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ランク試験です7

 護衛依頼中の最後の夜営を終えて、ミラの町に向かっていた俺たちは、町が近づくにつれて、緊張感に包まれていた。

 その理由はワイバーンの存在だ。

 ワイバーンは、ドラゴン系のモンスターの中では低ランクではあるが、この馬車を一撃でばらばらに粉砕する程度の実力は当然持っている。しかも、空から襲ってくるということもあり、結界に入るまで気を抜けない状態なのだ。


「さっそくいるみたいですね」


「ひっ!」


「まだ町まで一時間はあるのですが……運が悪いですね」


 俺の『気配察知(魔物)』に一体の魔物が引っ掛かった。警戒していたワイバーンのようだ。


 ワイバーンが現れたときの対処法は、予め夜営の時にモンガさんから聞いておいた。

 一般的にはまず馬車を止め、冒険者は一人を残して全員馬車から降りる。それから、馬車をワイバーンが来ている方角とは反対の方角にしばらく進ませ、残った者で追い払うというものだ。

 全員で対応せず、一人残すのは万が一に備えてだ。実際、この荒野にいるモンスターはワイバーンだけではない。サンドワームやストーンゴーレムなどの、こういった土地でも生きられるモンスターが多数存在する。夜行性だったり、そもそも餌を必要としなかったりするので普段はあまり出てこないが、出てくる可能性は0ではない。そのため冒険者を全員ワイバーンに割くわけにはいかないのだ。


 俺とラムダさん、マナとミレアムさんが馬車から降り、ヒツギとマキシムさんが馬車に残った。と言っても、実際に戦うのは俺とマナになる。二人は俺たちが倒せなかった場合の後始末をする形だ。1体だししくじるつもりはないけどな。


 『気配察知(魔物)』に引っ掛かったワイバーンが辛うじて目視できる距離に来たとき、『気配察知(魔物)』に新たな反応があった。


「追加か。1、2、3……多くね?」


「そうですね。これはいったい……」


 ラムダさんも気づいているようだが、遠くから新たなワイバーンが近づいてきていた。その数はアバウトにしかわからないが、20体くらいはいると思う。ラムダさんもすでに剣を抜いており、臨戦態勢だ。


「メイさん、マナさん、緊急事態ですがどうなさいますか? この状況ですし、私たちが参戦しても評価には影響しませんが」


「俺たちがやりますよ。マナ、ワイバーンが20体くらい。魔法で撃ち落とせるか? 止めはさせなくてもいいから」


「距離はどれくらい? 広がってきてる?」


「いや、結構固まってる」


「なら火魔法より氷魔法の方がいいね。翼を狙うから、残ったらお願いね」


「りょーかい」


 ラムダさんの申し出を断ってマナに確認をとる。20体程度なら『ダークランス』を20発くらい撃てば取りこぼしはないだろう。


「状況が状況です。厳しいと判断したら即座に私たちも動きます」


「そうさせないようにがんばりますよ」


 ラムダさんの申し出を断っている理由の大部分は実はワイバーンの各種素材にある。

 ワイバーンの素材は、肉、皮、牙、骨、血とすべてに使い道がある。骨と血は錬金術や調合に使うらしいが、俺は使う予定はないしすべて売るとして、牙は投擲武器、肉はヒメたちのご飯にちょうどいい。

 そして何より、モンガさんから皮はいい防具の素材になると聞いていた。

 竜の皮は基本的に固く、ワイバーンの皮であれば、下手な職人が扱えばそのままの強度にしかならないが、うまく加工すれば強度は鉄の鎧よりも上になるという。それでいて、飛竜系の皮は他のドラゴンに比べて非常に軽い。そのため、軽くて丈夫な防具の素材になるらしい。キャラビーのスピードを殺さずに防御力を上げるのにいいと思う。それに、俺自身もいつまでも皮鎧にローブってわけにはいかないしな。


「マナ、先行してきてるのは俺がやる。30秒くらい遅れて後続がくるから、魔力をためといてくれ」


「りょーかい」


 そんな話をしてすぐ、先行していたワイバーンが俺にむかって突っ込んできた。魔法は……いらないかな。


「『パワーエンチャント』『スピードエンチャント』」


 ステュラを右手で構え、左手で大きな口を開けて向かってきたワイバーンを殴り飛ばした。相手の勢いが強かったこともありきれいにカウンターが決まった。


「『鬼の一撃・付与』『一閃』」


 体勢を崩したワイバーンの首を切り裂いた。きれいに頭が胴体から離れたが、付与しなくてもいけたかな?


 あっさりと終わったところで、後続に目を向けた。すでにマナの魔力はため終わっているし、俺の仕事はマナの攻撃を耐えたやつを倒すだけだ。


「メイ、準備してね! 『冷たき死よ降り注げ』氷槍の雨」


 マナが『黒槍の雨』をアレンジして作った氷槍の雨で、ダークランスの闇の槍ではなく、アイスランスの氷の槍が敵の頭上から降り注ぐ魔法だ。1本1本が易々とワイバーンの強靭な体を貫くだけの威力があるが、それが数十本から数百本単位で降り注ぐのだから、ワイバーンからしたらたまったものではない。


 迫りくるワイバーンの軍勢が次々と地面に落ちていく。

 黒槍の雨と氷槍の雨の大きな違いは、氷魔法であるという点だ。氷魔法は、闇魔法と違って当たった後も影響を及ぼす。火魔法であれば燃え、水魔法であれば濡れたりするように、氷魔法は相手を凍らせる。凍らせると言っても、一時的なものだが、マナの込めた魔力の量を考えれば、何もしなければ10分ほどは凍るだろう。そのため、貫かれたはずのワイバーンたちからは1滴の血も流れていなかった。


 次々と落下していくワイバーンたちを眺めながら、空中のワイバーンは全てマナが対処できると判断した俺は、地面に落下したワイバーンに生き残りがいないか調べ始めた。

 最終的に23体いたワイバーンたちは、どいつもすでにこと切れており、動き出すことはなかった。まぁこんなもんか。


「あれだけの数がいたのに素晴らしいですね」


「結構魔力を使ってますからね。我慢してますけどもうくたくたですよ」


 マナがふらふらとしながら俺にもたれかかってくる。俺もそれを両手でしっかりと支えた。いかにも疲れましたと言うような演技をしているが、実際には全然疲れていないだろう。たしかに結構魔力を使っているだろうが、まだまだ余裕があるはずだ。普段俺を捕まえようと使ってくる結界が今の魔法の数倍の魔力で作られているのはわかってるんだぞ?


「一旦むこうと合流しましょう。ミレアムさんとマナさんはこの場に残って不届き者が来ないか見張っておいてください」


「わかった」


「わかりました」


「散らばってると邪魔になるし先にまとめときます」


 『ダークチェーン』でワイバーンたちを引っ張ってきて山のように積み重ねてから、俺とラムダさんはヒツギたちがいる方に走り出した。




どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 Lv94/99

 薬剤師 Lv42/60

 聖???の勇者Lv12/??

 狙撃主 Lv51/70

 獣人  Lv17/20

 狂人  Lv31/50

 魔術師 Lv47/60

 ローグ Lv22/70

 重戦士 Lv23/70

 剣闘士 Lv10/60

 神官  Lv3/50

 魔人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40

 舞闘家 Lv1/70 

 大鬼人 Lv1/40 』

試験終わりましたー

更新再開です。


活動報告で書きましたが、2,3日は連続で更新する予定です。

2日になるか3日になるかはわかりませんが、そこからはいつも通りに戻ります。


ではまた次回


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