走る途中、進路上にある邪龍たちを何体かアイテムボックスに放り込んだ。ヒメ達のご飯に確保しないといけないからな。ダムドレアスはそこに邪龍たちの死体があろうとなかろうと関係なく攻撃を放つだろう。いや、実際に放っている。かなり精度が悪く、俺から離れた位置に落ちていくものが多いのが救いであるが、1発地面に突き刺さるごとに爆風が容赦なく襲い掛かる。しかも爆風に乗って邪龍の死体が飛んでくるからシャレにならない。爆風って余波のはずなんだけどな。


 ダムドレアスの攻撃は、俺が近づくにつれてだんだんと正確なものへと変わってきた。3発に1発は直撃するコースに来ている。俺はスキルを使う準備をしながら走ることに集中しているため、コルクに防御を任せているが、1発防ぐのにも『ダークネスシールド』でかなり魔力を使っている様子だ。この後に支障をきたさなければいいが……。


「心配は無用だ主よ。それより、準備はまだ終わらないか?」


「もう少しだ。そろそろこいつも焦れてくる。その時までもう少し耐えてくれ」


 あと100mほどで射程距離に入る。『小規模ワープ』を使えば一瞬で行けるのだが、それは今は使えない。まあ使おうと思えば使えないこともないのだが、それをやってスキルの発動に失敗したりだとか、制御をミスしてはいけないので使わない。


 それから攻撃を数度コルクが防いだ時、ようやく射程範囲内に入ったこともあり、俺は足を止めた。スキルの準備はすでにできている。あとはそのタイミングを待つだけだ。

 ダムドレアスは一定の間隔で攻撃を続けている。なんか変な感じだ。

 かと思ったら、突然ダムドレアスは攻撃をやめた。


「ようやくこの体にも慣れてきた。自分の体のはずなのだが、どうにも動きにくい。それにしても貴様、我が同胞たちになんてことを」


 ダムドレアスが急に流暢に話し出したのだが、100mくらい離れているのにはっきりと聞こえるってことはかなり大声で話してるんだろうな。というか、お前さっきからその同胞たちを思い切りぐちゃぐちゃにしてること忘れてないか?


「しかし、貴様なかなかやるな? 死ね」


 ダムドレアスが口元に大量の魔力を集めだした。そしてダムドレアスの象徴ともいえる、龍殺しのブレスが吐き出された。

 ブレスは途中にある邪龍の死体を文字通り消し去りながら迫りくる。俺はそれに向かって両手を前に突き出して構えた。


「やるぞコルク『暴食の王』」


 突き出した両手のちょうど真ん中くらいに真っ黒いビー玉ほどの小さな球体が生じる。とても小さな球体ではあるが、この球体こそが『暴食の王』のスキルのすべてだった。


 『暴食の王』は簡単に行ってしまえばすべてを喰らいつくすスキルだ。そのため、少しでも制御をミスすれば俺自身までこのスキルに喰いつくされかねない危険なスキルで、初めて使った時もすぐにコルクがカバーしてくれなければ腕を持っていかれかねなかったくらいだ。しかし、その時は制御した状態であったのにも関わらず、半径100mの地形を変えてしまった。


 黒い球体を中心に引力のようなものが生じ、周りのすべてが吸い寄せられていく。それはブレスも邪龍たちの死体も変わらない。かなりの広範囲に広がっていたはずのブレスがその一点に集まっていく様子はなかなかに圧巻なものだが、そんな悠長なことを言っていられる状態ではなかった。何しろ半径100m以内のものが全て飛んでくるのだ。通ってきたルートの邪龍の死体は全て片づけてあるし、ブレスが通ったルートの死体も全てブレスが消し飛ばしてくれたから、死体が飛んでくるのは前後の2方向を除いた全方向。球体の半径3mに入れば自動的に消えていくものの、すこしでもそこから外れれば、飛んできた死体にあたってしまい球体に飲まれてしまう。コルクの制御のおかげでまだ余裕があるけど、それがいつまで持つのかはわからない。


「ぐぅううう。吸い寄せられる? どうなっているのだ?」


 ダムドレアスも、必死に踏ん張って、さらに翼で逆風を起こすことで引力から逃れようとする。しかし、それも無意味だ。その起こした風さえも『暴食の王』は喰らってしまう。むしろ、これの力が増すだけだ。

 初めは小さな球体だったそれも、気づけばバスケットボールほどの大きさにまで膨らんでいた。前はこんなにはならなかったんだけどな。


「主よ、雨の影響が予想以上にやばい。もうそれほどもたんぞ」


 『暴食の王』を制御しているコルクから状態が告げられる。やはり容量が足りないか。

 『暴食の王』は、すべてを喰らうと言っても、その限界がないわけではない。いくら強力なものであっても、結局のところこれは俺のスキル(・・・)なのだ。レベルMAXになっていても、それを操る俺が未熟であるのだからいくらでもというわけにはいかない。

 しかし、俺はそれを解決するためのスキルも同時に手に入れていた。『ベルゼブブ』だ。


 『ベルゼブブ』を発動させた途端、球体の大きさが元のビー玉サイズに戻る。


『スキル:ブレスLvMAXを習得しました。

 龍殺しのブレスLvMAXを習得しました。

 アクアブレスLvMAXを習得しました。

 サンダーブレスLvMAXを習得しました。

 ポイズンブレスLvMAXを習得しました。

 サンドブレスLvMAXを習得しました。

 エアロブレスLvMAXを習得しました。 

 ダークブレスLvMAXを習得しました。

 ホーリーブレスLvMAXを習得しました。 

 アクアLvMAXを習得しました。 』

『スキル:ホーリーブレスが消滅しました。』

『パラメータ:魔力上昇(大)を習得しました。

 魔力上昇(大)を習得しました。

 魔力上昇(大)を習得しました。

 魔力上昇(大)を習得しました。

 ……  』


 『ベルゼブブ』の効果で、『暴食の王』が蓄えていたものが全て(・・)俺に流れ込んでくる。パラメータとかもう増えすぎて表示すら追いついてないほどだ。あまりの急激な上昇に体が悲鳴を上げるが、今はそれを気にしている場合ではない。

 『ベルゼブブ』は、効果が3つあるのだが、その中の1つに『暴食の王』を支配するという効果がある。『暴食の王』がため込んだすべてを『ベルゼブブ』の力に変えて取り込むのだ。以前ベルゼブブと対峙したときに地面の土を喰って腕を再生させたのがこれだったのだろう。俺の場合は球体だが、あいつの場合は口が『暴食の王』のスキルの媒体だったってことだと思う。


 ダムドレアスがだんだんと近づいてくる。その表情は怒りに満ちており、先ほどまでとは比べ物にならない量の魔法とブレスを放ちながら、球体をとめるために俺を殺そうとしている。まあ全て『暴食の王』に吸収されてしまい俺に届かないけど。


 だんだんとダムドレスが迫る。その体が喰われるのも時間の問題かな?

 俺は刻一刻とその時を待った。




どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 Lv98/99

 薬剤師 Lv42/60

 聖???の勇者Lv13/??

 狙撃主 Lv54/70

 獣人  Lv19/20

 狂人  Lv33/50

 魔術師 Lv52/60

 ローグ Lv22/70

 重戦士 Lv23/70

 剣闘士 Lv10/60

 神官  Lv9/50

 魔人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40

 舞闘家 Lv1/70

 大鬼人 Lv1/40 』

少し間に合いませんでした。


ではまた次回

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